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動画に強いLUMIX GH5が進化、手軽にライブ配信できる「GH5II」
2021年5月26日 11:10
パナソニックは、マイクロフォーサーズマウントのデジタルカメラ新モデルとして、LUMIX「GH5II」(DC-GH5M2)を6月25日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はボディのみで19万4,000円前後、LUMIX G VARIO 12~60mm F3.5~5.6が付属するレンズキット「DC-GH5M2M」が21万円9,000円前後。
2017年に発売された「GH5」は、静止画だけでなく、動画にも強い「ハイブリッドハイエンドミラーレス」として登場。開発段階では、映像クリエイターなどに活用される事を目指していたが、発売後はそうした層に加え、YouTuberなど、より幅広い層に受け入れられるカメラとなった。
後継モデルである「GH5II」は、YouTuberやコンシューマーユーザーなどに向けて、さらに利便性や撮影機能などを進化させつつ、価格は手頃に抑えたモデルとして登場。同日に開発発表されている「GH6」は、ビデオグラファー向けにさらなる高機能を搭載したモデルとして展開していくという。
ボディサイズは初代GH5と同じだが、内部は大幅に刷新。撮像素子のベースはGH5と同じ2,030万画素のLive MOSセンサーだが、ARコーティングによりフレアを抑制。さらに、画像処理エンジンは、LUMIX S5/BGH1と同じ最新のヴィーナスエンジンを搭載している。外形寸法は138.5×87.4×98.1mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は本体のみで約647g。
絵作りは、GH5で未対応だった最新のカラーサイエンスを搭載。ダイナミックレンジ優先のシネマLOOK「シネライクD2」、コントラスト優先のシネマLOOK「シネライクV2」、グレーディングに適したLog撮影モード「V-Log L」、カラーフィルム風のノスタルジックな色合い「Lクラシックネオ」、ポートレートに適した柔らかなモノクロ「LモノクロームS」、コントラスト低めの柔らかな効果「フラット」がプリインストールで利用できる。
動画撮影時の時間無制限というGH5の特徴も踏襲。外気温が40度の条件でも、オーバーヒートを抑制しながら、時間無制限で動画が撮影できる。
AFや手ブレ補正も最新のものに進化。LUMIX S5で開発された最新のAFアルゴリズムと、高速読み出しにより、過去最高のAF性能を実現したという。人体認識、動物認識も利用可能。
手ブレ補正効果は、従来の5段から6.5段に強化。S1Hで開発された、動画撮影時に違和感の無い手ブレ補正を行なえる最新の補正アルゴリズムも搭載している。
メニューまわりもSシリーズ同様、最新の構成にアップデート。人差し指の付近にある3連ボタンやジョイスティックなど、従来好評だったボタンレイアウトはそのまま踏襲している。
フリーアングルの液晶モニターも進化。従来比約1.5倍の明るさになって屋外でも見やすいほか、緑・赤が鮮やかに見える広色域液晶になった。
OLEDのファインダーは従来モデルと同じもので、368万画素の0.76倍。コントラスト比は10,000:1。
SDメモリーカードスロットはデュアル構成。筐体は防塵防滴・耐低温・フルマグネシウム合金で堅牢性を高めている。
新たな撮影機能として、発売後のファームウェアバージョンアップにより、星の軌跡などを撮影できるライブビューコンポジット機能を追加予定。
動画撮影機能も進化
記録モードに、4K60p 4:2:0 10bitを追加。C4K(4,096×2,160)の60p 4:2:0 10bit、30p/4:2:2 10bit、24p/4:2:2 10bitでの記録も可能。GH5 V2.0と同等に、6K-A(アナモフィック) 30p 4:2:0 10bitなどの録画もできる。
従来は別売だった、10bit V-Lig Lでの撮影機能をプリインストール。LUTアシスト表示機能も備えている。
撮影中である事を背面モニターの周囲を赤く縁取る事で知らせる機能や、フレーム表示、アナモフィックデスクイーズ表示、2つ同時表示可能なゼブラパターン、スポット輝度メーターなども新たに搭載。これはS1H/S5と同等の撮影アシストメニューとなる。
マニュアルフォーカスでの撮影に向け、レンズのフォーカスリング制御もノンリニア/リニアが選べ、回転角の変更も可能。なお、この機能を利用する場合には、同梱のキットレンズ以外は、レンズのファームアップが必要。対応レンズはFS12060/ES12060/ES08018/X1025/HSA12035/HSA35100/ES50200/FSA45150/FSA100300/RS100400/XA025/ES200。
