2010年冬、「特需」の後のテレビ選び。3D、録画の今

-3Dは各社各様、録画は“全部入り”に注目


 例年11月から12月末に向けて加速するテレビの年末商戦。しかし2010年は、エコポイントが12月1日以降に半減することから、11月に過去最高の駆け込み需要が発生した。各社フル生産増強をしているものの、主要製品の中には出荷が2011年になるものも散見されるという状況。「11月末で年末商戦は終わった」との声も聞かれる。

 しかし、年内一杯は買い替えなしの「新規購入」でもエコポイントが半分とはいえ付与される。また、売り場がある程度落ち着きを取り戻し、ゆっくりとテレビ選びができるようにもなるだろう。

 各社がそれぞれの特徴を出したテレビラインナップを展開しているこの年末商戦。今回は中/上位機種の技術動向を中心に2010年の冬商戦モデルの特徴や傾向をまとめた。

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■ エコポイントは12月も半減ながら継続

 冬商戦の最大の話題は何と言ってもエコポイントだ。当初は2010年12月までの実施予定だったものが、景気対策の一環として9月に急遽2011年3月までの延長が決定した。しかし、その後「実勢価格の変化」や「ソフトランディング」、「財源」を理由に、11月末をもってポイントがほぼ半減することとなった。

 しかも、2011年1月以降は、買い替え(リサイクル)の場合に限定し、買い増しの場合にはポイントがもらえない。また、2011年以降は対象製品の基準も厳しくなり「省エネラベル☆5つ以上」の製品に限定される。

日時~11月12月2011年1~3月
ポイントフルほぼ半減
省エネ基準4つ星5つ星

【12月以降のエコポイント付与点数】

テレビ(2010年12月以降)
46型以上17,000点36,000点
42型、40型11,000点23,000点
37型8,000点17,000点
32型、26型6,000点12,000点
26型未満4,000点7,000点

 10月8日の「エコポイント半減発表」をうけ、テレビ売場には買い物客が殺到、GfK調査BCN調査でも、これまでの過去最高だった2010年3月を上回った。11月になると、都内量販店では“説明員待ち”や“レジ待ち”で数十分~一時間超の列ができるなど、さらに勢いを増し、過去最高を更新した。BCN調査では前年比505.3%で、2010年3月の「エコポイント駆け込み特需」のさらに倍になったという。

 メーカー幹部が「どうしようもないブーム」と振り返る10~11月の「エコポイント商戦」だが、実は価格推移を見てみると、例年であれば年末に向かって急速に価格下落が進むのだが、今年は10月以降の下落がかなり緩やか。11月には上昇に転じたようだ。直前の需要が供給を上回り、在庫も少ないので今後の急激な下落は無いかもしれないが、12月以降、ある程度の下落も予想される。

 ともあれ、12月中は、新規購入でもきちんとエコポイントが付与されるので、テレビを求めている人にはいい買い時になるだろう。

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【2010年10月8日】家電エコポイントが12月から半減。40型TVは11,000点
-2011年1月以降は“買い替え”のみ対象に
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【2010年9月10日】「エコポイント」の2011年3月31日までの延長が決定
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20100910_392934.html

 


■ 3Dは各社各様のアプローチ

VIERA VT2「TH-P65VT2」

 2010年のテレビ業界の最大のトレンドといえるのが「3D」だ。昨年末の3D映画「アバター」のヒットもあり、テレビなどAV機器の新製品に興味が無くても、「3Dがブーム」ということは多くの人が認識しているだろう。

 もちろん、テレビにおける3Dが盛り上がる理由としては、ハリウッドスタジオを始めとする映画製作側で3D化が進むとともに、映画館のビジネスとして3Dが定着。あわせて制作側のノウハウもある程度蓄積されたことが大きい。さらに、Blu-ray DiscにおいてBlu-ray 3D規格も策定されたことから、家庭向けの高品位な3Dコンテンツの流通が可能となった。

