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パナソニック、小型フルサイズ・4K/60p対応で約24万円「LUMIX S5」

「LUMIX S5」

パナソニックは、フルサイズのセンサーを搭載したミラーレスカメラの新製品として、コンパクトなボディに、上位機譲りの高い静止画撮影能力や、4K/60pの動画撮影能力などを搭載しながら、ボディの実売価格を24万円前後に抑えた「LUMIX S5」(DC-S5)を9月25日に発売する。価格はオープンプライス。

レンズキットとして、「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 (S-R2060)」とのセットモデルも用意。店頭予想価格は28万円前後。オプションとして、バッテリーグリップ「DMW-BGS5」を店頭予想価格35,000円前後で用意する。

最大の特徴として、筐体が小型・軽量になった。同じフルサイズの「S1」は、ボディが1,017gだが、S5は714g。サイズは一回り小さくなった。外形寸法は132.6×81.9×97.1mm。マウントはL-Mount。

2,420万画素、ローパスフィルターレスのCMOSセンサーを搭載。ISO 100~51200(拡張50~204800)に対応。

「デュアルネイティブISOテクノロジー」も搭載。一般的なセンサーでは、ピクセルの受光部1つに対して、1つのゲインアンプを搭載するが、そのアンプでISO感度を上げるとノイズも一緒に増えてしまう。

そこで、1つの受光部に対して、ゲインアンプの前段に、「低ISO感度回路」と「低ノイズ・高ISO感度回路」を配置。「低ノイズ・高ISO感度回路」は、低い感度は不得意だが、それよりも高感度域を得意とする回路で、設定にあわせてこの2つ回路を切り替える事で、ノイズを抑えた高感度撮影を可能にしている。

AFは、被写体までの距離を瞬時に算出できるという「空間認識AF」を採用。さらに、AIのディープラーニングを応用した「リアルタイム認識AF」アルゴリズムが進化。これまでは顔、瞳、人体を認識できたが、新たに頭部の認識も可能になった。これにより、動いている人の追従性が向上。人物の顔が隠れてしまうようなシーンでも、頭部と人体の位置やサイズ、画角により撮影意図をカメラが自動で判別し、背景抜けを抑えながらフォーカスし続ける。

人の顔と瞳を検知し、自動でピントを合わせる「顔・瞳認識AF」も頭部認識により、遠くの小さな顔も認識し続けることが可能になった。強化された「人体認識」と「顔・瞳認識AF」の組み合わせで、人物へのより高精度なAF追従を実現。また動物認識も搭載しているので、動物に対しても高いフォーカス性能を発揮するという。

これは静止画だけでなく、動画でも利用可能。被写体が中心部から外れた場合や、後ろを向いた場合でも、しっかりと捉え続けられ、別の被写体がフレームに入ってきた時でも、主要被写体を捉え続けられるとする。

5軸方向の補正に対応するセンサーシフト方式のボディ内手ブレ補正「B.I.S.」は、5段の補正効果を実現。また、レンズ内手ブレ補正を搭載したSシリーズレンズを使用すると、2軸のレンズ内手ブレ補正「O.I.S.」と5軸のボディ内手ブレ補正B.I.S.を連動させる「Dual I.S. 2」が利用でき、最大6.5段の高い手ブレ補正効果を発揮する。

静止画の連写性能は、AFSモードで7fps、AFCモードで5fps。動画撮影は、ハイフレームレートの4K60p(4:2:0,10bit)記録から、ポストプロダクション向けの4K30p(4:2:2,10bit)内部記録まで幅広い記録モードを搭載。特に10bit記録は、8bit記録に比べ64倍の情報量を持っているため、グラデーションや微妙なニュアンスの階調を得られ、編集やグレーディングの自由度を向上できる。

