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業界初4K放送まる録り「全自動4Kディーガ」。10TB・13日間録画で約32万円

パナソニックは、4Kチューナーを搭載し、4K放送のチャンネル録画に対応した「全自動4K DIGA」を3月13日より発売する。10TB HDD・11チューナーの「DMR-4X1000」、6TB・7チューナーの「DMR-4X600」の2機種をラインナップ。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4X1000が32万円前後、4X600が18万円前後。

10TB HDD・11チューナ搭載の「DMR-4X1000」

'19年5月発売の全自動DIGA「DMR-UBX8060」(8TB・11チューナー)、「DMR-UBX4060」(4TB・7チューナー)の後継モデル。4X1000と4X600の違いは、内蔵するHDDの容量とチューナー数、および一部画質技術の有無で、そのほかの基本機能は共通。

4X1000/4X600ともに、好みのチャンネルをまるごと録画する“全録”機能を従来機から引き継ぎつつ、新4K衛星放送チューナー2基を新搭載。4K放送1チャンネルを、7日分(4X600)、もしくは13日分(4X1000)記録できるようになった。4K放送の全録に対応したレコーダーは、本製品が業界初となる。

10TBと6TBの2モデルをラインナップ

4Kに対応した全録レコーダーの投入背景について、同社担当は「7月開催予定の東京オリンピックでは、大会史上最多となる33種目339種目が予定されており、2K、および4Kで数多くの関連番組が放送されることが予想される。中でも柔道や男子バトミントンなど14競技・21種目の決勝が行なわれる8月1日、陸上や男子テニス、競泳など12競技26種目の決勝が行なわれる8月2日、そして男子バスケやサッカー、アーティスティックスイミングなど20競技・30種目の決勝が行なわれる8月8日などは、日本勢のメダル獲得が期待される競技が重複しており、見たい競技が全部見られないといった“困り事”が出てくるはず。全自動4Kディーガはそうした困り事を解決するためのレコーダーだ。2K放送はもちろん、4K放送のチャンネル録画もカバーしており、オリンピック競技放送をまるごと観る・残すことができる」と話す。

6TB HDD・7チューナ搭載の「DMR-4X600」

なお同日に発表された、2K放送専用の全自動DIGA「DMR-2X200」(9万円)は別記事で紹介している。

4K放送の全録は1ch・DR記録。開催中はオリンピック仕様のメニューに

上位機種・4X1000は全11チューナーを内蔵し、内訳は4K(地上波/BS/110度CS兼用)×2・地上波/BS/CS×4・地上波専用×5。最大で2K放送×10ch、または2K放送×8ch+4K放送×1chのチャンネル録画に対応し、内蔵の10TB HDDへ、2K放送28日間(15倍録時)、4K放送13日間の番組が記録できる。

DMR-4X1000
DMR-4X600

4X600は、全7チューナーで、4K(同)×2・地上波/BS/CS×4・地上波専用×1という構成。最大で2K放送×6ch、または2K放送×4ch+4K放送×1chのチャンネル録画に対応し、内蔵の6TB HDDへ、2K放送28日(15倍録)、4K放送7日間(4X600)の番組が記録できる。

チャンネル録画番組は、日数を過ぎた場合、またはHDD容量がいっぱいになった場合に、古い番組から自動で上書き消去される。4Kチャンネル録画中でも4K Ultra HD Blu-ray再生や、ネット動画も楽しめるという。

2K放送×4ch+4K放送×1chのチャンネル録画を行なった時のチャンネル録画一覧(メニューは4X600)
リモコンの十字キーだけでチャンネル・番組を切り替えることができる、ザッピング操作に対応

どちらの機種も4Kチューナーを2基備えるが、チャンネル録画に使用できるのは1つで、DRモード限定となる。4K放送をチャンネル録画している場合、もう1つの4Kチューナーを使って、4K番組の視聴や4K番組の通常録画が行なえる。

通常録画は、4K放送のW録画を含めて、最大3番組同時録画まで。3番組同時録画は、4X1000の場合は2K放送×8ch録画時、4X600の場合は2K放送×4ch録画時に可能。

なお4X1000は6TB+4TB、4X600は4TB+2TBという2台のHDDを使用して、チャンネル録画用と通常録画用に各HDDを振り分けているため“内蔵HDDの容量全てを4Kチャンネル録画に割り当てて、録画日数を延ばす”などはできない。また4Kチャンネル録画に使用できるのは内蔵HDDのみで、外付けUSB HDDにチャンネル録画できるのは2K放送に限られる。

4K放送のチャンネル録画設定画面
2K放送のチャンネル録画設定画面。おすすめ設定は、5倍録で2K放送7日間録り。詳細設定で15倍録を選べば、最長28日間まで延ばせる ※画面は4X600

チャンネル録画した番組は、リモコンのチャンネル録画一覧ボタンを押し、番組表から呼び出し・再生が可能。ユーザーが2Kと4Kのチャンネル録画を混同しないよう、4K番組にはサムネイル上に4Kアイコンを乗せたり、番組情報画面に4KDRをテキスト表示する。

独自機能として、オリンピック開催期間中は、話題の競技やメダル獲得が期待される選手に関するオリンピックニュースをレコーダーに配信予定。ニュース記事画面から、リモコンボタンで関連番組の録画予約ができたり、チャンネル録画一覧から関連番組を検索することができる。また期間中は、新着番組画面にも「オリンピック・パラリンピック」のジャンルが設置され、放送後に話題になった競技も、すぐに呼び出して再生することができるという。

