ニュース

パナソニック、民生初の裏面照射型3MOSビデオカメラ

新傾き補正/Ustream配信。新MOSの下位2機種も

HC-X920M

 パナソニックは、民生機初という裏面照射型のMOSセンサーを3枚使った3MOSシステムのビデオカメラ「HC-X920M」を2月20日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は14万円前後。内蔵メモリは64GB。

 また、3MOSではないが、「新・微細セル&高感度MOSセンサー」を搭載した「HC-V720M」と「HC-V620M」も1月25日に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、内蔵メモリ64GBの「HC-V720M」が10万円前後、32GBの「HC-V620M」が8万円前後。カラーは「HC-V720M」がブラック(K)とブラウン(T)、「HC-V620M」がブラウン(T)とシルバー(S)を用意する。



HC-X920M

 民生用のフラッグシップ「HDC-Z10000」にも採用しているトリプルセンサーシステムを進化させた、「裏面照射型MOSセンサー採用3MOSシステム」を搭載しているのが特徴。3MOSの特徴である、正確な色分解と高い色ダイナミックレンジを維持しつつ、高感度化。従来モデルのHC-X900Mと比べ、約2倍の高感度を実現したという。

 センサーサイズは1/2.3型で、総画素数は3,828万(1,276万×3)。有効画素数は動画で849万(283万×3/16:9)、静止画で762万(254万×3)/3:2)、849万(283万×3/16:9)、678万(226万×3/4:3)。

 レンズはライカDCレンズで、焦点距離は35mm判換算で、動画時29.8~399.2mm(16:9)、静止画では33.1~397.1mm(3:2)、29.8~399.2mm(16:9)、36.0~431.7mm(4:3)。F値はF1.5~F2.8。光学ズーム12倍のほか、超解像技術を使ったiAズーム25倍も利用可能。

 手ブレ補正は「5軸ハイブリッド手ブレ補正」に加え、本体の静的な傾きを検出するセンサーを新たに内蔵。本体の水平に対する傾きを検知し、傾きを抑えた映像に補正する「傾き補正」を可能にした。「通常のアングルでも高確率で傾きが発生してしまうが、それを自動で補正し、違和感のない映像が撮れる」という。腕を高く上げての撮影時や、歩きながら撮影している場合など、液晶で水平を確認しづらい時に、より効果的としている。望遠撮影時でも「5軸ハイブリッド手ブレ補正」によりブレを抑制する。

 無線LAN機能(IEEE 802.11b/g/n)も搭載。Ustreamに対応し、撮影した動画のライブ中継を可能にしている。中継しながらフルHDで記録することも可能。事前に登録したメールアドレス(20件)にライブ配信開始のお知らせメールを送信する事もできる(LUMIX CLUB PicMateでの登録が必要)。

 スマートフォンとの連携にも対応。リモート操作用アプリ「Panasonic Image App」をインストールする事で、スマートフォンからビデオカメラのライブビューが確認でき、遠隔操作も可能。スマートフォンにイヤフォンを接続し、ビデオカメラの音も確認できる。撮影した動画をスマートフォンで再生したり、見どころのシーンだけを自動的に選んで編集する「ムービースライドショー」機能も搭載。編集した動画をそのままSNSにアップロードし、シェアする事もできる。アプリは無料で、Android用とiOS用を用意。1月中旬の公開を予定している。

 DLNAを使ったお部屋ジャンプリンクにも対応。カメラで撮影した動画を対応テレビでワイヤレス再生可能。カメラで部屋を撮影し、外出先からスマートフォンで室内の様子を確認する「見守り機能」も用意。動体検知機能を備え、部屋に変化があれば自動で記録する。

 AVCHD Ver 2.0に準拠し、AVCHD 3D/Progressive撮影に対応(3D撮影には別売の3Dコンバージョンレンズ:VW-CLT2-Hが必要)。1080/60p(最大28Mbps/VBR、PH:最大24Mbps/VBR、HA:平均17Mbps/VBR、HG:平均13Mbps/VBR、HE:平均5Mbps/VBR)、iFrame(最大28Mbps/VBR)、AVCHD 3D(最大28Mbps/VBR)、サイドバイサイド(平均17 Mbps/VBR)での撮影が可能。2D/3D静止画撮影にも対応する。

 撮影補助機能として、シーンに合わせた設定を適用してくれる「おまかせiA」、オートでも色や明るさを微調整して、こだわりの映像が撮影できる「iA+」、ジオラマなど4つのエフェクト効果が使える「クリエイティブコントロール」、撮影中の画面からワンタッチで撮影モードが呼び出せる「クイックモード」、風雑音の大きさに応じて自動的にローカットフィルタの強さを変える「新・風音キャンセラー」なども用意する。

 内蔵メモリは64GB。SD/SDHC/SDXCカードも使用可能。外形寸法は67×150×72mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約420g。



HC-V720M/HC-V620M

左がV720M、右がV620M

 1/2.33型、新・微細セル&高感度MOSセンサーを採用。センサーの材質を変更することで、光を取り込む量を増やし、高感度化や高解像度化を実現している。総画素数は1,752万画素、動画の有効画素数は414万(16:9/傾き補正オフ時)、静止画は324万(3:2)、414万(16:9)、324万(4:3)。

 内蔵メモリはV720Mが64GB、V620Mが32GB。SD/SDHC/SDXCカードも使用可能。内蔵メモリ容量やサイズなどを除いて、カメラ機能はほぼ共通となっている。

 HC-X920Mと同様に、新開発の「傾き補正」を搭載。5軸ハイブリッド手ブレ補正も備えている。

 レンズは、2つのレンズ群を制御するマルチアクチュエータレンズシステムを採用。小型化と光学ズームの高倍率化を両立させた。iAズームも50倍まで高倍率化している。焦点距離は35mm判換算で、動画時28~729.6mm(16:9)、静止画時33.2~697.6mm(3:2)、28~729.6mm(16:9)、33.9~712.6mm(4:3)。F値はF1.8~F3.5。

 無線LAN機能も備え、HC-X920Mと同様にUstream配信や、スマートフォンでのライブビューリモコン、再生、見どころ自動編集が可能。さらに、NFC(近距離無線通信技術)にも対応し、対応スマートフォンとワンタッチで連携設定できる。お部屋ジャンプリンクや、見守り機能も利用可能。

 「おくだけ充電」の無接点充電規格Qiに対応した、新しい大容量バッテリを同梱。別売の充電器と組み合わせる事で、カメラを置くだけで充電できる。連続撮影時間は約3時間15分(HA/HG/HEモード時)。

 AVCHD Ver 2.0準拠で、AVCHD ProgressiveとiFrameに対応。3D撮影には対応しない。撮影モードは1080/60p(最大28Mbps/VBR、PH:最大24Mbps/VBR、HA;平均17Mbps/VBR、HG:平均13Mbps/VBR、HE:平均5Mbps/VBR)。iFrame(最大28Mbps/VBR)。

 外形寸法と重量は、V720Mが60.1×145.5×69.3mm(幅×奥行き×高さ)で、約280g。620Mが、60.1×126×69.3mm(同)で、約278g。

(山崎健太郎)