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パナソニック、業界初の4Kダブル&長時間録画に対応したBDレコーダー「4K DIGA」

パナソニックは、BS4Kチューナーを搭載したブルーレイレコーダ「4K DIGA」の新機種を7月19日より発売する。ダブル4Kチューナー/4TB HDD搭載「DMR-4W400」とその2TBモデル「DMR-4W200」、シングル4Kチューナー/1TBモデル「DMR-4S100」の3製品を用意する。価格はすべてオープンプライスで、店頭予想価格は4W400が14万円前後、4W200が11万円前後、4S100が9万円前後。

4K DIGA「DMR-4W400」
型番BS4KチューナHDD店頭予想価格
DMR-4W40024TB約14万円
DMR-4W20022TB約11万円
DMR-4S10011TB約9万円

'18年11月に発売したBS4Kチューナー搭載レコーダ「DMR-SUZ2060/SCZ2060」の後継機種で、4K DIGAの第2世代モデル。

第1世代をベースにしながらも、新たにH.265/HEVCエンコーダを内蔵し、4K放送番組の長時間録画に対応。上位2モデル(4W400/4W200)は4Kチューナを2基搭載し、4K放送の2番組同時録画も行なえるようになった。

加えて、アプリ経由での4K放送録画予約や、録画済み4K番組の宅外視聴・持ち出しに対応するなど、4Kレコーダーとしての機能が大幅にアップデートしている。

4K DIGA「DMR-4W200」(写真上)と「DMR-4S100」(下)

4K放送をHEVC圧縮する、業界初の4K長時間モードを搭載

新モデル最大の特徴は、4K放送での長時間録画モードを、業界で初めて搭載したこと。

地上デジタル放送の倍近い容量を持つ4K放送番組に対しても、長時間モードを使うことで、限られたストレージ内により多くの番組が録画できるようになった。

ダブルBS4Kと4TB HDDの「DMR-4W400」。外観は前モデル(SUZ2060)と変わらない

4K放送で使用できるのは、1.5~4倍録までの全10モード(※1)。DR録画時は約65時間/1TBだが、4倍録(4K 4倍)時は最大約260時間分の4K番組が録画できる。

長時間モードには、4K/8K放送と同じ圧縮技術“H.265/HEVC”を採用。オリジナルの解像度(3,840×2,160)、フレームレート(60p)、ビット数(10bit)、色域(BT.2020)、HDR信号(HLG)を維持したまま、ビットレートを下げデータ量を削減。また音声に関しては、22.2/7.1/5.1chなど複数のサラウンド音声が含まれる場合は、うち1本のみを記録(※2)するなどしてデータを軽くする。

長時間モードは、1.5倍録から4倍録が選択可能

同社の技術者は「2K放送録画で用いるMPEG4 AVC圧縮に比べ、HEVC圧縮は非常に効率のよい圧縮方式で、4K解像度を保ったままデータ量の削減ができる。圧縮の苦手なシーンでない限り、4倍録でもパッと見、原画と大きく乖離しない画質が出せている」と話す。

※1 1.5倍録(22Mbps)、1.6倍(20.6Mbps)、1.8倍(18.3Mbps)、2倍(16.5Mbops)、2.3倍(14.3Mbps)、2.5倍(13.2Mbps)、2.7倍(12.2Mbps)、3倍(11Mbps)、3.5倍(9.4Mbps)、4倍(8.3Mbps)

※2 2ch音声に加えて、デフォルトで記録するサラウンド音声は5.1ch。ARIB規格上、7.1ch以上はオプション・5.1chがマンダトリであるため。ただし、22.2ch/7.1chを残したい場合のために録画設定時に選択が可能。

エンコード時間は等速で、番組の尺と同じ時間を要する。このため、長時間モードを選択して録画した場合でも、一度DRで録画しレコーダー電源OFF中にHEVC圧縮をバックグラウンドで行なう。「AVC圧縮同様、エンコードをバックグラウンドで行なうことで4K録画時でもマルチタスク(同時動作)制限はほぼ無い」とする。

