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車輪で移動できる“レイアウトフリー”ビエラ。業界初の4K無線伝送
2021年9月21日 13:15
パナソニックは、キャスター付きスタンドを搭載し、かんたんに設置場所を変えることができる「レイアウトフリーテレビ」を10月22日より発売する。型名はTH-43LF1。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は24万円前後。
アンテナ線やレコーダーなどのケーブルが届く範囲でしかテレビを設置することができず、「テレビの位置で家具のレイアウトが制限される」という声や、「テレビのデザインがインテリアになじまない」といった不満を解消すべく開発された、新コンセプトの4K液晶ビエラ。大きさは、43型のワンサイズのみ。
独自の無線伝送技術により、ディスプレイ部とチューナー部を分離。ディスプレイ部のアンテナ線接続を不要とし、電源コード1本で視聴場所を選ぶことができる“レイアウトフリー”を実現した。
ディスプレイ部はキャスター(車輪)付きスタンドと一体化させて、可搬性を向上。室内のインテリアになじみやすいよう、本体、スタンドともにホワイトを基調としたデザインも特徴となっている。
同社担当は「従来のテレビは、部屋のアンテナ端子がどこにあるか? で設置場所がほぼ決まってしまっていた。チューナーが別筐体のレイアウトフリーテレビであれば、アンテナの位置に縛られることなく、好きな場所に設置、移動して楽しむことができる。住空間に寄り添う“新しいテレビのカタチ”を提案していきたい」としている。
業界初、4K放送の無線伝送に対応
“レイアウトフリー”を支えるのが、高度な無線伝送とリアルタイム圧縮技術。本機では、無線伝送技術をポータブルテレビ「プライベート・ビエラ」から、そして4K映像の圧縮技術を「4Kディーガ」から継承することで、業界初となる4K放送の無線伝送を実現している。
特に無線伝送に関しては、プライベート・ビエラの開発で得られた技術やノウハウを、ディスプレイ・チューナー部のアンテナ設計に活用。幅広いエリアで安定した視聴を可能にした。
実空間を想定した伝送試験も実施し、マンションの同フロア内での送受信、戸建ての1階送信・2階受信を確認済みとのこと。ただし、金属製のドアや、アルミ箔入りの断熱材が入った壁、コンクリートやトタン製の壁、複層ガラスの窓、壁を何枚もへだてたところ、別の階で使う場合など、建物の構造や周囲環境によっては、電波が届かない場合もあるとしている。
本機の無線伝送には2.4/5GHz帯を使用するが、同一環境で無線LANと併用可能。チューナーからディスプレイへの伝送は受信環境で左右されるため、2K/4K放送視聴の場合は、DR~長時間モードで画質が変動する仕組みという。
なお、無線伝送できるのは、チューナーで受信した4K/2K放送番組や録画した番組、動画配信サービス、写真・動画データなど。チューナー部にドライブやHDMI入力はないため、BDやゲーム機の映像などを伝送することはできない。
リモコン(赤外線)は、ディスプレイに向けて操作する仕様となっており、チューナー部の設置場所に関わらず使うことができる。
テレビ設置の自由度を高めるため、ディスプレイ部はキャスター付きスタンドを採用。テレビ台が不要で、壁に寄せたり、部屋の中央に置くなど、生活環境に合わせて動かすことができる。掃除の際の移動や、リビングからダイニングへの移動なども簡単に行なえるという。
スタンドの高さは固定で、ディスプレイ部の昇降はできない。またキャスター部分にストッパーなどのロック機構は備えていない。「ロックを付けた方が急な揺れなどで倒れやすいこともあり、今回はストッパーの搭載を見送った。重量バランスを工夫するなどして、倒れにくさの面もケアしている」とのこと。
ディスプレイの電源コードは約3m。スタンド下部には、コードを手動で巻いて収納可能な引き出しも用意する。掃除機などのようにコードをすべて出す必要がなく、「必要な長さだけ取り出し、残りは収納すれば、見た目をスッキリできる。移動する際も、コードをひきずることなく、スマートに行なえる」という。
外れやすいマグネット式コンセントも付属。仮にコードを足にひっかけても、容易にコンセントが外れるなど、安全性も配慮している。