 こうしたことから、3月のパナソニックのVIERA VT2シリーズ発売を皮切りに、ソニーのBRAVIA LX900、HX900/HX800、シャープ AQUOS LV3/LB3、東芝 REGZA ZG1/F1、Cell REGZA、三菱 REAL MDRシリーズなどが相次いで発売。また、国内市場に参入したLGエレクトロニクスも3D対応の「INFINIA LX9500シリーズ」を11月に発売している。


BRAVIA「KDL-46LX900」AQUOS「LC-52LV3」REGZA「ZG1シリーズ」
REAL「LCD-55MDR1」LG「LX9500シリーズ」

 3D対応は各社のミドルクラス~ハイエンドモデルに限られるものの、合計6社が対応テレビを発売している。

製品パナソニック
(VIERA)
ソニー
(BRAVIA)
シリーズVT2RT2BLX900HX900HX800H80R
サイズ42/46/50/54/58/6542/4640/46/52/6046/5240/4640/46/55
方式プラズマ液晶
メガネ付属付属別売
録画-BD/HDD-BD/HDD
BD 3D再生--
製品シャープ
(AQUOS)
東芝
(REGZA)
三菱
(REAL)
LG
(INFINIA)
シリーズLV3LB3X2XE2ZG1F1MDR1LX9500
サイズ40/46/52/6046/525546/5242/47/5546/5540/46/5547/55
方式液晶
メガネ付属付属別売付属付属
録画
(USB HDD)
BD
(USB HDD)
HDD
(USB HDD)
BD/HDD
(USB HDD)
BD 3D再生---
フレームシーケンシャル方式の3Dに対応

 各製品で導入されているのは、左右の目にあわせた絵を交互に表示し、それをアクティブシャッターメガネによる、シャッターの開閉と同期させることで、3D映像として知覚する「フレームシーケンシャル」方式だ。一部の業務用製品と東芝の「グラスレス3Dレグザ」、初期のHYUNDAI製品を除いて、基本的に民生用のテレビはこの方式を採用していると考えてよい。

 各社から発売された3D対応テレビだが、パナソニックはプラズマ、他メーカーは液晶で、4倍速/240Hz駆動により、3D表示を実現している。


シャープはクアトロンで、明るい3Dを実現

 3D映像の課題としては、左右の映像が重なって見えてしまう二重像(クロストーク)という大きな問題や、メガネを通してみることから色の変化や輝度の低下など起きることが挙げられる。こうした課題に各社さまざまなアプローチで臨んでいる。

 輝度という点では、シャープの「3D クアトロンAQUOS」は、開口率の高い新開発の4原色パネル「クアトロン」を開発。4原色の広色域表現に加え、UV2A技術と組み合わせて光の透過率を向上した点が特徴だ。“明るい”3Dをアピールする。


ソニー BRAVIA HX900はオプティコントラストパネルで高コントラスト化

 ソニーは、表面ガラスと液晶パネルを一体化したような「オプティコントラストパネル」を採用。最高画質モデルのBRAVIA HX900では、バックライトのエリア制御により高コントラスト化を実現する。

 3Dの高輝度化については、メガネの前面の偏光フィルムを省いたことで、輝度の低下を抑制。明るさを確保する。ただ、このフィルムを省いたことで、首を傾けた時のクロストークの発生や色の変化といったデメリットも生じている。

 一方、プラズマでは原理上、前面パネルに偏光フィルタを設ける必要はない。そのためVIERAでは、輝度低下が抑えられるほか、首を傾けた際の輝度低下やクロストークといった問題も起こりづらい。またプラズマの高応答性能を生かしたクロストークの少なさも特徴だ。

プラズマディスプレイの特性を生かした「VIERA VT2」PDPの特性を生かし、クロストークの少ない3D表示を可能とした

CELL REGZA「55X2」

 東芝のCELL REGZAは、Cellのプロセッサパワーを生かした強力な2D-3D変換機能や、サイドバイサイド映像に適した超解像技術などを搭載。

 三菱のREAL MDRシリーズやソニー BRAVIA HX80R、AQUOS LB3ではBDレコーダ機能を搭載するほか、Blu-ray 3Dの再生にも対応。一台で3Dの再生が行なえるというシンプルな操作性が特徴となる。