さらにHDMIケーブルで外部レコーダーやモニターと接続した場合には、4K60p(4:2:2,10bit)のHDMI出力が可能。撮影範囲においてもフルサイズならではの美しいボケ味を楽しめる「FULL」や、APS-Cサイズ用交換レンズに対応する「APS-C」の画角も選択可能。4:3アスペクトのアナモフィックレンズに対応した、アナモフィック動画記録も可能。
。録画可能時間は4K/60pで30分、4K/30p 4:2:2 10bitで30分、4K/30p 4:2:0 8bitでは時間制限は無いが、温度制限はある。

高解像度の映像を長時間撮影するため、独自の熱シミュレーション技術を活用。実際のカメラで、動画を撮影し続けると、どのように熱が発生するかを細かくチェック。熱シミュレーションと反復テストを繰り返す事で、「熱容量の限界まで発生した熱を効率よく分散することが可能」としている。映像処理のビーナスエンジンも省電力化しており、発熱を抑えている。

VARICAMやS1Hと同水準の、14+ストップの広いダイナミックレンジを実現。「暗部からハイライト部分まできめ細かに描写し、豊かな階調表現が可能」という。

V-Logを搭載するVARICAMやS1H/S1、V-Log L搭載のGH5/GH5S/G9などで記録した素材を組み合わせても、統一されたガンマ特性とルックで効率よく編集が可能。

V-Log設定時、V-Gamutによる広色域の動画記録が可能。V-Gamutは、原色の忠実な再現と ITU-R BT.2020を超える広大なカラースペースの両立が特徴。10bit HDMI外部出力も可能。外部レコーダーなどと連携できる。

HLG方式での、4K/HDR撮影も可能。Rec.709相当のガンマカーブ、高輝度部分をニー(圧縮)して白飛びを抑える設定も備え、圧縮を開始する輝度(ニーマスターポイント)と、圧縮の強さ(ニーマスタースロープ)も任意に設定できる。

映画のような暖かなスキントーン、印象的な陰影の表現が可能な「シネライク」ガンマをフォトスタイルに搭載。ダイナミックレンジを優先したシネライクD2、コントラストを重視したシネライクV2を用意し、カラーグレーディングを行なわなくても、VARICAMの絵作り思想を反映したルックを容易に再現できる。

インターバル撮影した画像から動画を作成する「4Kインターバル動画」は60pに対応。被写体の変化を滑らかな映像で表現でき、さらにインターバル撮影時に露出の平滑化が可能。ちらつきを抑えた自然なインターバル動画を作成できる。

他にも、スポット輝度メーター、ゼブラパターン、タイムコード、動画記録中に背面モニタへの赤枠表示、設定した縦横比のフレームを撮影画面に表示する事で、編集でトリミングするときの画角をイメージして撮影できる「フレーム表示」機能も備えている。

なお、'20年内に提供予定の新ファームウェアを適用する事で、「ATOMOS NINJA V」へのHDMI経由での動画RAWデータ出力に対応予定。C4K動画記録にも対応。動画撮影アシスト機能として、ベクトルスコープ表示/マスターペデステル調整、SS/ゲイン操作(秒/ISO、角度/ISO秒、秒/dB)にも対応するという。フォトスタイルにはL. モノクローム S、L. クラシックネオが追加される。

LUMIX S5以外でも、S1/S1H/S1Rにて今後ファームアップが予定されており、S1/S1HではS5と同等のAF性能を、S1Rでは、AF性能の向上と、5K動画記録への対応が実現するという。

236万画素の有機ELファインダーを搭載。倍率は0.74倍。背面には184万画素の3型フリーアングルモニターを備える。SDメモリーカードスロットは2基備えており、Slot 1はUHS I/UHS II U3、UHS II V90に対応。Slot 2はUHS I U3に対応。順次(リレー)記録、バックアップ記録、振り分け記録が可能。。USB接続ケーブルを使用して外部電源から電力供給しながら撮影できる「USB給電」や、移動中もモバイルバッテリーなどから充電できる「USB充電」にも対応する、