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ソニーパーク地下に、グラスサウンドスピーカー×29台 “音楽に入れる”新空間

Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)で24日、ソニーのグラスサウンドスピーカー「LSPX-S2」を29台配置して音楽を再生、「音楽の中に入り込む」新体験ができるイベント「windandwindows|ウインドアンドウインドウズ 蓮沼執太フルフィル×Ginza Sony Park」がスタートした。入場は無料で誰でも体験可能。期間は9月1日まで。実施時間は各日10時~20時。

「windandwindows|ウインドアンドウインドウズ 蓮沼執太フルフィル×Ginza Sony Park」

場所はGinza Sony Parkの地下3階。そこにグラスサウンドスピーカー29台と、ウーファー3台、計32台のスピーカーが配置されている。再生するのは、総勢26名の蓮沼執太フルフィルが奏でる音楽だ。

グラスサウンドスピーカー「LSPX-S2」を29台用意
ウーファーも設置されている

このプログラムは、 蓮沼氏とソニーの「一般的なポップスの枠では、左右2チャンネルにミックスして、5分程度の時間に収めるが、インストールする場所が公共性の高いパークであれば、その枠に収まる必要はない。メディアに応じて、音楽も最適化したほうが面白いと思う」という会話からスタートしたという。

グラスサウンドスピーカー「LSPX-S2」。ガラス管内にはフィラメント型LEDを内蔵し、照明としても利用できる

再生されている楽曲は、 蓮沼氏がこのプログラムのために特別に編曲した「windandwindows|ウインドアンドウインドウズ」。もともと5分程度の曲だったが、このイベントに向けて演奏時間を約32分に伸ばしたバージョンを用意。「余白」を充分に設けることで、「聴く人が介在しやすく、また、長時間滞在しても心地よいGinza Sony Parkのための特別な環境音楽」になっているという。

再生するグラスサウンドスピーカー「LSPX-S2」は、透明な有機ガラス管を振動させ、クリアな音色で空間を満たすのが特徴。高域・中域・低域すべての音が広がるよう目指した独自の音響構造で、弦楽器や打楽器を物理的に指ではじいたり、叩いたりして音を出すのと同じように、独自のスピーカー駆動技術で、有機ガラス管の端面を叩いて振動をガラス管全面に伝えている。楽器の質感描写に優れているのが特徴だ。

グラスサウンドスピーカー「LSPX-S2」

29台のLSPX-S2に、ドラム、パーカッション、スチールパン、マリンバ、女性ボーカル、男性ボーカル、オルガンなど、各パートの音が割当られている。1台に1つの楽器を割り当てているのもあるが、複数台でアコースティックギターとボーカルを担当しているようなゾーンもある。

会場のパネルには、各スピーカーの分担やゾーンの情報が案内されている

会場を移動しながら聴いてみると、ドラム担当のスピーカーに近づくとドラムの音がダイレクトかつ大きく聴こえ、そのまま進んでいくとピアノの音像に近づいていき、それを通り過ぎるとギター……というように、オーケストラが演奏しているステージの上を自由に歩き回っているような気分になる。

各所には椅子も用意されており、そこに座ると、オーケストラの一員になって演奏しているような気分にもなる。

椅子も用意されており、移動しながら聴こえ方の変化を楽しみ、好きなスポットに座ることもできる

面白いのは、例えばギター&ボーカルゾーンに座っていても、ギターとボーカルの音のみが耳に入る……というわけではなく、その周囲に設置されたLSPX-S2からの音も耳に入る事。LSPX-S2の音を広げる力が強いためだろう。そのため、“ギターとボーカルだけしか聴こえなくて音楽が崩れる”事がなく、全体の音楽のバランスの良さを維持したまま、その中でも特に“ギターとボーカルに注目した”ような聴き方ができる。

オーディオのステレオ再生ではスイートスポットが限られるので、音場の中を自由に歩いて、好きな音像に近づいて聴くという体験はなかなか新鮮。新しい音楽の楽しみ方ができるほか、音楽に包まれてゆったり過ごす空間として活用するのも良さそうだ。

蓮沼執太氏のコメント

「ウインドアンドウインドウズ」は「風と窓たち」。

目に見えない風と音はどこか似ていますね。 窓からやってくる風のように、 この音は入り込んではここから去っていきます。

その往還が空間を作り、 音楽として奏でられます。

様々な人々が集まるパーク、 そんな場所に風通しの良い音楽をインストールしました。

蓮沼執太フルフィルのメンバー26人が奏でた音がひとつずつ、 この空間に響いていきます。

この場所に佇んで、 時間の流れを忘れたり、 もしかしたら「ぼ~っとして」流れている音楽すらも忘れてしまったり、 それぞれの「ウインドアンドウインドウズ」をリラックスして楽しんでもらえたらうれしいです。