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Adobe Premiere Pro、音声テキスト化がオフライン対応&高速化

音声のテキスト化機能

Adobeは8日、ビデオ製品をアップデート。Premiere Proの音声テキスト化がオフラインに対応し、処理も最大3倍高速化を実現。また、ベータ版で提供していたオーディオリミックス機能が正式リリースとなった。

音声のテキスト化機能は、予め言語パックをインストールしておくことで、インターネットに接続していない時にも利用可能になった。言語パックは、英語が標準でインストールされているほか、日本語や他にサポートされている計12言語を選んでインストールできるため、必要なものだけをインストールしてPCの容量を節約できるとしている。

言語パックは、Premiere Pro内もしくはCreative Cloudのデスクトップアプリ経由でインストールできる。言語パックの容量は各言語約650MB。

ネット接続で使う従来のテキスト化と同等の変換精度を実現しているほか、オフラインで完結するため、処理速度も高速化。Intel Core i9-12900KやApple M1システムでは最高3倍の高速化を実現。そのほかの現行プロセッサでも2倍高速化しているという。

リミックス機能が本実装

リミックス機能

ベータ版に実装されていたリミックス機能が本実装。AdobeのAI技術Adobe Senseiが楽曲を分析し、特定の尺に合わせて音声クリップの尺を自動的に変換。尺に収まる新しいリミックスを生成する。BGMを設定する際に、その動画に対して元の楽曲の尺が短い場合や、長い場合でも、指定された再生時間に収まるようにアレンジできる。

メニュー内に追加されたリミックスツール
リミックスツールでBGMの長さを動画まで合わせる
Adobe Senseiが分析後、動画の終わりに合わせて楽曲が終了していくように調整される
波線が入っている部分がリミックス機能で調整された箇所

リミックス機能は、リップルツール内のリミックスツールを選択して利用できる。また、エッセンシャルサウンドパネルのカスタマイズを操作することで、アレンジの調整も可能。様々なアレンジを簡単に試せるという。

そのほか、キヤノンのデジタルカメラ「EOS R5 C」で撮影したビデオ形式(8K HEVCやRAW)に対応。ハードウェアエンコード機能もアップデートし、IntelまたはNVIDIA製GPUを搭載したWindowsのPC上で10bit 4:2:0 HEVCの書き出しが最大10倍高速化を実現。エフェクトのリニアワイプ、ブロックディゾルブがGPU高速化に対応し、より短時間で適用できるようになったほか、編集作業中の再生やレンダリング、書き出しもスムーズになったとしている。

テキストのインライン入力や、多角形ツールの実装も

前回(12月)のアップデートにてテキストのインライン入力に対応。従来、テロップなどを直接入力する際には、別窓に文字を入力し、確定することで文章が編集画面内に表示される仕様だったが、新アップデートにより、編集画面内に設定したフォントや大きさで直接打ち込みが可能に。文字入力と同時に見え方などの確認を同時に行なえるようになった。

従来の入力中の画面。白い枠に一度入力してから動画内に反映される
インライン入力対応後の画面。動画内に直接入力できるようになった

多角形ツールも搭載。従来の長方形ツール、楕円形ツールのメニューに追加され、“整列と変形”のパネル内で角の数を調整できる。

多角形ツールが追加された
整列と変形のパネルから角の数を調整できる

文字の検索と置き換え機能も実装。例えば、音声書き起こし機能で作成したキャプションの口語を文語に変換するといった場面や、毎回使用するオープニング映像から文字情報だけを書き換えたいといった場面などで便利に利用できるとしている。

「VoL1」を検索し、「VoL2」に置き換えした様子