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「ガンダムメタバース」始動。メインコロニーはビルドダイバーズの世界観

「ガンダムメタバースプロジェクト」のイメージ画像
(C)創通・サンライズ (C)創通・サンライズ・MBS

バンダイナムコグループは、「第3回ガンダムカンファレンス」を開催。ガンダム事業統括者である藤原孝史チーフガンダムオフィサー(CGO)が登壇し、ガンダムのIP(キャラクターなどの知的財産)価値を向上し、SP(社会的アイコン)として成長させるための構想として、ワールドワイド戦略軸、作品軸、サステナブルプロジェクトのGUDA軸でそれぞれの展望を説明した。

バンダイナムコグループでは、IPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、社会と常に向き合い、深く、広く、複雑につながる存在を目指す中期ビジョン「Connect with Fans」を4月より掲げる。

ワールドワイド戦略軸では、このビジョンのもと、重点戦略の1つである、IPでファンとつながるための新しい仕組み「ガンダムメタバースプロジェクト」について、今後の展望を発表した。

メタバースプロジェクトでは、世界中のガンダムファンが集い、語り合い、さまざまなカテゴリーのコンテンツに出会い、ふれあう場の創出を目指す。まずは「ガンプラ」「esports」「アニメ」「音楽」といったカテゴリーごとのバーチャルコミュニティを創出。それらをバンダイナムコ IDで連結することで、最終的にメタバース空間の完成形に至るという。

(C)創通・サンライズ

カテゴリーごとのバーチャルコミュニティは、ガンダムの世界観になぞらえ、仮想空間という広大な宇宙にあるスペースコロニーとし、それらを繋いだメタバース空間を「ガンダムメタバース」宙域である「SIDE-G」と名付けるとしている。

まずはガンプラに関わる体験を提供する仮想空間「ガンプラコロニー」を展開。2021年にテスト運用を行なった、世界中どこからでも遊びに行くことができるバーチャルガンプラエンターテインメント総合空間「ガンダムベースバーチャルワールド」を、「ガンダムベースガンプラコロニー店」として正式サービスインを目指し、今秋に期間限定テストオープンする。

ガンダムベースバーチャルワールド
(C)創通・サンライズ

バンダイナムコ IDによるマイルーム機能を実装し、ガンプラの作品を通したコミュニティーを形成するほか、ガンプラをスキャンして戦える「ガンプラバトル」や「ガンプラコンテスト」の開催、ガンプラオンライン講座など、デジタルとフィジカルを融合させたエンターテインメント区画を充実させ、「ガンプラコロニー」の完成を目指す。

また2023年に「esportsコロニー」の完成を目指し制作中。皮切りのタイトルとして、2022年内にesportsに特化したガンダム初のFPSゲーム「GUNDAM EVOLUTION」を正式稼働する。「ガンダムという作品の魅力を最大限に生かしつつ、FPSゲームとして最高峰の楽しさを提供するという2つの要素を高次元で両立させる」という。

6vs6のオンラインマルチプレイ「機動戦士ガンダム バトルオペレーション2」と合わせ、日本国内だけでなく海外にも広く展開し、世界中のユーザーが参加できるゲームコミュニティを目指すとしている。

また、GUNDAM EVOLUTIONは正式稼働に先駆け、4月8日よりPC版のネットワークテストを日米同時に実施予定。

「GUNDAM EVOLUTION」
(C)創通・サンライズ
「機動戦士ガンダム バトルオペレーション2」
(C)創通・サンライズ

SIDE-Gの実現にあたり、総合的な「メインコロニー」の企画も進行中。「ビルドダイバーズ」で描かれたような、自分だけのガンプラ、モビルスーツに乗り込める世界を届けられるよう、技術開発を進めているとしている。

また、メタバースプロジェクトの一環として、C to Cビジネスの促進を目指し、バンダイナムコグループ以外の企業によるガンダムビジネスへの参入促進、また、一般ユーザーによるガンダムを活用したビジネス可能な場の提供を目指し、ガンダムにおける UGC(User Generated Content)を許諾する。

キャラクターの権利が保全されたメタバースを構築し、本取り組みを実施することで、「新たなガンダムのビジネスが生まれ、ファンと共創したガンダムIPのさらなる拡大につながることを期待している」とした。

令和初のナンバリング作品「水星の魔女」は女性主人公

「機動戦士ガンダム 水星の魔女」ティザービジュアル
(C)創通・サンライズ

作品軸については、10月よりMBS/TBS系にて日曜日17時から放送するTVアニメ最新作の「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のティザービジュアルとティザーPVを公開。藤原CGOは、「令和初となるナンバリング作品として、ガンダムとして根幹にあるメッセージは踏襲しつつ、女性主人公という新しい世界観をお見せできれば」と述べた。詳細は別記事を参照のこと。

TVアニメ新作「機動戦士ガンダム 水星の魔女」ティザー&PV公開

「ガンダムオープンイノベーション」第1弾採択パートナー発表

GUDA軸では、社会課題に対してガンダムと未来技術を掛け合わせることにより未来の夢と希望を現実化するプログラム「ガンダムオープンイノベーション」の採択パートナーを発表した。

地球上でのロボット開発で農業支援など様々な環境での課題解決を目指すロボットユニットは、横浜の動くガンダム立像にも携わった乃村工藝社とアスラテックの2社によるチームBALL。

エネルギー課題の解決を目指し、廃プラスチックをロケットエンジンの燃料として活用することを掲げるロケットエンジンユニットは、神奈川大学宇宙ロケット部とSPACE WALKERを採択した。

都市・コミュニティユニットには、大分空港を宇宙往復の拠点として活用する宇宙港を進めている大分県と、社会学の見地から宇宙世紀における持続可能な社会を目指す大和大学社会学部、アバターの技術でコミュニケーションの進化を目指すavatarinを採択。

宇宙進出における総合的なシステムの研究開発と月面における研究開発を行なう宇宙・月面探査ユニットは、高砂熱学工業、東京理科大学 スペースシステム創造研究センター。宇宙環境での医療課題解決や、その際の倫理課題の解決を目指す医療・倫理ユニットには、慶應義塾大学、国際医療福祉大学 成田病院を採択した。

課題解決に向け、他ユニットへの素材提供を行なう素材開発ユニットには、自然科学研究機構 核融合科学研究所と東北大学による、チーム宇宙世紀の矛と盾を採択。また、インフラ支援を行なうサポートチームとして、NTTデータSBC、日本マイクロソフトを採択している。

各採択パートナーとのアクションプランについては現在検討中となっているほか、今回発表されたパートナーは第1弾とし、このほかにも、選考中の企画があるという。今後順次発表予定となっている。

また、バンダイナムコグループとして出展が決定した「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の「ガンダムパビリオン(仮称)」にて、一部の企画の成果を発表し、宇宙世紀宣言を掲げることを目指すとした。

採択パートナー一覧
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