 これらと違ったアプローチの3Dテレビが東芝の「グラスレス3Dレグザ」こと、REGZA GLシリーズだ。20型の「20GL1」と、12型の「12GL1」の2モデルを用意し、独自のインテグラルイメージング(光線再生)方式と、垂直レンチキュラーシートを組み合わせ、3D再生を実現。“3Dメガネ無し”で、3Dを楽しめる点が特徴だ。

 上位モデルの20GL1ではCellを内蔵し、入力した2D/3D映像から9視差の映像をリアルタイム生成するとともに、超解像処理などで高画質化。グラスレスで3Dを実現する。ただし、フレームシーケンシャル方式では、フルHDの3Dが再生できるが、20GLでは1画素に対し、9視差の映像を用意するため、4K/2K相当のパネルを採用しながらも、2D/3D表示時の実質解像度は1,280×720ドットとなる。

 技術的には非常にユニークで、多くの人から指摘される「3Dメガネは不要」という要望に応える積極的な取り組みだ。ただし、高画質な映画を楽しみたい、といった人にはまだ時期尚早といえる。

グラスレス3Dレグザ「20GL1」インテグラルイメージング方式を採用
パナソニック3D製品の特典用Blu-ray 3D版「アバター」(非売品)
(C)2010 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved

 3D対応テレビは多数登場したが、肝心なコンテンツはまだ少ない。期待された「アバター」はパナソニックの3D製品の特典としては提供されるが一般販売は行なわれない。また、ソニーのBRAVIAの購入特典として、収録内容の一部を3D化した「マイケル・ジャクソン THIS IS IT 3Dエンハンスト・エディション」などが提供される。強力なタイトルは製品購入特典となるなど、まだBlu-ray 3Dの普及が始まったとは言えない段階だ。

 ただし、サイドバイサイド方式ながら、BS放送や110度CSデジタル放送などでは、3D放送が始まっているほか、ビデオカメラやデジタルカメラでも3Dコンテンツが増えてきた。また、スマートフォンで3D動画サービスや3D撮影機能が搭載され始めており、裸眼3Dディスプレイを搭載したものある。2011年2月には「ニンテンドー 3DS」の発売も控え、携帯電話やゲーム機周辺でも3Dが盛り上がりを見せており、一過性では終わらない裾野の広い3D業界が立ち上がりつつあるようだ。

 3Dに関するさまざまな製品が並んだという意味では、2010年はまさに3D元年といえる。各社の3Dへの対応は試行錯誤の段階といえるが、それだけに今後の技術的な改善も期待される。また、大画面という選択肢ではテレビだけでなく、ソニーやビクターからプロジェクタも登場している。大画面のホームシアターを構築したいユーザーにとっては重要な選択肢だ。

 ともあれ、まずはコンテンツの充実に期待したいところ。3Dの映画やスポーツを中心に3Dコンテンツも増えており、さらに、カメラなどパーソナルコンテンツでも「3Dブーム」が到来している。各社足並みが揃った3Dだが、これからのテレビだけでなく、周辺動向にも注目したい。


パナソニック「HDC-TM750」は専用レンズ「VW-CLT1」を装着して3D撮影に対応ニンテンドー3DSEXEMODE 3DV-5WF

 


■ 「録画テレビ」は当たり前に。「全部入り」も増加

 テレビにおける録画対応状況も、かなり変化している。BCNの調査によれば、9月には録画対応テレビの構成比が3割を超えたとのことで、東芝や日立といった録画機能をアピールしていたメーカーだけでなく、大手メーカー各社が録画対応機のラインナップを強化している。

 日立はほぼ全機種が録画対応で、東芝は一部下位機種を除き、USB HDDの追加による録画機能を搭載。シャープもBDレコーダだけでなく、USB HDDの追加に対応した機種を大幅に拡充した。パナソニックやソニーもBD/HDDレコーダ内蔵モデルを投入している。

REAL MDR1シリーズはBD/HDD録画対応でBlu-ray 3Dにも対応

 年末向け新製品のポイントとして挙げられるのは、Blu-rayレコーダとHDDの両方に対応したテレビが増えていることだ。

 まず、機能面で充実しているのは、三菱のREAL MDR1シリーズと、ソニーのBRAVIA HX80Rシリーズだ。両社とも3D対応のBDレコーダのほぼすべての機能を内包した「全部入り」の録画テレビに進化している。

