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マランツ、2世代分進化したCDプレーヤ「CD6007」、DAC内蔵アンプ「PM6007」

上からCDプレーヤー「CD6007」、プリメインアンプ「PM6007」

ディーアンドエムホールディングスは、マランツブランドの6000シリーズの新モデルとして、CDプレーヤー「CD6007」、プリメインアンプ「PM6007」を9月中旬に発売する。価格はCD6007が5万円、PM6007が64,000円。

2016年に登場した「CD6006」、「PM6006」の後継モデル。既存モデルは海外でも高い評価を受け、海外では“UK Edition”も作られている。今回のCD6007/PM6007は、このモデルの進化ポイントも踏まえ、「2世代分の進化を経て完成した」モデルだという。

CD6007

CDプレーヤー「CD6007」

DACには、旭化成エレクトロニクスの32bit DAC「AK4490EQ」を採用。上位モデルでも採用実績のあるDACだが、新たにデジタルフィルター切り替え機能を搭載。再生する楽曲や好みに合わせてフィルター1(スローロールオフ)とフィルター2(シャープロールオフ)を切り替えられる。

DAC以降のアナログ出力回路には、ハイスピードで情報量豊かなサウンドを実現するため、フルディスクリート構成とし、独自の高速アンプモジュール「HDAM」と「HDAM-SA2」によってフィルターアンプ兼送り出しアンプを構成。

CDプレーヤー「CD6007」の内部
DACには、旭化成エレクトロニクスの32bit DAC「AK4490EQ」を採用

アナログオーディオ用電源回路には、低電流回路を追加。特に低い周波数帯で大きくノイズレベルを改善、100Hzでは約30dB改善したという。さらに、サウンドマネージャーと音質担当エンジニアによる試作、試聴を繰り返し、細部に至るまで徹底したサウンドチューニングを施すことで、「定評ある6000シリーズのサウンドをさらに一段高いレベルに引き上げた」とする。

左右チャンネル間のクロストークやレベル差はサウンドステージの再現において不自然さの原因となるため、CD6007では左右チャンネルのアナログ出力回路をシンメトリーにレイアウト。等長、平行配置を徹底し、チャンネルセパレーション、空間表現力を高めている。

アナログ回路電源用のブロックコンデンサーは、試作と試聴を繰り返し、新規に開発した2,200μFのエルナー製カスタム・ブロックコンデンサーを採用。

電源部

電源は、トランスからブロックコンデンサーを経由しブリッジ回路へと供給されるが、ブリッジ回路の部分に、ハイスピードなショットキーバリアダイオードを採用。トランスからダイオードまでハイスピードで安定した電源供給が可能という。

アナログ出力回路には、上級機と同様にオーディオグレードのフィルムコンデンサーを使用。金属皮膜抵抗や精密メルフ抵抗、低ESR導電性高分子コンデンサーなど高品位なパーツを新たに採用している。

HDAM-SA2型のディスクリート高速電流バッファーアンプとハイスルーレートオペアンプを組み合わせた本格的なヘッドフォンアンプも搭載。CD6007では、低ノイズ、低歪なオペアンプ「OPA1678」を新たに採用。3段階のゲイン切替機能も利用可能。さらに、ヘッドフォンを接続すると、自動的にヘッドフォン出力回路がONになる機構を採用。未使用時は回路への信号と電源供給がOFFになる。

L/R独立タイプのアナログ出力端子を余裕のある間隔で配置。大型のRCAプラグも容易に接続できる。アナログ出力端子と同軸デジタル出力端子には、経年変化や信号の劣化を防止する金メッキ加工を施し、高品位な接続を実現している。出力端子はアナログRCA×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1。

ハイレゾファイルの再生にも対応。前面にUSB-A入力を備え、USBメモリーに保存した音楽ファイルが再生可能。DSDは5.6MHzまで、PCMは最大192kHz/24bitまでの再生に対応する。

