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ソニー、AI内蔵でちょうど良い構図に“撮ってくれる”リモートカメラ

SRG-A40/SRG-A12

ソニーは、カメラ本体に内蔵するAIを活用し、被写体を自動で追尾する4K対応旋回型カメラ「SRG-A40」「SRG-A12」を6月15日に発売する。価格は各オープンプライス。カラーはブラックとホワイトの2色。

リモートコントロールによるパン・チルト・ズームのカメラワークに加え、AIの活用で被写体(人物)を自動で追尾し、被写体の動きに合わせて構図まで調整しながらカメラが自動旋回する「PTZオートフレーミング機能」を搭載したカメラ。

2機種の違いは、主にズーム性能でSRG-A40は光学20倍/超解像30倍に対応。「SRG-A12」は光学12倍ズームまで対応する。ともに最大3,840×2,160ドット/29.97pで撮影できる。

外観は全く同じ

カメラを操作するオペレーターが不在であったり、カメラ操作に慣れていないオペレーターでも、カメラ自体が被写体を捉え続けながら自然な構図で映像を撮影する。

AIでは、骨格、頭部位置、見た目特徴量を検出して追従。顔の認識も可能で、画角に複数人居ても、選択した人を追従できる。また、マスクを装着した状態でも認識し続けられる。なお、このAIについては、同じく骨格や頭部位置の検出が行なえるフルサイズミラーレスカメラ「α7R V」の内蔵AIとは全く別のものが使われているとのこと。

カメラの外観と追従して撮影している様子

操作用のアプリから、アングルをクローズアップや上半身、全身の3つから選択可能で、構図の微調整も行なえる。PTZオートフレーミング機能の開始/停止は赤外線リモコンからボタン一つで制御できる。また、本体上部にタリーランプを備えており、PTZオートフレーミング実行中に点灯するため、被写体となっている人もカメラが追従していることを確認できる。

操作用アプリのイメージ
構図の詳細設定画面

なお、従来機も追尾性能を備えていたが、SRG-A40/A12ではPTZオートフレーミング機能により追尾性能が大幅に向上したほか、従来の追尾はパンのみだったが、チルトとズームも組み合わせられるようになったのが特徴としている。

主に文教系での活用を想定しており、大学の授業で、オンラインと対面で違いを感じないようなスタイルで映像を撮影し、かつ教員が1人でその操作を行なえる環境を提供できるという。学校関係では教員や生徒らが各々で映像作品を創りたいという需要もあり、カメラ操作に慣れていない人でも扱える仕様になっているとのこと。

また、エンタメ分野での活用も想定されており、3人組でのダンスを撮影した場合、追従するように設定した人とそうでない人が、折り重なるように動いたり、同じような動きをしたりしても、設定した人物から離れることなく追従できる様子が披露された。

3人組のダンスで決めた1人を追従し続ける様子

3G-SDIおよびHDMI接続に対応。離れた場所でのモニタリングや映像収録などさまざまなシステムに対応する。NDI|HXにも対応し、スイッチャーやメディアサーバーなどネットワーク上のNDI対応機器と接続することもできる。

背面端子部

VISCA/VISCA over IP のほかCGIにも対応し、外部コマンドによるカメラのリモート制御も可能。PoE++(Power over Ethernet Plus Plus)規格対応のネットワーク機器に接続することで、LANケーブルでの給電にも対応した。

Virtual Webcam Driverのソフトウェアを介することで、最大5台まで同時にネットワーク接続し、リモート会議などを高品質な画像で配信することもできる。

レンズの焦点距離はA40が4.4mm~88mm、A12が4.4mm~52.8mm。水平画角はともに約70度。パン駆動範囲は±170度、チルトは+90度~-20度。外形寸法/重量も共通で、約156.7×200×184mm(幅×奥行き×高さ)/約2kg。