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加賀ハイテック、V-Lowマルチメディア放送とFMに対応した防災ラジオ開発。音とデータで告知

 加賀ハイテックは、V-Lowマルチメディア放送とFM放送が受信でき、いずれの放送の緊急信号でも自動起動できる防災ラジオ「TAXAN MeoSound VL1」(タクサン ミーオサウンド ブイエルワン)」を開発。9月1日から受注を開始する。

 一般ユーザーが購入するのではなく、自治体などが導入する防災情報システムに組み込む形での販売を想定。TOKYO FMが、V-Lowマルチメディア放送を活用した新しい防災情報システムとして、全国の自治体に働きかけていくという。

防災ラジオ「TAXAN MeoSound VL1」

 V-Lowマルチメディア放送は、地上アナログテレビ放送終了後に空いたVHF-Low帯(VHF 1~3ch)を使ったマルチメディア放送。音声だけでなく、映像やデータ放送も活用したもので、TOKYO FMとパートナー企業が設立したBICが、事業全般を推進。11月の福岡からサービスを開始する予定となっている。

 V-Lowマルチメディア放送による防災情報配信には、「放送による一斉同報」や「停電や通信ダウン時にも情報伝達が可能」、「日常使いによる利用度の向上」といった、従来のラジオが備える利点に加え、「文字やデータの一斉配信」、「エリアコードにより局所的な情報を複数同時並行で配信する」など、デジタルならではのメリットも備えている。

 さらに、J-Alert、L-Alert(公共情報コモンズ)や自治体システムと接続することで、自治体や公共機関からの緊急情報を瞬時に一斉配信する事もできるという。

V-Lowマルチメディア放送による防災情報配信のイメージ
LEDライトも備えている

 受信できる端末は、V-Lowマルチメディア放送の普及に合わせ、防災ラジオだけでなく、スマートフォン、タブレット、カーナビなどへ広がっていくとしており、「これまで情報が届きにくかった家の中や車の中に確実に緊急情報を伝達する」としている。

 「TAXAN MeoSound VL1」は、V-Lowマルチメディア放送とFM放送、どちらの緊急信号でも自動的に起動し、警報音声を発し、緊急アラームランプ、カラーの液晶画面で災害情報を知らせる。通常の放送を受信していても、緊急時には割り込み処理を行ない、災害情報が最大音量で再生される。

 本体には自分の安否や居場所を知らせるために利用できる緊急警報ボタンや、懐中電灯として使えるLEDライトを搭載。防水仕様となっており、AC電源、内蔵電池、乾電池の3電源に対応。幅広い年齢層が操作しやすいデザインを採用している。

(山崎健太郎)