消費電力は32W、待機電力は0.3W。外形寸法は440×341×105mm(幅×奥行き×高さ)、重量は6.5kg。

PM6007

PM6007

プリメインアンプだが、DACを搭載。ネットワークメディアプレーヤーやテレビ、PCなど、デジタル音声出力を持つ機器と直接接続できる。端子は同軸デジタル入力×1、光デジタル入力×2で、PCMの192kHz/24bitまでのデータをサポート。

DACチップは、上位モデルでも採用実績のある旭化成エレクトロニクス製32bitステレオプレミアムDAC「AK4490EQ」を搭載。デジタルフィルター切り替え機能も備え、フィルター1(スローロールオフ)とフィルター2(シャープロールオフ)を切り替えられる。

DAC以降のアナログステージには、HDAMによるローパスフィルター、及び HDAM-SA2による出力バッファーを採用。前述のCD6007のアナログ出力回路と同等の構成となっている。

デジタル入力回路は、周辺回路へのノイズ輻射を遮断するために専用のシールドボックスに封入。デジタル回路の電源ラインには導電性ポリマーコンデンサーを使い、高周波ノイズを低減。デジタル入力が選択されていないときはデジタル入力回路への電源供給を停止し、アナログ入力の音質に影響を与えない設計としている。

デジタル入力回路は、周辺回路へのノイズ輻射を遮断するために専用のシールドボックスに封入

プリアンプ、パワーアンプには、上級機と同様にフルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路を採用。広く、澄み切ったサウンドステージを再現するため、マランツが長年に渡って磨き上げてきた高速、低歪かつ安定度の高い、優れた増幅回路だという。

PM6007では、温度変化に伴うアイドリング電流の変動を抑え、動作の安定性を改善。また、信号ラインにおけるオペアンプICの使用を極力避け、フルディスクリート構成による回路設計を追求。オリジナル高速アンプモジュール・HDAMを適材適所に使用。電流帰還型増幅回路には、HDAM-SA2とHDAM-SA3を組み合わせ、ハイスピードなサウンドを実現している。

オーディオ回路は、左右チャンネルが完全に同じ長さ、対称のレイアウトになるよう設計。「サウンドステージの立体感やきめ細かなディテールの表現力が実現された」とする。

アナログレコードも楽しめるように、MMカートリッジ対応のフォノイコライザーも搭載。新たにJFET入力を採用し、入力部のカップリングコンデンサーを用いない回路構成にする事で、鮮度の高いサウンドを可能にしたとする。

低ノイズ、低歪なオペアンプも採用。「見通しが良く情報量が豊かなサウンドを実現した」としている。

電源部には、変換効率が高く漏洩磁束の少ない大型のトロイダルトランスを採用。シールドケースに封入することで、不要輻射による周辺回路への影響と振動の発生を抑えた。

パワーアンプ用の電源部のブロックコンデンサーには、試作と試聴を繰り返し、新規に開発した12,000μFのエルナー製カスタム・ブロックコンデンサーを採用。ハイスピードで安定した電源供給を可能にした。ブリッジ回路も改良。ハイスピードなショットキーバリアダイオードを採用している。

新規に開発した12,000μFのエルナー製カスタム・ブロックコンデンサーを採用
電源部

音質に特に大きな影響を与える箇所には、上級機と同様にオーディオグレードのフィルムコンデンサーを使用。金属皮膜抵抗や低ESR導電性高分子コンデンサーなど高品位なパーツも新たに採用し、音質を磨き上げた。

スピーカーターミナルはスクリュータイプ。接続が容易なバナナプラグを使用でき、金メッキ加工も施している。2系統の端子を備えており、バイワイヤリングによる高音質化や2組のスピーカーの接続が可能。アナログ入出力端子と同軸デジタル入力端子にも金メッキ加工を施している。

入力端子数は、アナログバランス×4、Phono×1、同軸デジタル×1、光デジタル×2。音声出力には、アナログアンバランス×1、サブウーファープリアウト×1、ヘッドフォン出力も備える。

消費電力は155W。待機電力は0.3W。外形寸法は440×370×105mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は7.8kg。