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NHK受信料の未納に割増金。放送法改正案が閣議決定
2021年3月1日 15:17
総務省は2月26日、NHK受信料を払っていない世帯に対し割増金を課すことができる条項等を加えた「放送法の一部を改正する法律案」を国会に提出し、同日閣議決定されたと発表した。武田総務大臣は閣議後の記者会見において「本法案の早期の成立に向けて全力を尽くし、月額で1割を超える思い切った受信料の引下げにつなげてまいります」とコメントしている。
同法案は、「NHKの受信料の適正かつ公平な負担を図るための制度の整備」を柱としたもの。
具体的には、受信契約条項に関する事項を法定化。「不正な手段により受信料の支払を免れた場合」、「正当な理由がなく規定の期限までに受信契約の申し込みをしなかった場合」について、NHKは受信料および割増金を徴収できるとする事項を新たに設置した(第六十四条第四項)。
'23年度に予定する受信料値下げにつなげるための、還元目的積立金に関する制度も追加。NHKは毎事業年度の損益計算において生じた収支差額が零を上回るときは、当該上回る額の一定額を還元目的積立金として積み立て、その積み立てた額を受信料引下げの原資に充てなければならない旨を明文化した。
また、関連事業持株会社への出資に関する制度も整備。NHKおよびそのグループ会社の業務の効率化を図り、受信料に係る費用の支出を抑制するため、NHKは関連事業持株会社(中間持株会社)に出資できるようになった。
このほか改正案では、ネット動画配信サービスの普及等による放送事業者等の経営状況悪化で責務を十分に遂行できない、業務等を休廃止する場合が生じることを考慮した規定を設置。他の放送事業者等の責務遂行に対してNHKが協力する努力義務や、基幹放送事業者が放送業務の休止・廃止をする際の公表義務規定を盛り込んでいる。