 三菱は、2009年の「REAL BHR300シリーズ」シリーズで業界初のBD/HDDハイブリッド型を発売した、「全部入り」テレビの先駆者ともいえるが、新モデルでは1TBの大容量HDDを搭載するほか、Blu-ray 3Dの再生にも対応。三菱にはBlu-ray 3D対応のBDレコーダは無いほか、長時間録画など録画系の仕様も同社の最新レコーダを上回っている。

 一方注目されるのがソニーのHX80R。レコーダの「BDZ-AT700」の機能をほぼ全て投入し、テレビとしては人気シリーズのHX800とほぼ同機能を投入。最新レコーダで強化された高速起動やマルチタスクなども踏襲している強力な録画機能が特徴だ。


BRAVIA 55HX80R側面にBlu-ray 3D対応のスロットイン型BDドライブを搭載する

 パナソニックも3D VIERAにBDレコーダとHDDレコーダを搭載した「VIERA RT2B」シリーズを発表。こちらも、DIGAの全機能ではないものの、長時間録画やHDDからBDへのダビング、Blu-ray 3Dの再生など、テレビとの一体化によるシンプルな操作性を訴求している。

 三菱とソニーは「フル機能」のレコーダを搭載したのに対し、パナソニックはHDDレコーダの利便性とBDの一体化によるシンプルな使い勝手を訴求する形といえる。

 また、シャープも「AQUOS LB3」でBlu-rayレコーダだけでなく、USB HDDの追加に対応するなど、録画機能を強化。なお、LB3ではUSB HDDからBDへのダビングには対応していない。

VIERA RT2Bシリーズ。宣伝キャラクターには滝川クリステルさんを起用側面にBlu-ray 3D対応のBDドライブシャープ「LC-52LB3」はBDレコーダ+USB HDDを追加可能

 BD+HDDレコーダ搭載の最新モデルは以下の通り。

メーカー三菱(REAL)ソニー(BRAVIA)パナソニック
(VIERA)
シャープ
(AQUOS)
シリーズMDR1H80REX30RR2TBR2BLB3DR3
サイズ40/46/5540/46/5526/3242/4632/3746/5232/40
HDD1TB500GB500GB320GB
(USB HDD)
BD
3D---
シャープは、20型モデル「LC-20DZ3」など、小型モデルでもUSB HDD録画対応を進めている

 USB HDDやLAN HDDの追加での録画対応でシェアを拡大してきた東芝も、エントリー期の一部を除き、ほとんどの機種が録画対応している。

 また注目したいのはシャープのUSB HDD対応だ。従来のシャープは録画はBlu-rayを軸にして、BDレコーダを搭載したDXシリーズを展開してきた。しかし、2010年の夏モデルからはHDDによる録画を強化。USB HDDを追加することで、HDD録画に対応する製品がAQUOS LV3、LB3、LX3、DZ3シリーズなど大幅に拡充している。


LGも5シリーズ10モデルをUSB HDD録画対応として、日本市場に参入

 日本市場の「録画テレビ」は、低価格と高付加価値のどちらの方向でも、重要視されているといえる。それは、日本市場に参入したLGエレクトロニクスが全5シリーズ10モデルでUSB HDD録画対応してきたことも、日本市場の「録画」の重要性を表すものといえるだろう。

 もちろん、本格的に「録画」にこだわるのであれば、BDレコーダとの組み合わせが最適。各社がHDMIリンク機能に対応しているほか、Blu-ray 3Dに対応、さらに東芝の“RD型番”BDレコーダの登場や、ソニーのマルチタスク性能改善、パナソニックのBD→HDDムーブ対応など充実したレコーダが発売されている。

 


■ DLNA対応テレビも増加

日立WoooのDLNA活用イメージ

 ネットワーク機能も充実している。アクトビラやTSUTAYA TVといったVOD対応は既に国内大手メーカーでは当たり前だったが、今年目立つものは「DLNAクライアント」機能だろう。

