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宇宙空間にスタジオ開設。'20年にスカパー! が双方向ライブ配信。XR/超高画質配信も
2019年11月6日 12:12
バスキュール、スカパーJSAT、宇宙航空研究開発機構は、国際宇宙ステーション(ISS)に番組スタジオを開設し、リアルタイムに宇宙飛行士とコミュニケーションが楽しめる“世界初の双方向ライブ配信”を行なうと発表した。実施時期は'20年夏以降を目処とし、'21年にはXR(AR/VR)や超高画質放送・配信も目指すという。
新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指すJAXAの共創型研究開発プログラム・宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)における活動の一環として行なわれる。
バスキュールとスカパーJSATは、地上400km上空を秒速8kmで周回するISSの日本実験棟「きぼう」を舞台に、“宇宙の民主化”を促進し、JAXA とともにメディアプラットフォームの実現に向けて検討を開始。
バスキュールは、2020年以降のフェーズ1において、「きぼう」船内に番組スタジオ「The Space Frontier Studio KIBO(きぼう宇宙放送局)」を開設。国際宇宙ステーションに長期滞在する宇宙飛行士とともに、宇宙に設置されたディスプレイを介して宇宙と地上でリアルタイムにコミュニケーションが楽しめる双方向ライブ配信を実施する。
きぼう宇宙放送局から届く番組は、スカパーJSATとともに、BSスカパー! や YouTube、SNS等で放送・配信をする予定。「国境のない地球を眺めながら、国も言語も世代も性別も違う人々が笑顔でつながりあう番組を目指し、本プロジェクトに賛同してもらえるクリエイターとともに、世界中の人々に向けたコンテンツを企画していく」としている。
本プログラムを実現させるべく、バスキュールは、ISS日本実験棟「きぼう」の機器等を活用し、ISSと地上との通信回線制約を考慮したデータ通信プロトコル、短時間で起動可能な双方向通信用専用アプリケーションを独自開発し、2020年夏以降を目途に、世界初の対面型双方向ライブ配信システムの技術実証及び事業化着手に向けた実証を実施。また、2021年頃を想定しているフェーズ2では、XR(AR/VR)も活用。「これまでにない映像配信を目指す」という。
スカパーJSATは、フェーズ1の番組に連携パートナーとして参画するとともに、「きぼう」船外に新たなカメラシステムの構築による、超高画質放送・配信開始に向けた検討(フェーズ2)と、ISSを利用した新たな通信システムの構築の検討(フェーズ3)も並行して開始。「きぼう」における上記のシステムに加え、スカパーJSATが軌道上に多数保有する衛星通信網も活用して、2022年以降、「きぼう」から超高画質ライブ放送・配信を目指す。
JAXAは、地球近傍の宇宙空間(地球低軌道)を民間主体の経済活動の場へ発展させていくことを目指し、上記で構築される対面型双方向ライブ配信システムの新たな利用方法や、全てのフェーズにおいて民間事業の創出を後押しする「きぼう」の機能拡充について検討を進めるとともに、フェーズ1の事業実施にかかる安全評価、軌道上機器の設置及び運用作業を行なう。
3社が共創して、世界初の宇宙からの双方向ライブ通信番組の配信、超高画質ライブ放送・配信を実現することで、国も言語も世代も性別も違う人々がつながりあう、新しい事業創出に取り組み、国際宇宙ステーション及び日本実験棟「きぼう」の新たなユースケースの開拓を目指すとしている。