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Adobe Premiere Pro、音声からの文字起こし進化中。テンプレ拡充

Premiere Pro「Speech to Text」機能を使って文字起こししたところ

アドビは、音声からテキストを書き起こしてキャプションを作成するPremiere Proの「Speech to Text」機能について、「早期アクセスプログラム」の申請を受け付け中。Premiere Proを所有しているユーザーは、Webページから申請し、承認されることで同機能を利用できるようになる。

「Speech to Text」は、撮影された動画内の音声を読み込み、Adobe SenseiをはじめとしたAI技術により文章の書き起こし、キャプションの作成までを行なえる機能。日本語にも対応しており、昨年の登場時からさらに精度を向上している。

パブリックベータ版やバージョンに依存した機能ではなく、Webから「早期アクセスプログラム」の申請を提出し、承認された際に、アカウントに直接付与されて使えるようになる機能となっている。なお、承認時や機能付与時にメールなどで通知されることがないため、申請後に各自で確認する必要がある。申請から承認までの期間は明言されないが、「3カ月や1年といった長期にはならない」とのこと。

機能が付与されると編集画面上部に「キャプション」メニューがヘッダーバーに追加される。選択し、「トランスクリプト」タブの「書き起こしを作成」をクリックすることで、作成画面が表示され、オーディオトラックや言語を設定して「録音する」で音声認識が始まる。処理にかかる時間は、「取り込んだ動画の収録時間とほぼ同じくらい」としている。

作成画面にオーディオトラックと言語を設定した「録音する」で音声認識が開始される

認識が完了するとテキストが表示され、ウインドウ内の「キャプションを作成」で、サブタイトルトラックが作成され、動画内にキャプションが表示される。テキストウインドウ上で文章の修正やテキストの結合・分割などが行なえるため、動画上で使った言葉に対して補足を追加することも簡単に行なえる。

「キャプションを作成」をクリックすると表示されるウインドウ。OKでキャプションが自動で配置される
サブタイトルトラックが作成されて、キャプションが入った

キャプションのデザインは「エッセンシャルグラフィックス」パネルから変更できる。文字色や縁の色などが編集できるほか、手描き風フォントなども多数追加されたため、Vlogなどで動画の雰囲気に合わせたキャプションが付けられる。

キャプションのデザインを変更し、表示位置も上に変更された

また、オートリフレーム機能で横型の動画を縦型にした際にも、それに合わせて自動でキャプションを最適化し、縦型に合わせた表示に切り替えてくれる。

縦型に変形すると、キャプションも縦型に合わせた形で表示される

なお、4月時点でキャプション作成機能では割り振った際に、日本語では文頭に「、」、英語では文頭に半角スペースなどが来てしまうことがあることが課題だという。こういった機能の改善点について、ユーザーの意見を反映しながら精度の向上を進めているため、「興味のあるPremiere Proユーザーは早期アクセス申請をして実際に触ってほしい」とした。

エッセンシャルグラフィックスパネルのテキストにグラデーション機能追加など

Premiere Proのほか、Premiere Rush、AfterEffectsにてアップデートも実施。

Premiere Proでは、モーショングラフィックテンプレートにメディア置き換え機能を追加。テンプレートの中に動画を埋め込めるため、動画の内容に合わせたオープニング映像などを手軽に制作できる。

テンプレートを取り込む
テンプレート内に自分の動画を張り込んで動画のオープニング映像を手軽に作成

エフェクトの選択画面では適応後のサムネイル表示に対応。エフェクト適用後のサムネイルが複数表示されるため、使いたいエフェクトを探しやすくなった。

ベータ版ではエッセンシャルグラフィックスパネル内でのテキスト編集機能にグラデーション効果を追加。従来、エッセンシャルグラフィックスパネル内では、文字色はベタ色しか選択できなかったが、今回、アピアランスの塗りを選択すると表示されるカラーピッカーで「線形グラデーション」「円形グラデーション」を選択できるようになった。何色かを組み合わせたグラデーションも作れる。

カラーピッカー内に「線形グラデーション」「円形グラデーション」が追加
紫→緑といった複数色使ったグラデーションも作れる

Premiere Rushではカラープリセットが拡充。より自分のイメージに近いものが選べる様になった。また、従来は調整後の効果を動画全体に反映するためには、プリセットを保存するか、別のシーンでも調整をする必要があったが、今回「すべてに適用」ボタンを新たに搭載。クリックすると全てのクリップに編集した効果を適用できる。

また、変形メニューに水平反転と垂直反転ボタンを追加。見栄えに合わせて使えるほか、鏡を使って撮影して文字が反転してしまった際などにも利用できる機能となっている。

AfterEffectsではリアルタイム3Dドラフトプレビューや3Dグリッドなどに対応し、3D関連を向上したほか、ベータ版ではマルチフレームレンダリングをサポートし、書き出しを高速化している。