5G対応端末と連携して無線ライブ配信
スマートフォンと連携して、手軽にライブ配信できるのも特徴。これまでは、カメラで撮影した映像をキャプチャボードを介してパソコンに取り込み、そこから配信ソフトを使ってYouTube LIVEやFacebook LIVEなどに配信していたが、Wi-Fi環境が必要だったり、機材のセッティングなどが難しかった。
GH5IIでは、スマホアプリの「LUMIX Sync」で、YouTube/Facebook、どちらのプラットフォームでライブ配信するかなどを選択、さらに、配信映像を撮影するGH5IIをアプリから選び、カメラの映像をスマホ経由で手軽にライブ配信できる。この場合、パソコンなどは不要。
さらに、パソコン用に「LUMIX Network Setting Software」も用意。パソコンで配信先を設定し、そのデータをSDカードに保存。それをカメラのGH5IIに挿入すると、GH5IIが、無線LANルーターと直接接続。撮影している映像を、パソコンを使わずにライブ配信できる。
なお、年内にはファームアップにより、GH5IIと配信用スマートフォンの有線接続に対応予定。ノートPCなどに付属している事が多い、USBからLANへと変換するコネクタを使っても配信ができるようにする。
GH5IIのバッテリーは「DMW-BLK22」で、容量は従来比約118%。S5と共用できるほか、GH5のバッテリーも使用可能。USB接続時の充電/給電にも対応し、USB POをサポート。給電しながら無線配信にも対応する。
最大2万円のキャッシュバックや発表オンラインイベントも
デビューキャンペーンとして、最大2万円のキャッシュバックも実施する。6月25~8月29日購入分が対象で、ボディのみでは15,000円、レンズキットでは2万円キャッシュバックされる。詳細なキャンペーンの情報は、LUMIXのページを参照のこと。
また、本日26日の18時から、「CREATORS LIVE with LUMIX GH」と題した一般向けのオンラインイベントも開催。2部構成で、ビデオグラファーやYouTuberがGH5IIの魅力や、使用感、このカメラを使って動画チャンネルを始めるにはどうしたらいいのか、といった情報をライブ配信する。こちらも詳細はLUMIXのページを参照のこと。
“ここまでいけるか”と思いながら撮影した
説明会には、ドキュメンタリー監督/映像記者の岸田浩和氏、映像ディレクターのTOSH SHINTANI氏も登壇。実際にGH5IIを使って映像作品を撮影したTOSH SHINTANI氏は、普段は広告映像の撮影で大型のカメラをクレーンで吊るして撮影するような現場も多いという。しかし、今回のGH5II撮影では、本人とアシスタントの2人で撮影が可能だったという。
「(普段使っている大型カメラとGH5IIを比べると)階調の豊かさ、信頼感などで違いが出るはずなのですが、あんまり遜色がなく、GH5IIはかなり良かったです。“ここまでいけるか”と思いながら、撮影していました」と振り返る。
撮影の現場では、GH5IIにトップハンドルと外部モニターを装着し、手持ちで撮影。三脚も一切使わなかったという。「テスト撮影で撮影のときに手ブレ補正が強力だったので三脚はいらないと判断しました。ジンバルも現場に持って行きましたが、使わずに、手持ち撮影する事でより直感的にアングルを決められてよかったです」とのこと。
パナソニック コンシューマーマーケティング ジャパン本部 商品センター イメージング商品 主務の中西智紀氏は、強化された手ブレ補正補正について、「(手ブレ補正効果の)段数だけ追うと、動画撮影でパン・チルトなどしたときに、映像の揺り戻しが起きたりと不自然になる事があります。そこで、フルサイズのハイエンド機S1Hを開発した時に、不自然にならないようなアルゴリズムを追求しました。そのアルゴリズムをGH5IIに搭載しているので、動画撮影で使いやすいものになっていると思います」と解説。
岸田氏も、「並木道を歩きながら動画撮影した時も、映像の両端がグネグネ揺れるような現象がほとんど起きず、私もジンバルはいらないなと感じました」と感想を語った。
作品作りでは色やトーンにこだわっているというSHINTANI氏。今回の撮影ではシネマ4K解像度のVlogモードで撮影し、グレーディングを行なったという。「窓の外の白く見える部分にも、外の景色や空の雲など、ディテールがここまで戻ってくるのかと衝撃を受けた」という。「SNS向けのコンテンツ制作にまさにうってつけで、インタビュー撮影、ドキュメンタリー撮影など、機動力が求められる時や、短時間で沢山撮るといった場面では非常にいいカメラだと思いました」と、GH5IIの実力に満足した様子だった。