録画番組の変換は電源オフ中に行なう

エンコーダーに関しては「SUZ2060と同じSoCで行なっているが、今回のHEVCエンコーダー搭載のためにソフトウェアを含めたシステム設計は変えている」という。

H.265/HEVC圧縮が行なえるのは、4K放送録画時のみ。2K放送の場合は従来通り、MPEG4 AVC圧縮(最大15倍録)となる。

長時間モードで録画した4K番組は、BDにダビングもできる(MPEG-2 TS変換※3)。2層50GBの場合、約12時間分の4K番組が記録できる。

DRモードで録画した4K番組と混在して記録することもでき、作成した“4K録画BD”は「4K DIGA」シリーズ(SUZ2060含む)や、同社UHD BDプレーヤー「DP-UB9000」で再生できる。またTS変換記録であるため「他社レコーダーでも再生できる可能性はあるが、保証しない」とのこと。

※3 MPEG-2 TS変換は長時間モード時のみ。4K DRモードで録画した4K番組をBDにダビングする場合は、従来シリーズ通り、MMT/TLV記録となる

DMR-4W400

上位2モデルはダブル4Kチューナーで4Kダブル録画

チューナーは、地上・BS・CSデジタル×3に加え、上位モデルの4W400と4W200はBS4K×2、4S100はBS4K×1を搭載。4K放送用の受信設備を用意し、背面のアンテナ入力に接続すれば、現在放送されている16個の4Kチャンネルが視聴可能(有料放送含む)。また2K用のBSアンテナを接続した場合でも、民放4局(無料)とNHKの4Kチャンネルが視聴できる。

3モデル共に、最大で3番組の同時録画をサポート。4W400/4W200の場合は、4K放送2番組、2K放送1番組を同時に録画できる。“4Kダブル録画”が可能なAV機器は、4K DIGAが初めてとなる。

4K放送のダブル録画に初対応。録画中にUHD BD再生することも可能

4K放送録画は、内蔵HDD、もしくはUSB 3.0接続の外付けHDDで行なえる。BDへの直接録画やUSB 2.0接続のHDD録画には対応しない。

3番組同時録画中でも、オートチャプターの付与や、BD/UHD BD再生、録画済み番組再生などの同時動作にも対応する。ただし、外付けUSB HDDに4Kダブル録画、もしくはトリプル録画(4K×2、2K×1)する場合のみ、USB HDD内の録画番組視聴ができないという。

外出先からスマホで4K録画予約、4K録画番組視聴ができる

DIGAに貯めた録画番組・音楽・写真・動画データを、スマホアプリ「どこでもDIGA」(iOS 10.0/Android 4.4以降)で操作・再生できる“おうちクラウド”においても、4K放送に関連した機能を強化した。

9月下旬に予定されている本体とスマホアプリのアップデートにより「4K番組の録画予約」「録画済み4K番組の視聴」「視聴済み4K番組の一括削除」「録画済み4K番組の録画モード変更」が、宅外でスマホから行なえるようになる。

録画予約は、番組表予約とキーワード検索を使った予約に対応。4K番組の宅外視聴の場合は、2K番組と同様、AVC圧縮、及び2Kにダウンコンバートして配信を行なう。配信品質は最大720p/30Hz 3.5Mbps(※4)となり、iOS/Android端末で視聴が可能。録画済み番組に限られ、放送中の4K番組を配信で観ることはできない。

※4 720p/30Hz 3.5Mbpsのほか、720p/30Hz 1.5Mbps、360p/30Hz 650kbps、180p/30Hz 400kbps、180p/15Hz 150kbpsを用意する

