薄型TVの'09年売上は前年比34%増。液晶は1,000万台超え

-エコポイント効果など。BDレコーダは約2倍。GfK発表


2月15日発表


 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK)は15日、薄型テレビやBDレコーダなどを含む、2009年の家電/IT市場の販売動向を発表した。

 家電販売全体の約7割を占める家電量販店の販売は、金額ベースで前年比4.1%の増加。中でも、'09年5月に始まったエコポイント制度により、薄型テレビは数量ベースで前年比34%増となり、液晶テレビは初めて1,000万台を超えた。一方、パソコンや携帯電話、デジタルカメラは、数量で前年割れとなった。



■ 液晶/プラズマともに2桁成長。BDレコーダは103%増

 5月に施行されたエコポイント制度の効果などを受け、薄型テレビは前年比34%増の1,394万台。平均価格の下落基調は変わらないが、数量ベースの拡大に伴い、金額ベースでも18%増となった。

 特に、液晶テレビは前年比39%増の1,270万台で、1,000万台を突破。また、プラズマも12%増の114万台に伸長した。GfKでは、「2010年もエコポイント制度の継続、アナログ放送の完全停波に伴う買い替え需要により、引き続き市場拡大が見込まれる」としている。

 レコーダ/プレーヤーは、全体の数量が前年比4%増の761万台で、金額では同10%増。プレーヤーは数量ベースで前年を下回ったが、レコーダは数量が同19%増の446万台と好調。特にBlu-ray Discレコーダが市場拡大を牽引しており、DVDレコーダに比べ4万円ほど高価ながら、地デジ対応テレビ普及を背景に、数量で前年比103%増の292万台に達した。



■ PCディスプレイは、フルHDの割合が48%に急拡大

 パソコンは、数量が前年比2%減の1,373万台。金額は平均価格の下落により、数量を下回るマイナス成長となった。'09年10月22日のWindows 7発売をきっかけに、デスクトップPCがリテールでプラスに回復したほか、同時期に発売となったApple新製品の効果も表れたという。'09年12月には、デスクトップ/ノートともにWindows 7モデルの構成比が7割を超えている。

 PCディスプレイは、数量が前年比7%減の384万台。リテール市場では、大画面化が進み20型以上のクラスが数量構成比6割を超えた。特に21.5型や23.0型、23.6型などのフルHD対応モデルが急速に広まり、フルHD対応比率は2008年の9%から、2009年は48%に拡大している。GfKでは、「フルHD対応、HDMI端子の搭載、高コントラスト比など、機能面での優位性と値頃感の高まりが、販売を後押しした」と見ている。

 デジタルカメラは、数量が前年比10%減の955万台で、2年ぶりに1,000万台割れとなった。特にコンパクトモデルは旧モデルに人気が集まり、平均価格は'08年から9%減の23,700円。その結果、金額は前年比約20%減となった。マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼の登場により、コンパクトと一眼レフの中間に位置する新しいセグメントが確立され、下半期には一眼レフ市場の15%を占めたという。

 携帯電話は、数量が前年比13%減の3,420万台と2年連続の2桁減。iPhoneなどのスマートフォンは、通年での数量構成比が8%と、'08年の1.2%から急増した。また、1,000万画素以上のカメラ機能があるモデルは、2009年12月時点で11モデル、数量構成比では19%を占めた。



(2010年 2月 15日)

[AV Watch編集部 中林暁]