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FiiO初の開放型ヘッドフォン。60mm径ドライバ搭載で約4.5万円

「FT3」

エミライは、60mm径の大型ダイナミックドライバーを搭載したFiiO初の開放型ヘッドフォン「FT3」を、6月9日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は44,550円前後。

ベリリウムコーティングエッジを採用したDLC振動板

4月開催の「春のヘッドフォン祭2023」で参考出品されていたモデル。振動板にダイヤモンド並みの強度を誇るカーボン素材「DLC(Diamond-like Carbon)」を採用。剛性が高く、急激な動きが加わってもたわみづらいため、歪みを全帯域に渡って効果的に低減するという。

軽量性にも優れるため、高い過渡応答特性も備えた。エッジ部にはベリリウムコーティングが施され、音質に悪影響を及ぼす振動を適切に制御、より透明感のある音を実現した。

強力な磁束を備えたN52グレードのネオジム磁石を、ドライバーユニットの外側と内側にふたつ搭載し、非対称型に配置する「内外磁気回路設計」を採用することで、ボイスコイルを駆動する磁束密度を効果的に高めている。「特に瞬間的に大きなエネルギーが必要になる場合でも、振動版の動きを適切に制御することが可能」とのこと。

開放型設計を採用する

ドライバーユニットから発生する背圧をハウジングの外に逃がすことで、不要な振動を抑え、より広い音場感を実現する開放型設計も採用。これにより、細やかなディテール表現と自然で広がりのある音を両立した。

また、ユニットはヘッドフォン装着時に耳の穴と並行になるよう、角度をつけて配置されており、出力される音を鼓膜まで直接届け、物理的な干渉による高域の損失を低減すると同時に、音質に悪影響を与えるハウジング内の定在波を効果的に抑制する。

さらにハウジング背面には、ドライバーから発生する音波を適切に誘導するべく設計された音響反射チップも搭載。ハウジング内の不要な反射を制御し、理想的な周波数特性を実現するという。

再生周波数帯域は7Hz~40kHz、感度は102dB(1Vrms)@1kHz。350Ωの高インピーダンス設計で、低インピーダンスのヘッドフォンに比べ、入力された信号への再現性に優れ、ノイズの影響を抑えることができるため、より明瞭でディテール再現に優れた音を再生する。インピーダンスを決めるボイスコイルには、直径0.035mm厚の日本製「銅被膜アルミ線」を採用。

アルミ合金製のハウジング

ハウジングは、高剛性、軽量なアルミニウム合金製。六方晶系をイメージした独特なデザインは、近未来的な印象を与えるだけではなく、ドライバーを可能な限り密閉しないことで、その性能を最大限に引き出す役割も担っている。

快適な装着感を実現する「3軸可動デザイン」となっており、ヘッドフォンの3箇所が独立して稼働することで、どのような頭の形状でも快適な装着感を実現する。また密閉性も高まるため、音質を最大限に引き出せるとのこと。

付属ケーブルは古河電工製単結晶銅ケーブルを導体に採用
プレーヤー側の端子は交換できる仕様

付属ケーブルは、古河電工製単結晶銅ケーブルを導体に採用したもので、長さは約3m、太さは23AWG。被膜素材はTPE、シース素材は難燃・耐衝撃性ナイロン(メッシュ編み)を採用している。プレーヤー側の端子は交換可能となっており、3.5mmステレオミニ、4.4mmバランスの交換式プラグが付属する。ヘッドフォン側端子は3.5mm 2極。

2種類のイヤーパッドが付属する

装着感と音質の異なる2種類のイヤーパッドも付属する。「スエードイヤーパッド」は臨場感や高揚感を感じさせるバランスの取れたサウンド、「プロテインレザーイヤーパッド」は広い音場感や明瞭でディティール豊かなサウンドが特徴で、好みに合わせて簡単に交換できる。

重さはケーブルを除いて約391g。本革製の専用収納ケースや3.5mm to 6.35mm変換アダプター、4.4mmメス to 4ピンXLRオス変換アダプターなどが付属する。

本革製の専用収納ケースも付属