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パナソニック、イネーブルドSP搭載のミドル4K有機EL「LZ1800」

55型「TH-55LZ1800」

パナソニックは、自社設計・製造の4K有機ELディスプレイとイネーブルドスピーカーを搭載したビエラ「LZ1800」シリーズを6月17日に発売する。65型、55型、48型の3サイズをラインナップ。価格はすべてオープンプライスで、店頭予想価格は31万円前後(48型)から。

4K有機ELビエラ「LZ1800」
・65型「TH-65LZ1800」 約49万円 6月17日発売
・55型「TH-55LZ1800」 約36万円 同上
・48型「TH-48LZ1800」 約31万円 同上

4K有機ELビエラのフラッグシップである2000番シリーズと、スタンダードである1000番シリーズの“中間”に位置する新シリーズ。

ミドルレンジではあるものの、'21年発売の最上位JZ2000と同じディスプレイ構造や高さ方向の音を再現するイネーブルドスピーカーを採用するなど、上位モデル同等の画質・音質を盛り込んでいるのが特徴。AI技術による自動画質・音質調整のほか、4K120p/VRRなどのゲーミング向け機能もサポートしている。

同日発表の新しいフラッグシップ「LZ2000」シリーズとの主な違いは、有機ELパネル、スピーカー構成、スイーベル機能の有無など。画質関連の技術や信号処理、チューナー数入出力のインターフェイスなどの基本的な部分は変わらない。

LZ1800シリーズ。左から65型、55型、48型

2021年の最上位JZ2000と同じディスプレイ構造

パナソニック独自の設計・組み立てを施した、有機ELディスプレイを採用。解像度は4K/3,840×2,160ドット。

最大の特徴は、2021年発売の最上位JZ2000シリーズと同じ「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」の採用。バックカバー一体型放熱プレートと独自素材を用いた貼付け構造とすることで放熱性能を最適化。「JZ2000に近い性能」(同社担当)と表現する、高い明るさとコントラストを実現した。

なお、独自設計・組み立ては65型と55型のみ。48型はパネルメーカー標準の放熱構造・素材が使われている。

LZ1800のパネル構造(48型除く)。上位LZ2000は高輝度有機ELパネルを採用している

画素単位で明るさや色の情報を個別で制御する、独自のパネル制御「Dot Contrast パネルコントローラー」を搭載。画面の中の明るさの分布と入力信号情報をエリア毎に解析しパネル制御に反映することで、高コントラストと豊かな色表現を実現したという。

65型「TH-65LZ1800」
TH-65LZ1800
TH-65LZ1800

100万を超える映像のシーンから構成される学習用データベースを基に、ディープラーニングを活用してAIが学習&生成したシーン認識アルゴリズムを使い、シーンに最適な画質・音質処理を施す「オートAI」機能を搭載。

LZ1800シリーズでは、シーンをより細分化して解析することで、従来よりも認識精度を向上したシーン認識アルゴリズムを導入。例えば、トークと演奏シーンが混在するような音楽番組など、従来正しく認識できていなかった場合でも、最新のアルゴリズムでは最適な補正が行なえるという。

オートAIの動作イメージ

ディスプレイ下部には「環境光センサー」を搭載。テレビを設置した部屋の明るさや照明の色などをセンシングし、オートAIの自動画質調整にフィードバックすることで、様々なコンテンツに対し自動で自然な画調に変更できるようになっている。

オートAI音質に関しても、シーンに応じて理想的な音場と音質に自動的に調整。スポーツのシーンではスタジアムの臨場感を、ライブなら会場の迫力さながらに、そしてニュースシーンの場合は、音を画面中央に定位させて声をはっきりと聞き取りやすく調整してくれる。

環境光センサーを連動させた、オートAI画質の動作イメージ

有機EL専用の映像処理回路「ヘキサクロマドライブ プラス」を搭載。業務用マスターモニターにも採用されている色補正技術3次元カラーマネジメント回路「ダイナミック 3D-LUT」のほか、HDR10/HDR10+コンテンツの入力時にシーンに応じてHDRトーンマッピング処理を動的に変化させる「ハイブリッドトーンマッピング」を採用。高輝度域でも色鮮やかで、階調豊かな映像を実現した。

映像処理回路「ヘキサクロマドライブ プラス」

素材解像度検出処理により、4K放送から地デジ、ネット動画などの映像を4K高精細化する「4Kファインリマスターエンジン」では、映像信号を部分ごとに情報量や輝度を解析。さらに時間軸方向の前後の映像もあわせて参照することで、ノイズとディテールを高精度に判別。ノイズを抑制しながら映像の精細感をさらに高め、高い質感とノイズレスな画質を両立しているという。

