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ビデオリサーチのTV視聴率調査が刷新。個人の調査拡大、動画配信も検討

ビデオリサーチは、各地区のテレビ視聴率調査を3月30日よりリニューアル。一部で提供している個人視聴率調査の対象拡大や、関東/関西/札幌における調査世帯数の拡大、BS放送局の視聴率提供開始などを行なう。データ提供は3月31日より開始する。

2020年3月30日以降の視聴率調査の設計
(出典:ビデオリサーチ)

今回のリニューアルは、視聴者のライフスタイル多様化や、テレビ視聴デバイス普及に伴う視聴形態の変化などによる“テレビ視聴の分散化”に合わせたもの。「放送局由来のコンテンツについてあらゆる接触を測定する」、 「多様化する視聴者の実像をあらわす」ことを目指し、「テレビメディアの価値をより正しく示せる視聴率データの構築準備を進めてきた」という。

個人調査の強化、タイムシフト視聴率の全地区導入

変更点は大きく4つあり、1つはテレビ視聴率を測定している全地区において、調査設計を統一するもの。

現在、関東/関西/名古屋/北部九州の4地区で実施している機械式個人視聴率調査(PM調査)を、他23地区でも提供開始する。また、11地区で実施中の毎日のデータ提供を、他16地区でも毎日提供開始。さらに、関東/関西/名古屋の3地区で実施している(テレビを録画して視聴するなどの)タイムシフト視聴率データを、他24地区でも提供開始する。

2つ目は、関東/関西/札幌の調査世帯数の拡大。関東は現在の900世帯からリニューアル後は2,700世帯に、関西は600世帯から1,200世帯に、札幌は200世帯から400世帯にそれぞれ拡大する。

3つ目は、「全国」という単位で視聴状況を表現するデータの具現化。調査対象世帯数は異なるものの、視聴率調査の設計を統一することで、「全国」という単位で視聴状況を表すデータとする。これをテレビ視聴率(全国32地区)/推計視聴人数(全国32地区)として提供開始する。

なお、現在機械式調査を実施していない5地区(山梨、福井、徳島、佐賀、宮崎地区)についても、各地区50~100世帯を設定して他地区同様の視聴率調査を実施。全国データ算出に使用する。これに伴い、全国データを「全国32地区」と表記。ただし、上記5地区に関しては地区別での視聴率の提供はしない。

4つ目は、テレビ視聴率(全国32地区)におけるBS放送局別視聴率の提供開始。2020年4月時点の集計対応局は、民放7局、NHK 2波を集計対象局とする。

タイムシフトに象徴される、視聴の分散化や視聴の個人化に対応するため、タイムシフト視聴率や個人視聴率の全地区導入も実施。これにより、「全国」という単位での視聴率集計や、より精緻な視聴人数の把握が可能となり、テレビメディアデータとしての利活用の広がりを見込む。

今後は動画配信の測定も検討

今後拡張予定として、動画配信における放送局由来のコンテンツについても、視聴率パネル内での視聴測定とその指標を検討していくことで、より現状に即したテレビメディアデータの提供に繋げていくという。

また、現在は機械式調査を実施していない上記5地区について、地区別での視聴率の提供に向けた協議と準備も進めている。