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ソニー、レンズ交換できるAPS-Cの“VLOGCAM”「ZV-E10」

「ZV-E10」ホワイトモデル

ソニーは、VLOGCAMシリーズの新モデルとして、レンズ交換式でAPS-Cサイズのセンサーを搭載した「ZV-E10」を9月17日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は本体のみが78,000円前後、「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」が付属するレンズキットが89,000円前後。カラーはブラックとホワイトを用意する。

カラーはブラックとホワイトを用意

VLOGCAMは、コンパクトデジタルカメラの「ZV-1」が既に発売されているが、ZV-E10はレンズ交換式でAPS-Cサイズのセンサー(有効約2,420万画素)を搭載しているのが特徴。コンパクトさを活かし、機動力にこだわる人にはZV-1を、レンズ交換と大型センサーで映像表現にこだわる人や一眼への憧れがあるユーザーに向けてはZV-E10をアピールしていく。子供撮影がメインのファミリー層にもZV-E10を訴求する。ZV-E10もαシリーズの1モデルである。

APS-Cサイズのセンサー(有効約2,420万画素)を搭載
レンズ交換が可能
左が「ZV-E10」、右が「ZV-1」

カメラとしての基本的なスペックは既発売の「α6400」に近い。ただし、α6400をカスタマイズしたものではなく、別カメラとして新たに開発されたものとなる。α6400との主な違いは、ZV-E10にはVlog撮影で便利なサポート機能を多く搭載している他、動画撮影時の手ブレ補正モードがアクティブモードに対応する。

一方で、α6400に搭載している内蔵ビューファインダーと内蔵フラッシュがZV-E10では省かれている。また、液晶モニタがα6400はチルト式だが、ZV-E10はバリアングルになっている。外形寸法は115.2×64.2×44.8mmで、重量はバッテリーやメモリーカードを含めて343g。

左が「ZV-E10」、右が「α6400」
液晶モニタがα6400はチルト式だが、ZV-E10はバリアングルになっている
「ZV-E10」の背面

ZV-E10は広角レンズも装着できるため、自撮りでも背景を広く撮影可能。大型センサーを活かしたボケ表現や、望遠撮影、マクロ撮影、魚眼撮影といった、レンズ交換による表現力の広がりが特徴。

AFは、像面位相差AFセンサーを使ったファストハイブリッドAFを搭載。動画撮影でも素早いフォーカシングが可能。「AFトランジション速度」は、映像を見る人の視点を自然に操るラックフォーカスのような演出の際に有効で、7段階で速度調整が可能。「AF乗り移り感度」は、AF対象の被写体を瞬時に切り換えたり、粘り強く追いかけたりする感度調整が5段階で設定できる。

リアルタイム瞳AFにも対応。動画撮影中も人物の瞳を認識し、追い続ける。静止画同様にリアルタイムトラッキング技術との併用により、画面内の任意の場所にいる人物を自動追尾し、瞳を認識すればリアルタイム瞳AFで追いかけることも可能。

リアルタイムトラッキングAFでは、モニター上の被写体にタッチするとリアルタイムトラッキングが作動。被写体を自動追尾し、ピントを合わせ続ける。

位相差AFセンサーは、撮像エリアの約84%をカバーする425点を搭載。AF/AE追従で最高約11コマ/秒の連写もできる。

「ZV-E10」ブラックモデル

Vlogに特化した撮影機能として、年齢や性別などに関係なく、人物の肌を生き生きとした色合いで撮影可能。逆光や薄暗い状況でも常に顔の明るさをキープする「顔優先AE」も装備。

肌を明るくキレイに撮影する「美肌効果」では、顔の小じわやシミ、くすみなどを目立たなくし、目や口もとにメリハリをつけて肌をキレイに撮影可能。レベルに応じて、OFF/LO/MID/HIの4つの設定から選択できる。

電子手ブレ補正を搭載し、動画専用の電子手ブレ補正「アクティブモード」に対応。ボディ単体で高い補正効果を得られる。なお、アクティブモード利用時は撮影画角が少し狭くなり、撮像フレームレートが120p以上になる記録方式、および「S&Qフレームレート」が120fps以上のときは利用できない。

マイクにもこだわっており、本体に3指向性カプセルマイクを内蔵。高い集音性能とノイズリダクション機能を備えたもので、マイクの内部構造を見直したことにより集音効率が向上、よりクリアな録音を実現したとする。集音構造のカバーの形状も変更し、付属のウインドスクリーンを使用することで、風切り音を低減できる。

本体に3指向性カプセルマイクを内蔵
付属のウインドスクリーン

APS-Cセンサー搭載カメラとして初めて、カメラ本体の「マルチインターフェース(MI)シュー」に、デジタルオーディオインターフェースを追加。音声をデジタル信号のままダイレクトにカメラに伝送し、劣化のない高音質録音が可能。従来のMIシュー接続と同様にケーブルレス・バッテリーレスのため、αシステムとして動画撮影時の自由度が上がるという。

デジタルオーディオインターフェースに対応したMIシューを介して、ワイヤレスマイクロフォン「ECM-W2BT」とラベリアマイクロフォン「ECM-LV1」も接続でき、 高品質なデジタル録音が可能。ヘッドフォン端子も搭載し、録音を正確にモニタリングできる。

ヘッドフォン端子も装備
ワイヤレスマイクロフォン「ECM-W2BT」接続イメージ
ラベリアマイクロフォン「ECM-LV1」接続イメージ

Vlog撮影に便利な機能として、「商品レビュー用設定」ボタンを用意。カメラの前に商品を持ち上げて「これが今回紹介する○○」といった動画を撮る際に、出演者の顔にAFが持っていかれず、持ち上げた商品に素早くAFが合焦するようになる。

カメラの設定に詳しくない人でも、絞りの変更が行なえる「背景ぼけ切り替え」ボタンや、静止画撮影モードと動画撮影モード、スロー&クイックモードを素早く切り替えられる「Still/Movie/S&Q切り替え」ボタンも備える。

バリアングル液晶モニターを採用した事で、自撮りやハイアングル、ローアングルの撮影がしやすくなっている。

一目で録画しているかわかるように、前面に赤いレコーディングランプを搭載。モニターにも、撮影中には赤いフレームが表示される。液晶モニター開閉による電源ON/OFF連動や、ズームレバー、天面にRECボタンも備える。

前面に赤いレコーディングランプを搭載
撮影中には赤いフレームが表示される

最大80分の動画撮影が可能。USB-Cケーブルを介したモバイルバッテリーからの充電と給電にも対応し、屋内であれば「AC-PW20AM」などを使ったAC電源供給が可能。

スマートフォンアプリの「Imaging Edge Mobile」と連携し、写真や動画をスマホに転送可能。スマホの画面をカメラのライブモニターとして使用することもできる。PCと接続し、カメラをWebカメラとして使ったり、ライブストリーミングする事も可能。

グリップは別売