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Kodak、世界初の4K対応360度アクションカム「SP360 4K」。2台で全天球動画も

 マスプロ電工は、米JK ImagingのKodakブランド新製品として、水平方向に360度撮影できる世界初の4K対応アクションカメラ「PIXPRO SP360 4K」を11月27日に発売する。価格はオープンプライス。直販サイトでの価格は59,500円。ヨドバシカメラ、ビックカメラ、コジマ、ケーズデンキ、エディオン、キタムラの各店と、そのWebで販売。一部大手スポーツ量販店でも販売する。

4K対応の「SP360 4K」

 '14年から発売されている「SP360」は、水平方向に360度、垂直方向に214度と、全方位撮影ができるアクションカメラ。最高1,440×1,440ドット/30pのスクエアで円形の全周映像を撮影し、後からPC用ソフトを使って様々な再生や編集ができる。

 新モデル「SP360 4K」は、水平360度、垂直235度の撮影が可能になったほか、撮影解像度を2,880×2,880ドットに向上させているのが特徴。「4K画質(800万画素)に対応した」としている。フレームレートは30fps。なお、SP360は併売される。

 その他にも、1,440×1,440/60fps/30fps、1,072×1,072/60fps/30fps、通常のカメラのような1,920×1,080/60fps/30fps、3,840×2,160/30fps、1,280×720/60fps/30fpsなどのモードを用意。ハイスピード撮影モードとして、720×720/120fps、1,280×720/120fps、848×480/240fpなども用意する。ファイル形式はMP4、MPEG-4 AVC/H.264で録画し、音声はAACのステレオ。JPEG静止画撮影も可能。

水平360度、垂直235度の撮影が可能になった
ボタンなどの配置類はSP360とあまり変化はない
HDMI出力を搭載している

 撮像素子は1/2.3型、有効1,240万画素の裏面照射型CMOS。レンズは開放F2.8。電子式手ぶれ補正を備えている。

昨年から発売されている「SP360」と比べたところ。やや大きくなっている

 撮影したスクェアの映像は、PC用ソフトを用いて11種類のモードで再生できるほか、その再生モードでの動画として別途保存する事も可能。例えば全方位撮影した映像から、特定の人物が写っている画角や、バイク前方の画角などを指定し、動画として別途保存するといった使い方もできる。

 表示モードは、スクェアの動画全体を表示する「Global」、通常のビデオカメラのような前方の映像の「Front」、180度ずつに上下に2分割して再生する「Seg」、横長に全て表示する「Panorama」、指定した部分を表示する「Extraction」、90度ずつ4分割する「Quad」、流れるように視界を自動的に移動させながら再生する「Throw-Out」、指輪のような形状で映像を表示する「Ring」、プラネタリウムのようなドームに映像を貼り付けたように再生する「Dome」モードなど。

スクェアの動画全体を表示する「Global」
180度ずつに上下に2分割して再生する「Seg」
90度ずつ4分割する「Quad」

 撮影モードは通常の動画/静止画に加え、古い記録から上書きしていくエンドレス録画、タイムラプス録画、連写撮影なども可能。

 スマートフォンの専用アプリと無線LANで連携、現場でカメラの映像を確認しながら撮影する事も可能。撮影画像の再生や、リアルタイムでのSNSへの映像アップロードにも対応する。

 UVC(USB Video Class)機能もサポートし、Skypeのビデオチャットなど、Webカメラとしても利用可能。専用ドライバをインストールすれば、ライブ映像を各種展開方式に変更する事もできる。

 IPX5の防滴、IP6Xの防塵性能を備え、レンズカバーを取り付けた状態であれば高さ2mまでの耐落下性能も備えている。耐低温性能は-10度。1型の液晶ディスプレイを装備。ストレージメモリは内蔵しておらず、microSD/SDHC/SDXCカードスロットを備え、128GBまでのカードが利用可能。

 USB端子に加え、マイクロHDMI端子も装備。別売のケーブルを使ってテレビと接続する事で、映像を確認しながらの撮影が可能。ただし4K画質撮影時は利用できない。HDMI CECに対応しているため、テレビのリモコンからカメラを操作する事もできる。

 付属のリチウムイオンバッテリ「LB-080」は、容量1,250mAh。撮影可能枚数は、静止画で約160枚、動画は約55分(3,840×2,160/30fps時/無線LAN ON)。外形寸法は48×50×52.5mm(レンズカバー除く)、重量は約102g(本体のみ)。

全天球撮影向けのアクセサリも

 別売の専用リモコン「RR-BK01」も発売予定。バンドなどに取り付けられるタイプで、撮影操作などが離れた場所からできるほか、複数台のカメラを同時に操作する事も可能。外形寸法は48×13.7×47mm(幅×奥行き×高さ)、バッテリ込みの重量は27g。

別売の専用リモコン「RR-BK01」

 さらに、2016年1月下旬には「ダブルベースマウント」も発売予定。SP360 4Kを2台、底面を重ねるように配置し、水平だけでなく垂直方向も360度の全天球動画が撮影できる。2台で撮影した動画を、12月下旬頃に公開予定の無料専用ソフトを用いて編集する事で、全天球動画が得られる。なお、下位モデル「SP360」向けのダブルベースマウントも同時期に発売予定、同じ無料ソフトで全天球動画が作れるという。

「ダブルベースマウント」にハンドグリップを取り付けたところ
SP360向けの「ダブルベースマウント」も用意する
新たに発売予定のマウントアダプタやケースなど

 マウントアダプタの新製品も用意。カメラを様々なマウントに取り付けるための「SDH03」や、防水ケース「WPH02」、クルマのフロントガラスなどに固定する「MTSCBK02」、自転車のハンドルなどに固定するバーマウント「MTHDBK02」などを12月下旬より順次発売予定。

 SP360向けのマウントアダプタは、カメラを固定するケースの底部にボール状の突起があり、それをマウントアダプタ側で固定し、自由な角度でホールドできるが、新たな周辺機器は、ボールの無いバージョンの追加という形でもある。

SP360 4Kで撮影した全天球動画のサンプル

2018年に70,000台を目指す

カメラ事業プロジェクトを統括する近藤真人取締役

 マスプロでカメラ事業プロジェクトを統括する近藤真人取締役は、SP360購入ユーザーアンケートの結果、男性が97%、女性が3%という結果になった事から、今後は女性ユーザーを増やすための施策を検討している事を説明。

 取締役 営業本部長の河合清彦氏は、量販店店頭で何度も行なったSP360の説明イベントや、メディアに多数取り上げられた事などもあり、「販売実績も目論見通りで、安定した販売を続けている」という。

 量販店だけでなく、新たな販売ルートとして有力スポーツ店などでの展開も開始。新モデルについても大きな需要を期待しており、2016年に45,000台(3万台+セキュリティ関連市場での+15,000台)、2017年に58,000台(同4万台+18,000台)、2018年に70,000台(同5万台+2万台)と、販売計画を説明した。なお、Kodakのミラーレスカメラも引き続き販売していくという。

取締役 営業本部長の河合清彦氏
販売計画

 また、SP360 4Kの発売を記念し、キャンペーンも実施。11月27日~2016年1月31日の期間中、SP360 4K、SP360、SP1を購入したユーザーに、特典として専用バッテリをプレゼントする。

 11月27日~2016年1月31日には、動画コンテストも開催。SP360シリーズのユーザーが撮影した動画を通じて、カメラの楽しみ方を訴求するというもので、最優秀賞や優秀賞を表彰し、Webで公開する予定。

(山崎健太郎)