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光城精工、“業界初”の砲金削り出しポータブルヘッドフォンアンプ

砲金削り出しの「Doyagu」

光城精工は、かつて話題沸騰した真鍮削り出しのポータブルヘッドフォンアンプ「KM01-Brass」をリバイスし、砲金製の「Doyagu」として復刻。300台限定で2月17日に発売する。価格は11万円。

これまで真鍮や純銅の削り出しを特徴とした製品は存在していたが、今回、同社が着目した砲金は、真鍮と同じく銅合金ではあるものの、銅の配合成分率が高いことから粘り強さを備えている。身近な素材として五円玉:真鍮(黄銅)、十円玉:砲金(青銅)がある。

インゴット状態にある砲金は適切なサイズにブロック化(重さ約1.3kg)され、意匠に基づいたボディへと切削加工される。同社によれば砲金削り出しボディを採用したのは業界初という。

シリアルナンバーも刻印される

砲金削り出しの質感を楽しめるよう、あえて表面処理は施されていないため、使うほどに深まる風合いや、経年変化によるアンティーク感を楽しめる。また定期的なメンテナンスで煌びやかさを保てるなど、自分好みに仕上げることができる。本体裏面の真鍮プレートには、レーザー加工によりシリアルナンバーが刻印される。

デザイン面では、前モデルがR面取り加工に対し、C面取り加工することでスクエア感を演出。金属切削加工の利点を活かし、音量可変ツマミ(ボリューム)の保護を兼ね備えたガードも設けられている。ガードは時に操作性を悪くすることもあるが、適度なクリアランスを確保することで、腕時計のリューズのようにスライド調整ができる。

各インターフェースの名称やブランドロゴマークは、シルク印刷ではなく、レーザーによる刻印加工でKM01-Brassを踏襲。ブランドロゴマークを小ぶりにしてアクセントとしている。また「Doyagu」と型押しした本革を一部にあしらっている。

この砲金製ボディは、真鍮製ボディとの比較試聴のうえで誕生。高い人気から何度も再販されたKM01-Brassを超越するべく、主要部品もリバイスされている。

また音響用部品と通常の部品をバランスよく配置し、ノイズの影響を考慮したレイアウトと、砲金削り出しボディのコラボレーションにより「滑らかで透明な高域から低域を表現」する。

電源部は単4電池1本という手軽さながら、直流平滑(リップル抑制)段に使用される大容量コンデンサに、内部抵抗が小さく高リップル電流耐量の導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ:OS-CON(Panasonic製)と、ノイズキャンセリング用のKEMET製セラミックコンデンサを併用。2,700μF×3個の仕様となっている。

また電池駆動というノイズレスな仕様にもかかわらず、外来ノイズからの影響を最大限に回避するため、チョークコイルとコンデンサによるフィルタも搭載した。

心臓部とも言える信号増幅段には、Rail to Rail のオペアンプを採用し、低い電源電圧ながらもダイナミックレンジを広く確保するなど、音質への拘りを徹底させている。

入出力端子は、3.5mmステレオミニ。推奨負荷インピーダンスは16~3,000Ω。再生周波数帯域は10Hz~100kHz(+0dB、-0.5dB)、定格出力は32Ω負荷時で8mW+8mW、SN比は80dB以上。全高調波歪率は0.05%以下。

電源は単4電池(アルカリ電池/充電池)で、連続動作時間はアルカリ電池使用時で約14時間。外形寸法は57×19×93mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約327g。本体に電池は付属しない。