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映画「1917 命をかけた伝令」、約3分半の長尺ワンカット映像解禁
2020年2月7日 19:00
2月14日より公開される映画「1917 命をかけた伝令」。その本編から、約3分半に渡る長尺ワンカット映像のシーンが解禁された。
第一次世界大戦を題材に、若きイギリス兵スコフィールドとブレイクの2人の兵士が危険待ち受ける敵の陣地を抜け、進軍する仲間と兄弟が所属する1,600人の友軍兵士たちの命を救うべく、一刻も早く「作戦中止」の重要な伝令をするために奔走する姿を描いた作品。
不可能とも思える過酷なミッションをより臨場感たっぷりに映し出すために、各シーンをすべてワンカットで撮影。そして全体を継ぎ目なくつなげる事で、まるで1つの長回しのシーンのように見える撮影方法も話題となっている。
解禁されたのは、とあるフランスの農家に辿り着いたスコフィールドとブレイクが、建物内とその周りを散策する一連の様子を写したシーン。荒らされた形跡の残る部屋を目の当たりにして「嫌な感じがする」と呟くスコフィールド。
その空間から逃げるように建物の外へと出ると、家畜小屋の傍には呑気に草を食べる牛と、搾りたての牛乳がバケツに残され、つい先ほどまで家主が穏やかに暮らしていたことを感じさせる。
そんな中、上空に2機の友軍機と1機の敵機が現れ、交戦に敗れた敵機が2人の目の前に墜落。燃え盛る機体から反射的に敵の兵士を助け出した2人だが、数々の戦場を経験したスコフィールドの「楽にしてやろう」という賢明な提案に対し、年も若く心優しいブレイクは「水を持ってこい」と、敵兵を助ける判断を下す。
撮影監督のロジャー・ディーキンスは「引き画を入れるか、どうカメラを動かせば周囲を見渡せるか、その瞬間を強く映せるか、ワンショット撮影というのはそのバランスが肝だった。ただ2人を背後から追うだけの映像にはしたくなかった。物語を描写する方法を模索したよ」とその苦労を振り返る。
ワンカットのカメラワークは“観客を映画の世界へ誘うための方法”として使われているもので、ロジャーは「観客にはワンカットの映像に気を取られずに作品を観てほしい。観客がストーリーに没頭して登場人物と一緒に体験するために作った映像だ。観客が撮影技術に気を取られるようではある意味失敗だ」とコメントしている。
サム・メンデス監督は「映画は体験だ。言葉ではなく感情で観客を夢中にさせるものだ。だから私は使える映画技術をすべて使って、観客を戦争の真ん中に連れて行った。かつてない没入感だ」と仕上がりに自信をのぞかせており、「観客にはカメラを忘れて、彼らの感情的な決断に共感してほしい。兵士たちが何を体験し、戦争で人間に何が起こるのか、我々が作ったのは体験そのものなんだ」とワンカット映像で映し出される映像体験に込めた想いを明かしている。