 DLNAサーバー対応のBDレコーダで録画した番組を、DLNA対応のテレビからネットワーク経由で再生できる機能だ。DLNAのクライアント機能は、ソニーや日立のテレビではほぼ全ての機種で入っており、その他各社とも中位以上の機種でも導入されている。

 といっても各社DLNAをアピールするわけではなく、ソニーは「ソニールームリンク」、パナソニックは「お部屋ジャンプリンク」、東芝は「レグザリンク」、シャープは「ホームネットワーク」といった愛称を付けて展開している。サポートの対象機器を基本的に自社のレコーダなどに限定したいという点もあるが、パナソニックのDIGAとVIERAの組み合わせのように、DIGAで受信中の放送を離れた部屋のVIERAなどでほぼリアルタイムで視聴できる「放送転送」といった独自拡張の機能もあることから、自社ブランド展開しているようだ。

 対応レコーダと合わせて買えば、セカンドテレビから家庭内ネットワークを介してレコーダの映像を見る、といったことも可能で、そうした提案を行なうメーカーも多い。各社のテレビで実装方法が異なっているため、使い勝手には細かな違いがあるが、今後家庭内でテレビを使う、また、セカンドテレビを買いたい、という人には重要なポイントになりそうだ。

 加えて日立のWooo XP05やZP05シリーズのようにDLNAクライアントだけでなく、サーバーになる機種も用意されている。また、WoooやREGZA、VIERAの一部機種では、ネットワークを使ったサーバーやレコーダへのダビング機能も搭載するなど、これからもホームネットワークを使った活用提案は増えていきそうだ。

パナソニックの「お部屋ジャンプリング」では対応機器の組み合わせで放送転送に対応Wooo「L42-ZP05」は、DLNAサーバー/クライアント対応に加え、DTCP-IPを使ったネットワークダビングにも対応する

 


■ LGも参入。テレビの選択肢は拡大

Wooo ZP05シリーズはS-LED方式を採用

 今年前半のトレンドとしては液晶テレビにおける「LED」の採用が挙げられるが、年末商戦では中位機以上では当たり前となってきた。

 ただし、画質にこだわる最上位機種では、多くが直下型のLEDバックライトだが、それ以外はコスト効率の良いエッジライト型が増えてきている。また、直下型でなくても、日立のS-LED方式や、LGのFull LED Slimなど複数個のLEDを内蔵したブロックモジュールごとの制御により、コントラスト感の向上を図るなど新たなアプローチの製品も登場している。


LGは日本市場に本格参入

 また、パイオニアや三洋、ビクターなどが事実上撤退し、大手6社+流通系低価格メーカーというのがここ最近の日本のテレビ市場だったが、今年は世界シェア2位のLGエレクトロニクスが参入。3DモデルやUSB HDD対応など日本市場にあわせた製品を5シリーズ10モデルも用意している。

 まさに「エコポイント特需」の中での市場参入となったが、今後どれだけLGが日本市場で本格的にテレビ事業を展開していくのかも注目されるところだ。一方で大手スーパーと協力し、低価格テレビを展開してきたダイナコネクティブの破産というニュースもあった。年間1,000万台を超える巨大なテレビ市場を巡る激戦はまだまだ続きそうだ。

 AV Watch読者の方は、家族や友人などにおすすめ製品を聞かれる立場だと思うが、使い方や設置環境、家族構成などによりテレビ選びの最適解は変わってくるので、答えに困ってしまうことも多いだろう。ある程度詳しい人には、画質の傾向や録画機能の詳細を説明したり、使用中のレコーダとの組み合わせでなどで理解してもらえるが、大抵の場合「どこの(メーカーの)テレビがいいの? 」という漠然とした質問だ。

 最終的には「デザインと値段で決めた」とアドバイスと全然関係ない機種を購入する人も多いが、リモコンの操作感やEPGのチェックしてみれば、というアドバイスは比較的聞き入れられやすいようだ。

 エコポイント特需は一息ついたものの、年末にかけてテレビの出番が多くなる家庭も少なくないはず。映画ファンや映像機器が好きな人は、製品トレンドをチェックして、特需に惑わされず満足のいくテレビ選びをしてほしい。



(2010年 12月 2日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]