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デノン、人気の低価格サウンドバーがAtmos対応で進化「DHT-S217」
2022年4月28日 11:00
デノンは、サウンドバーでありながら「ピュアでストレート」なサウンドを追求し、話題となった「DHT-S216」の後継機種として、新たにDolby Atmosをサポートした「DHT-S217」を5月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は29,700円前後。
既存のDHT-S216と同様に、デノンのサウンドマスター・山内慎一氏が開発の初期から関わった製品。S216の発売当初の実売価格は23,000円前後で、後継機のDHT-S217は29,700円前後と高価になっているが、ハイエンドAVアンプにも搭載しているSoCをよりグレードアップしたものを搭載し、新たにDolby Atmosの3Dオーディオ信号のデコードに対応、バーチャルサラウンド信号処理も余裕をもって行なえるようになっている。
このSoCは、上位のサウンドバー「DHT-S517」に搭載しているのと同じもの。S517と比べても、S217ではSoCに取り付けているヒートシンクをより小型化した。S217は、筐体の左右にポートを設けたバスレフ方式で、筐体内の空気の流れを冷却に活用できるため、ヒートシンクも小型化が可能になっている。
S216はロッシーなドルビーデジタル信号までの対応だったが、S217はロスレスであるDolby TrueHDベースのAtmosに対応しているため「ロスレスという新しいステージに突入したサウンドバー」としている。山内氏がサウンドチューニングを担当し、Hi-FiコンポやAVアンプと同様の厳格な音質評価と、チューニングを実施。山内氏が掲げるフィロソフィー「Vivid & Spacious」サウンドを実現したという。
基本的な構造や筐体サイズ、搭載しているユニットやその個数もS216と同じ。Dolby Atmosイネーブルドスピーカーは搭載していない。しかし、Atmosのハイト音声をデジタル信号処理することで、ハイトスピーカーやDolby Atmosイネーブルドスピーカーが無くても、より臨場感のある再生ができるというDolby Atmos Height Virtualizerを備えている。
また、ステレオや5.1ch、7.1chの音源を再生する場合も、立体的な3Dサウンドにアップミックスして再生できる。ただし、後述するPUREモードの選択中はアップミックス処理は行なわない。
スピーカーユニットは、前面の左右端に25mm径のツイーター、45×90mmの楕円形ミッドレンジを各2基搭載。中央付近に、下向きに75mm径のサブウーファーを2基搭載している。
定在波を防ぐために、平らな面をなるべく作らないように設計されているほか、抜けをよくするためにバスレフポートの開口部を広く開けている。開けすぎると剛性が低下するため、最適なバランスを取ったという。
なお、バスレフポート部分はS216が光沢仕上げだったのに対して、S217ではマットな仕上げになっている。
脚部も改良。従来よりも20%、約1mm高くなっている。これにより、低域の抜けの良さを改善したという。
電源部も、S517と同等の強力なものを搭載。パワーアンプの出力と不釣り合いなほど強力なもので、安定動作に寄与している。
入力端子は、4K対応のHDMI入力、光デジタル入力、AUX入力を各1系統装備。HDMI ARC/eARC対応テレビと接続する場合は、HDMIケーブル1本で接続できる。出力は、4K対応HDMI、サブウーファー出力を各1系統備える。ACケーブルは着脱式。
対応音声フォーマットは、リニアPCM 7.1ch、ドルビーデジタル、ドルビーデジタルプラス、Dolby TrueHD、Dolby Atmos、MPEG-2 AAC、MPEG-4 AAC。新4K/8K衛星放送で使用されているMPEG-4 AACのデコードが可能。。
また、Bluetooth受信機能も備えており、Bluetoothスピーカーとして使うことも可能。対応コーデックはSBC。
サウンドモードは、映画館のような臨場感のあるサウンドが体感できるという「MOVIE」、コンサートホールのような臨場感が楽しめる「MUSIC」、夜間などで音量を控えめにした時でも、小さな音が聞き取りにくくならない「NIGHT」モードを用意。
さらに、S216からの特徴である「PURE」モードも搭載。サウンドモードやバーチャルサラウンド処理をバイパスし、増幅回路に入力する、音の純度が最も高くなるモード。山内氏が目指す「Vivid & Spacious」サウンドを実現するサウンドモードと位置付けられ、40回以上の音質検討を繰り返して決定されたという。
外形寸法は890×120×67mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.6kg。リモコンも付属する。