ニュース

キヤノン、4K/120pシネマカメラ「EOS C300 Mark III」。新センサで低ノイズHDR合成

キヤノンの4Kシネマカメラ「EOS C300 Mark III」

キヤノンは、CINEMA EOS SYSTEMの新製品として、4K/120p記録対応のシネマカメラ「EOS C300 Mark III」と、シネマレンズ「CN10×25 IAS S/E1」を6月下旬より順次発売する。価格はオープンプライス。想定価格は、C300 MK III(ボディ)が120万円前後、CN10×25は400万円前後。

2015年9月発売の「EOS C300 Mark II」の後継機種。「従来機から基本性能を刷新するとともに、上位機種EOS C500 Mark IIと同じモジュールデザインを採用し、幅広い映像コンテンツの制作に対応した」という。

最大の特徴が、1つの画素出力に対して異なるゲインで出力することにより低ノイズのHDR動画を生成する新開発の4Kスーパー35mm CMOSセンサー「DGOセンサー」の搭載。明暗差の大きい環境でも、像ズレがなく、豊かな階調を持つ4K⁄60pの高画質な映像を撮影することができるという。

新開発の4Kスーパー35mm DGO(Dual Gain Output)センサー。2つのアンプから生成した画像を合成することで、広ダイナミックレンジと低ノイズを両立する

高速処理が可能な映像処理プラットフォーム「DIGIC DV 7」を採用。スロー再生時でも滑らかな映像表現ができる4K/120pのハイフレームレート記録に対応するなど、プロの映像制作に応える多彩な映像表現を備える。なお、2KでセンサーモードSuper16mm(クロップ)時には、180pまで記録できる。

EOS C500 Mark II同様に、ユーザーが撮影現場に応じて自由にカスタマイズできるモジュールデザインを採用。小型軽量を生かしたドローン撮影から、別売の拡張ユニットを装着した複数台のカメラによる撮影まで、さまざまな撮影が行なえる。マウントキット(別売)により、ユーザー自身でEFマウントから、EFシネマロックマウントやPLマウントに交換可能。

映像の情報量を維持しながらデータサイズを軽くできる「Cinema RAW Light」を採用し、外部レコーダーを使用せずにRAWデータを本体内部に記録できる。動画データを圧縮し効率的に記録する「XF-AVC」にも対応する。CFexpress Type Bカード、およびUHS-II規格のSDカードのデュアルスロット仕様。

12G-SDIを始めとした各種入出力端子を標準装備。2種の拡張ユニット(別売)にも対応する。

本体の外形寸法は約153×168×148mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1,750g。LCDモニターやアタッチメント、ハンドルユニット、カメラグリップなどのほか、バッテリーパックやチャージャー、ACアダプターを付属する。

モジュールデザインを採用したことで、前機種から大幅なコンパクト化を実現した

8Kカメラ対応の光学性能と高倍率10倍ズーム。エクステンダー内蔵も

8Kカメラに対応する光学性能と高倍率の10倍ズームを備え、1.5倍のエクステンダーをレンズ本体に内蔵した「CINE-SERVOレンズ」シリーズのEFシネマレンズ。ELマウントのほか、PLマウント版も用意する。

CN10×25 IAS S⁄E1(EFマウント)、CN10×25 IAS S⁄P1(PLマウント)

特殊低分散ガラスを用いたレンズや大口径非球面レンズを採用し、それらを最適配置する独自の光学設計技術により、色にじみや色収差を良好に補正。ズーム全域で画面中心から周辺部まで、8Kカメラに対応する光学性能を達成したという。

1.5倍のエクステンダーを内蔵。エクステンダー使用時でも、8Kカメラに対応する光学性能を維持しており、高品位な8K映像を撮影できるとする。

スーパー35mm相当サイズの大判センサーを搭載カメラに対応し、焦点距離25-250mmをカバーする10倍ズームを実現。内蔵エクステンダー使用時は、ズーム域を焦点距離37.5-375mmに切り替え可能。35mmフルサイズセンサー用レンズとしても使用できる。

着脱可能なドライブユニットを標準装備。ドライブユニットを取り外せば、マニュアル操作が行なえる。EFマウントモデルの場合は、シネマEOSとの組み合わせにより、動画撮影に適した滑らかなAF動作と高い追従性を備える「デュアルピクセルCMOS AF」などが使用できる。

ドライブユニットの着脱に対応