プレイバック2018

触ると夢見心地、毎日が「LG styler・ハッピイ・デイ!」by 麻倉怜士

「8K放送開始」、「シャープ80型・8Kテレビを導入」した話が、(仕事的には)2018年のベストだが、生活的には、「LG styler」に圧倒的に感動している。家電には、生活になくてはならないものと、無くても生活できるものがある。洗濯機、冷蔵庫は前者だが、LG styler(スタイラー)はまったくもって後者。無くても生活には何の支障もないが、あれば、凄い感動が毎回、味わえる。

LG styler

スタイラーは“衣服スチーム処理・乾燥機“。中に入れた衣服にスチームを浴びせてから乾燥させる縦長のスマートな電気クロゼットだ。衣服乾燥機でも、洗濯機でもなく、既存分野に当てはまらないから、「スタイラー」という無味乾燥な名前が与えられた。

LG styler

それだけでは何だ? と思われるかもしれない。私も数年前CESで初めて見た時は、どんな効用があるのか、よく理解できなかったが、取材してみて、これは超スバラシイことがわかった。その時着ていたジャケットは硬く、ごわごわとしていて、重かった。ところがスタイラーすると中身が羽根に変わったかと錯覚するように、軽くなった。嬉しいぜ! 愛用のジャケットがこれほど快適になるなんて!

仕組みと動作を述べると、下部のタンクの水が熱せられ100度の熱い蒸気となって、庫全体を満たす。衣服は熱蒸気を浴びる。次にハンガーが掛かったラックが揺れ、衣服に1分間に約180回の振動を与え、スチームを繊維のすみずみまで浸透させる。最後に熱風が濡れた衣服を乾かすのである。

衣服は熱蒸気を浴び、次にハンガーが掛かったラックが揺れ、衣服に1分間に約180回の振動が与えられる

購入してからは、毎日が「LG styler・ハッピイ・デイ!」。帰宅したら、コート、ジャケット、そしてシャツを掛ける。標準コースの48分が経過すると。可愛い旋律が完了を教えてくれる。取り出すと、暖かい。ふわっとして、繊維の元からすべらかに、軽くなる。繊維に入っていた水分が飛び去り、繊維の内部のゴミやホコリが、スチームと振動で噴き落とされたのだろう。

我が家は来客が多いが、ジャケットやコートをスタイラーしてあげると、例外なく、もの凄く喜んでもらえる。繊維の表面がふわふわで、触ると夢見心地の、しなやかで、すべらかな触感になり、軽くなるからだ。

幸せはスタイラーが与えてくれる。スタイラーがなくても生きていける。でもスタイラーがあれば、何倍も幸せな衣服生活が送れる。もうスタイラーなしの人生なんて考えられない。

麻倉怜士

オーディオ・ビジュアル評論家/津田塾大学・早稲田大学エクステンションセンター講師(音楽)/UAレコード副代表