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webOS搭載「LG Smart Monitor」先行販売。実機を触ってみた
2022年12月22日 12:00
LGエレクトロニクス・ジャパンは、webOSを搭載し、単体でYouTubeやPrime Videoなどを楽しめる31.5型4Kディスプレイとして、通常スタンドの「32SQ730S-W」とアーム式スタンドの「32SQ780S-W」の先行販売を、クラウドファンディングサイトのMakuakeで開始した。先着50名(スタンド式30名、アーム式20名)は一般販売価格の20%超オフの59,500円(スタンド式)、68,000円(アーム式)で購入できる。販売に先駆けて、実機に触れられる体験会があったため、実際の使用感もレポートする。
Makuake先行販売の製品は、2023年2月末から順次配送予定。応援購入商品の発送終了後に、一般発売も予定されている。
ディスプレイ単体でYouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoなどを楽しめる「LG Smart Monitorシリーズ」の製品。2モデルの違いはスタンド部分で、32SQ730S-Wは通常スタンド、32SQ780S-Wは自在に画面の配置ができる、アーム式のエルゴノミックスタンドを採用している。
ディスプレイ部分の仕様は共通。アームスタンドは画面の角度、高さだけでなく、前後左右にも画面を動かせる。画面を縦にするピボットにも対応。通常スタンドの「32SQ730S-W」もチルト角調整、高さ調整が可能。
解像度は3,840×2,160ドットで、DCI-P3の色域を90%カバー。HDR10にも対応する。VAパネルで表面処理はアンチグレア。輝度は250cd/m2、コントラスト比は3,000:1、視野角は上下左右178度、応答速度は5ms(GTG、Faster設定時)。リフレッシュレートは60Hz。
入力はHDMI 2.0が2系統で、HDMI 1のみeARCに対応。そのほか60WのPower Deliveryに対応したUSB Type-C、有線LAN、ダウンストリームのUSB 2.0×2、再生用USB×1を備える。Wi-Fi 5やBluetooth 5.0にも対応しており、AirPlay 2やMiracastも利用できる。出力5W+5Wのスピーカーも内蔵。
筐体デザインは、スタンド式の32SQ730S-Wはホワイト&シルバーで統一されたシンプルなデザイン。アーム式の32SQ780S-Wはアーム部も含めてすべてをホワイト基調に統一している。また電源ケーブルやACアダプターもホワイトで統一性を持たせた。外形寸法と重さは通常スタンドモデルが714×260×487~597mm(幅×奥行き×高さ)/9.1kg。アーム式モデルが714×408×517~647mm(同)/11.1kg。
“テレビにはない”31.5型+4Kの組み合わせ
LG Smart Monitorの開発背景について、LGは在宅勤務の増加によるホームオフィスの定着、おうち時間の増加によるホームエンターテインメントに対するニーズ拡大とそれに伴う4Kコンテンツの一般化、シングル世帯が増える中、マンションの小型化による家電の2in1、3in1化といったユーザー側のトレンドとニーズがあったとしている。
しかし、一般的なテレビをPCディスプレイ代わりに使用しようとした場合、同社の調査によればデスクトップで使いやすい32型はHDモデルが約95%、フルHDモデルが約5%で、4Kモデルが存在しなかったとのこと。またグレアパネルを採用しているモデルが多く、画面の反射や映り込みが目立ってしまう、ディスプレイとして使うには接続端子が不十分、チルト角調整、高さ調整などができないという課題もあった。
またPCディスプレイをテレビ代わり使う場合も、ディスプレイ単体では各種VODサービスにダイレクトに接続できない、リモコンでの操作ができないなどの課題があるという。
こういった課題に対し、LG Smart Monitorでは、31.5型で4K解像度を実現。マルチタスクを快適に行なえる解像度を維持しながら、幅71.4cmとパーソナルスペースで使いやすいサイズ感にし、表面処理を写り込みが少ないアンチグレアとしたほか、webOS 22、映像エンジンの採用、リモコンの付属など、テレビとしての機能性も盛り込んだ。
テレビと同じwebOSと映像エンジン。使い勝手も変わらず
まずはテレワークを想定して、ディスプレイとしての利用をイメージ。PD対応のUSB Type-Cポートを備えているので、対応PCであればケーブル1本で映像出力と給電、データ転送ができる。ディスプレイ解像度は4Kなので、複数ウインドウを開いてのマルチタスクも簡単にこなせるだろう。
実機を見てみると、正面からの印象は一般的な液晶ディスプレイと変わらないが、側面から見ると、かなり厚みがある。また、通常スタンドモデルでも重さ9.1kgと少し重めだが、高さやチルト角の調整は簡単に行なえた。
仕事を終えて、サブスクサービスでエンタメを楽しみたくなったら、付属リモコンのホームボタンを押せばLG製テレビではおなじみのホーム画面が出現。アプリ一覧から簡単に、さまざまな動画配信サービスにアクセスできる。
会場には複数台のLG Smart Monitorが置かれていたため、リモコン操作が時おり混線する場面もあったが、動作自体はかなりスムーズ。webOSも、LG製テレビとまったく同じものが搭載されている。実際にNetflixやYouTubeを視聴しても、作品を選ぶ際のカーソル操作や再生/一時停止、音量調整なども、テレビと変わらない使い勝手だった。
リモコンからは音量調整などもでき、LG製テレビに付属するマジックリモコンと同じく、リモコンを振ってジェスチャー操作もできる。別売りのwebOS 22対応マジックリモコンをペアリングすることもでき、マジックリモコンやアプリ「ThinQ」を使えば音声入力なども利用できる。
また、LG Smart Monitorならではの強みは、2022年モデルのLG液晶テレビにも採用されている映像エンジン「α5 Gen5 AI Processor 4K」を搭載していること。映像モードは標準のほか「あざやか」や「Filmmaker mode」などを、コンテンツにあわせて変更できる。特にFilmmaker modeは、色温度や画質、24フレーム表示など、映画本来の質感を再現するモードで、このモードに切り替えれば映画やドキュメンタリー作品などを、マスターに忠実な画質で楽しめる。
音声についてもコンテンツに合わせて自動調整する「AIサウンド」などを利用できる。YouTubeでMVを視聴してみると、標準ではあまり奥行き感のないサウンドだったが、AIサウンドを選択すると音に奥行きが出て、広いステージに音が広がっていくような感覚を味わえた。
ディスプレイながらeARC対応HDMI端子を備えているのもポイントで、eARC対応サウンドバーなどを接続すれば、手軽に音質を強化できる。BDレコーダーなどを接続すれば、地上波も視聴できるので、テレビとして使うことも可能。また本製品はあくまでディスプレイなので、そのほかのLG製ディスプレイと同様、3年保証(液晶、バックライト含む)も付帯する。
気になった点を挙げるとすれば、ゲーミング用途には少しスペックに物足りなさがある点。自宅で楽しむエンタメは映画やドラマだけでなく、ゲームもある。ゲーミングPCはもちろん、PlayStation 5やXbox Series X|Sなどの家庭用ゲーム機も接続するなら、HDMI 2.1を搭載し、リフレッシュレートも少なくとも120Hzに対応して欲しいところ。応答速度も1msが理想だ。
ただ、裏を返せば、こういった細かいスペックが強化されたモデルが登場してほしいと思ってしまうほど、webOS 22や付属リモコンの操作感などは、テレビ製品と遜色がなく、LG Smart Monitorは第1弾製品の時点で完成度が高く感じられた。