ディスプレイ本体とスタンドは、リビングに溶け込みやすい白基調のカラーを採用。「壁紙を意識した」というシボ加工を施しているほか、背面には端子部を覆うカバーを用意し、360度どこから見ても美しい、スタイリッシュなデザインを目指した。
チューナーに2TB HDDを内蔵。白リモコンにDisney+ボタン
チューナー部は、BS4K・110度CS4K×2、地上/BS・110度CS×3。2TB HDDを内蔵しており、4K/2K放送のシングル録画や4K放送の裏番組録画、2K放送のダブル録画ができる。外付けUSB HDD(別売)の利用も可能。
録画はDRモードに加え、長時間録画モードも用意。4K放送の場合は、2倍録、4倍録、8~12倍録の選択が可能で、8~12倍録時は約1,560時間分、そして2K放送の場合は、HD15倍録時で約2,700時間分の番組を録り貯めることができる。
ネット動画サービスに対応。従来のNetflix、Amazon Prime Video、YouTube、Hulu、U-NEXT、ABEMA、TVer、DAZN、Paravi、dTV、デジタル・コンサートホール、TSUTAYA TV、スカパー! オンデマンド、TELASA、DMM.com、Rakuten TV、NBAのほか、Disney+も新たにサポート。4K/HDRの作品が楽しめる。ひかりTVは非対応。
ホワイト基調の新リモコンは、Netflix、Prime Video、Disney+のダイレクトボタンを搭載。上部のマイアプリボタンには、好きなアプリを割り振ることができる。
スマホアプリ「どこでもディーガ」を本機と組みあわせれば、チューナーで受信中の放送番組、録画番組を宅外のスマホで視聴したり、スマホを使ったリモコン操作、スマホで撮影した動画や静止画の伝送・保存などが行なえる。
新たに、IoT対応家電の動作状況やくらしに役立つ情報を音声で知らせてくれる「音声プッシュ通知」サービスに対応。洗濯機や冷蔵庫など、同社のIoT対応家電と連携することで、洗濯や調理の動作終了、部屋の温度上昇といった情報を音声とポップアップでアナウンス。「ゴミの日」や「薬の時間」なども登録でき、うっかり忘れがちな情報も音声で案内することが可能という。
付属リモコンに音声操作機能はないが、Googleアシスタント、Amazon Alexa搭載のスマートスピーカーを組み合わせることで、本機の電源ON/OFFや、チャンネル切り替え、音量調整などの操作が行なえる。
高画質化機能は、JX750シリーズと同等
ディスプレイ部には、4K/3,840×2,160ドットのIPS液晶パネルを採用。LEDバックライト搭載で、倍速は非対応。
画質処理系は、既発モデル「JX750」シリーズとほぼ同等。
ディープラーニングを活用したAI技術によるシーン認識アルゴリズムにより、シーンに応じて画質を自動で最適化する「オートAI画質」ほか、3次元カラーマネジメント回路(3D-LUT)搭載の高画質技術「ヘキサクロマドライブ」、高精度なHDR処理技術「ハイブリッドトーンマッピング」、SDRをHDR化する「AI HDRリマスター」、HLG映像を最適化する「新4K放送高画質化処理」、信号処理によるコントラスト制御「エリアコントラスト制御PRO」などを搭載した。
HDR10、HLG、Dolby Visionをサポートする。
ディスプレイ部には、下向きの20Wステレオスピーカーを搭載。どこに設置しても映像の中から聞こえてくるような音を実現すべく、独自の測定方法に基づいた位相補正により、音響特性・音像定位を改善。さらに映像と音声で回路を分離するオーディオ専用回路を採用することで、低ノイズ・低歪みな音声信号回路となり、よりクリアな音声になっているという。
チューナー部のインターフェースは、USB×2(録画、データ用)、LAN。HDMI出力を1系統備えるが、機器設定用で放送視聴や再生には使用できない。
ディスプレイ部のインターフェースは、HDMI入力×2、USB×1、イヤフォン×1。HDMI入力は4K60p対応で、HDMIポート2はeARCをサポートする。
消費電力は、チューナー部が約26W、ディスプレイ部が117W。外形寸法/重量は、チューナー部が21.5×21.5×8cm/約1.8kg、ディスプレイ部が98×49.2×118.2cm/約24.5kg。