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映画のまちに映画館。「イオンシネマ シアタス調布」が9月29日オープン
2017年9月27日 19:09
東京都調布市の調布駅再開発による商業施設「トリエ京王調布」が9月29日(金)にオープンする。調布駅直結のA館はショッピングセンターとなるほか、C館はシネマコンプレックスの「イオンシネマ シアタス調布」が、B館の核テナントにはビックカメラが入居し、沿線の一大商業施設として展開する。
映画・映像関連企業も多い調布市は、“映画のまち調布”を掲げており、シアタス調布は、地域との連携と貢献を目指すという。シアタス調布は、11スクリーン、約1,650席を備えており、映画だけでなく、音楽コンサート、スポーツ、演劇、ゲームなど、さまざまなコンテンツ上映を行なう劇場を目標としている。
シアタス調布は、駅からやや離れたC館の2~5階に入居。都内シネコン最大級となる約530席の10番スクリーンには、立体音響テクノロジー「GDC featuring dts-X」を東日本で初めて採用。幅20mの大型スクリーンの映像と、イオンシネマ独自の4ウェイ立体音響システムで構成する「ULTIRA(ウルティラ)」による、映像美と臨場感をアピールしている。
またシートピッチを広くとりゆとりある座席としている点も特徴で、特に足元のスペースを広く取り、前を人が通過する場合でも少し足を引く程度で通れるようにした。「530席以上に増やせたが、ゆとりを優先した」とのこと。
6番スクリーンは、シートが映画に連動して動き、ミスト、雨、香りなど18種類の演出を行なう体感型アトラクションシアター「4DX」を導入。席数は128席で、4DX対応劇場としては、最大タイとのこと。4DXではミストや振動を伴い手荷物を汚す可能性もあるため、荷物を預けるためのロッカーも併設している。
また、5番スクリーンは、フランス キネット製のシネマ専用最高級シート「ダイヤモンド・クラス」を全席に完備した「Gran Theater」。飛行機のファーストクラスを凌ぐという余裕あるシートで、電動リクライニング機構も装備。足を投げ出して映画を見るといったリラックスした映画体験も可能になる。初回上映作品は「ラ・ラ・ランド」。
ロビーもゆとりある空間とし、ドリンクコーナーなども用意。また、シアタス調布が入るC館には、飲食店やドコモショップ、サイクルショップのコギーなどが入居。また、オーナーが調布市出身・在住のカフェ猿田彦珈琲は、調布焙煎ホールとして合計4台の焙煎機による焙煎所を併設した大型カフェとなっており、工場見学のように焙煎から抽出までの全工程を眺めながらコーヒーを楽しめる。
また、「映画のまち調布」を印象付けるため、調布駅内の表示看板やシアタスへの案内看板にフィルムを模したデザインを採用。トリエの外壁にも映写機をモチーフにした看板を用意するほか、駅からシアタスに向かう通路の広告でも映画をアピール。さらに、シアタスへ向かう出口の階段にはレッドカーペット風の装飾を施すなど、トリエ全体で映画のまちを盛り上げている。
調布駅の玄関口
駅に直結するA館は、地上5階で街の玄関口として、ファッション・雑貨・カフェ、レストランなどの専門店により構成。1階にはスーパーの成城石井やベーカリーの神戸屋キッチンエクスプレスなど。2階のスターバックスコーヒーは、厳選された豆を提供するリザーブ店となっている。2、3階はファッション、雑貨が中心で、縦長の建物のため、通路中央の島式のテナントには什器の高さ制限を設けることで、広がりを出している。
ビックカメラは、B館全て延べ床面積6,000m2を占有し、沿線や近隣エリアに不足していた大型家電量販店として展開。ビックカメラとしては中規模店舗となるが、1階は自転車とお酒を中心に構成する。駅前という立地もあり、入りやすい店舗構成を目指し、お酒も贈答品や“ちょっと贅沢”なものを充実させているという。
映画のまちに映画館。広域集客を目指す
トリエ京王調布 副支配人の上村裕希氏は、「京王線の上を走る3つの館からなるショッピングセンター。調布は駅前広場も開発中で、さらに近隣2地区で開発が進められているなど、発展が見込まれる。いままでの調布は、市外への流出率が高く、駅前に調布らしさが不足していた。調布らしいちょっと素敵な生活をトリエで展開していきたい。(京王線)地下化により南北が結ばれた。トリエ京王調布は、暮らしを結びつける拠点になりたい」とコメント。
B館の核テナントとなるビックカメラは、「開発にあたりもっとも要望が多かった家電量販店」として誘致。C館のシアタス調布も「調布の住民から望まれていた映画館」として、調布らしさにこだわる施設構成としたことを強調。
トリエ京王調布の外壁には、京王電鉄で使用していたレールなどを用いた装飾を施したほか、線路跡地にレールを埋め込むなど、「鉄道の記憶」を継承することにも配慮したという。
トリエ京王調布の支配人の杉本大輔氏は、「2012年に京王線調布駅が地下化され、その後地上プロジェクトとして5年かけて計画してきた。29日10時から無事開業を迎える」と語り、近隣住民だけでなく、3km~5km圏内の商圏をカバーするという。「京王の沿線でいえば、西は(京王相模原線)稲城あたりから、東は千歳烏山までを取り込みたい。シネコンやビックカメラの誘致も広域集客を狙ったもの」と説明した。