番組表
番組ニュース画面(冬アニメ情報)

ゴールデンタイムなど、好きな時間帯を選んで、該当する時間内に放送されるドラマとアニメだけを最大90日間残してくれる「おとりおき」機能も搭載。チャンネル録画したものの中で、消さずに残したい番組があれば、チャンネル録画用のHDD領域から、通常録画用のHDD領域や外付けUSB HDDへ保存したり、BDへダビングすることができる。

4K放送の通常録画やダビング機能に関しては、既発の4Kダブル録画対応DIGA「DMR-4W400/4W200」と同等。通常録画した4K番組を、HEVCで再圧縮してデータ容量を大幅に削減する最大12倍録の4K長時間録画や、4K番組をBDに4K解像度で残す際に他社が採用するTS方式でも書き込めるダビング方式選択も搭載する。

番組内容に応じて8倍から12倍の間で自動的にレートを調整する、おまかせ長時間の「4K 8~12倍録モード」。通常録画時に選択可能。シーンの絵柄の細かさや動きの大きさなど、符号化難易度に従い平均ビットレートを調整。総じて、スポーツや音楽は8倍録(2.8Mbps)、ドラマやアニメは12倍録(2.8Mbps)相当となるという

チャンネル録画した2K・4K番組はスマホで視聴可能

放送番組の録画だけでなく、音楽や写真、動画データを取り込んだり、様々な機器やデバイスと連携する独自のネットワーク機能「おうちクラウド」に対応。スマホアプリ・どこでもDIGA(iOS 10.0/Android 4.4以降)での録画予約や視聴、DIGAでのCDリッピングやハイレゾリマスター保存、HDペットカメラ連携やGoogle Home対応スマートスピーカーを使った遠隔操作などの従来機能を継承する。

今回の新モデルでは、近日実施予定のアプリアップデート(Ver 5.0)により、新たに「4Kチャンネル録画対応」「スマホによる音声操作」などの機能が追加。4Kチャンネル録画対応では、チャンネル録画された番組表の表示や検索が行なえ、本体が電源OFF時であれば、4Kチャンネル録画番組をスマホで宅外・宅内再生できる。またアプリ画面左下にマイクアイコンが新設され、発話で番組検索やスマホ再生、VIERAへのキャスト再生ができるようになる。

ほかにも、全自動モデル用の新着番組タブが新設されたり、LINEを使った番組検索や再生指示、家族同時のDIGAによる録画番組シェア、DIGA増設/入れ替え時の番組予約引き継ぎなどの新機能が加わる予定だ。

なお、どこでもディーガの音声操作対応に合わせ、'19年の全自動モデルまで採用していたボイス&モーションリモコン(Bluetooth)を廃止。'20年の全自動モデルでは、通常の赤外線リモコンへ変更されている。

4X600のリモコン

4X1000のみUB9000並みの高画質機能搭載。DIGA初のHDR10+対応も

再生可能ディスクは、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)、BD(MGVC対応)、ブルーレイ3D、DVD、音楽CDなど。サポートするHDRは、HDR10とHLG(ハイブリッドログガンマ)に加え、HDR10+に新対応。DIGAのHDR10+対応は今回が初めて。

デコードした4K(4:2:0)信号を独自の高精度マルチタップ処理で4K(4:4:4)に補間することで、鮮度が高く、自然な質感と立体感のある4K映像を実現する高画質化回路「4Kリアルクロマプロセッサ」を搭載。

HDR映像の明るさを調整する「ダイナミックレンジ調整」に加えて、HDR→SDR変換の「ダイナミックレンジ変換調整」も搭載。接続するテレビがHDR非対応の場合でも、UHD BD/4K録画ディスクのHDR信号(PQ/HLG)をSDR変換し、HDR感を保った画質で表示できる。

上位の4X1000のみ、「HDRトーンマップ」と「システムガンマ調整」に対応。どちらも同社UHD BDプレーヤー「DP-UB9000」のみに搭載されていた画質機能で、HDRトーンマップはUHD BDタイトルごとに自動的に適切なHDR映像を再現、システムガンマ調整は映像素材とディスプレイの組み合わせに応じてコントラスト感を調整できるようになっている。

YouTube、アクトビラ、Hulu、TSUTAYA TV、DAZN、radikoなどの配信サービスに加え、4K/HDR配信を行なうNetflix、Amazon Prime Video、dTV、デジタル・コンサートホールに対応。動画配信映像においても、4Kリアルクロマプロセッサを使って鮮度の高い4K映像を実現するという。

4X1000の背面端子

インターフェイスは2機種共通。映像・音声のHDMI出力端子と、音声専用のHDMI出力を搭載。映像と音声の分配して出力することで、HDCP 2.2非対応のオーディオシステムを組み合わせたり、伝送する音声データのノイズ干渉を抑制できる。HDMI出力の他には、USB×2(通常録画用USB 3.0×1、チャンネル録画用USB 3.0×1)、LAN端子を備える。ACインレットはメガネ型。

消費電力は、4X1000が約56W、4X600が約44W。外形寸法/重量は、4X1000が430×239×66mm(幅×奥行き×高さ)/約4.3kg、4X600が430×239×60mm(同)/約4.2kg。

4X600の背面端子