一括削除と録画モード変更を行なうには、ディモーラ プレミアム会員登録(有料)が必要。無料のスタンダート会員の場合は、個別削除のみ対応する。

外出先からスマホで、4K録画番組の一括/個別削除やモード変更ができる

離れて暮らす家族のDIGAに写真や動画を送信する機能に、メッセージの送信も追加。DIGA内の写真や動画に付与したいメッセージを入力して送信すると、家族のDIGAやスマホで、メッセージ付きの写真・動画を見ることができる。メッセージは最大20字まで。「大切な出来事や思い出の1枚に、その時の気持ちやメッセージを文字として保存し、あとから振り返ったり、家族と共有したりできる」としている。またDIGAに保存した写真・動画をSNSにアップする機能も追加されている。

写真や動画にメッセージを付けて送信できるようになった

HDDに保存した写真・動画を、本体にBDを入れて設定しておくだけで、自動でデータを書き込む“かんたんディスク保存”機能を追加。ディスクがセットされていない場合や、容量が一杯になるとスマホ画面で通知される。「撮りっぱなしになりがちな、家族の写真・動画を手間なく安全にバックアップできる」という。

このほか、スマホで録画番組を視聴する際、見たいシーンから再生できる「シーン一覧表示」(一部地デジのみ)や、内蔵ドライブからHDDにCDをWAV/FLAC/AACで取り込む「CDリッピング」、LINEを使った番組検索・録画予約、2カ所同時配信可能なお部屋ジャンプリンクなど、従来モデルからの各種機能も引き続き搭載する。

一覧から見たいシーンを選んで再生できる。シーン一覧は一部の地デジのみ対応する

ディスク再生やネット動画再生は前モデル同等の性能

再生可能ディスクは、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)、BD、ブルーレイ3D、DVD、音楽CDなど。サポートするHDRは、HDR10とHLG(ハイブリッドログガンマ)。Dolby VisionとHDR10+には対応しない。

ディスク再生性能は、前モデルと同等。高画質化回路の「4Kリアルクロマプロセッサ」を搭載し、デコードした4K(4:2:0)信号を独自の高精度マルチタップ処理で4K(4:4:4)に補間することで、鮮度が高く、自然な質感と立体感のある4K映像を実現する。MGVC出力にも対応する。

HDR映像の明るさを調整する「ダイナミックレンジ調整」に加え、HDR→SDR変換の「ダイナミックレンジ変換調整」も搭載。接続するテレビがHDR非対応の場合でも、UHD BD/4K録画ディスクのHDR信号からSDRへのダイナミックレンジ変換を自動で行ない、HDR感を保った画質で表示できる。

YouTube、アクトビラ、Hulu、TSUTAYA TV、DAZN、radikoなどの配信サービスに加え、4K/HDR配信を行なうNetflix、Amazon Prime Video、dTV、デジタル・コンサートホールに対応。4Kリアルクロマプロセッサにより、鮮度の高い4K映像を楽しめる。

上位2モデル(4W400/4W200)のみ、2系統のHDMI出力を装備。テレビやプロジェクタのほか、AVアンプなどのオーディオシステムに別途音声出力可能。AVアンプなどが著作権保護技術のHDCP 2.2に非対応の場合でも、1系統をAVアンプに繋いで音声だけ出力、もう1系統をテレビなどに接続することでUHD BDを楽しめる。また、映像/音声信号を分離することで、信号干渉を抑える。4S100は、HDMI出力が1系統。

上位2モデルはHDMI出力を2系統装備(写真は4W400)
4S100はHDMI出力を1系統備える

HDMIのほか、USB×2(録画用USB 3.0×1、汎用USB 2.0×1)、LAN端子を装備する。

消費電力は、4W400が約29W、4W200が約28W、4S100が約27W。

外形寸法/重量は、4W400と4W200が430×199×66mm(幅×奥行き×高さ)/約2.6kg。4S100が430×199×60mm(同)/約2.3kg

BS4Kチューナーを2機搭載する上位機のみ、シルバーカラーのインシュレーターを採用。4S100よりも6mm高い
リモコン(3モデル共通)