4Kファインリマスターエンジン

AIによる機械学習を活用した「AI HDRリマスター」においては、4K放送のHLG素材、UHD BDや配信動画のHDR10/HDR10+素材の画質向上を図るべく、最新の画質処理アルゴリズムを搭載。

コンテンツ信号に含まれる明るさ情報を解析し、シーンに応じて明るさやコントラストを適切に高画質化処理することで、高コントラストに表示できるように工夫。ダイナミックメタデータクリエーションに関しても、最新処理でパネル輝度を最大化。HDRらしさを増した高コントラストな画質の実現した。

なお、サポートするHDRは、HLG、HDR10、HDR10+、Dolby Visionの4方式に加え、視聴環境にあわせて高画質処理を行なうHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQ、静止画用のHLGフォトに対応する。

ゲーム専用UI「ゲームコントロールボード」搭載

48型「TH-48LZ1800」

HDMI2.1規格の4K120p入力に対応する「ゲームモード エクストリーム」を搭載。

PlayStation 5やXbox Series X、PCの4K120p映像を表示することができるほか、入力機器からの情報に連動して自動的に低遅延のモードに切り替える「ALLM」、映像ソースのフレームレートとディスプレイのリフレッシュレートのズレによって発生する“画面割れ”を防ぐ「VRR」、AMD製グラフィックスカードと接続した際に低遅延・ティアリングの無いスムーズなゲームプレイができる「AMD FreeSync Premium」もサポートした。

ゲーミング向けのUI「ゲームコントロールボード」

ゲーミング向けのUI「ゲームコントロールボード」を搭載。ゲームプレイ時に映像のフレームレートやHDRメタデータなどのソース情報を表示できるほか、映像の暗部を調整して映像の陰の部分を見えやすくする「暗部視認性強調」など、ゲームプレイに特化した機能も備える。

イネーブルドスピーカー搭載の「360立体音響サウンドシステム」

音質面では、イネーブルドスピーカー、フルレンジスピーカーによる「360立体音響サウンドシステム」を採用。

テレビ背面上部に搭載したイネーブルドスピーカー(15W×2)は音を天井に反射させることで、立体的で臨場感ある音を生み出すと同時に、音像を画面中央に移動。イネーブルドスピーカーの働きにより、高さ方向の音をリアルに再生し、音の位置をより正しく再現することで、立体音響技術Dolby Atmosも存分に楽しめるとしている。

65型と55型のみ、画面中央部に迫力ある低音を生成する大容量ボックス型ウーファーとパッシブラジエーターを搭載、音の臨場感をより高めている。実用最大出力は65・55型が80Wで、48型が60W。

LZ1800のスピーカー構成

動画配信サービス「Apple TV+」も対応。スイーベルは非対応

BS4K・110度CS4Kチューナーを2基、地上/BS・110度CSチューナーを3基搭載しており、別売のHDDを接続する事で裏番組録画が可能。2K放送、または4K+2K放送の2番組同時録画に加え、4K放送のダブル録画が可能。2画面機能も備える。

Bluetooth方式の新リモコンを採用。

動画配信サービスのダイレクトボタンは、Netflix、Amazon Prime、Hulu、U-NEXT、ABEMA、YouTube、Disney+、Paraviの8つ。リモコンの[マイアプリ]ボタンにも配信サービスの割り当てが可能。アプリ一覧から操作すれば、TVer、dTV、デジタル・コンサートホール、DAZN、スカパー! オンデマンド、TELASA、DMM.com、ひかりTV 4K、Rakuten TVなどが視聴できる。

また、動画配信サービス「Apple TV+」も楽しめるほか、照度センサー情報を“Netflix画質モード”に反映することで室内環境に合わせた画質調整を行なう機能も盛り込まれている。

リモコン

音声操作は、ビエラ音声操作、Googleアシスタント、Amazon Alexaが選択可能(使用時はいずれか1つを設定)。リモコン中央にあるマイクボタンを押して発話すると、音声でコンテンツの検索やテレビの基本操作が行なえる。

地震に強く、倒れにくい吸着機能付きの転倒防止スタンドを引き続き搭載。スタンドの吸着操作スイッチでスタンド底面の吸盤を接地面に吸着させることで、強い揺れでも倒れにくい構造としている。

なお、上位モデルとは異なり、スイーベル機能は搭載しない。

HDMI入力は4系統搭載。うち入力1・2は4K120pまで、入力3・4は4K60pまでサポートする。eARC/ARC対応は入力2のみ。

HDMIの他には、ビデオ入力×1、光デジタル音声出力×1、サブウーファー端子兼用ヘッドフォン×1、LAN×1、USB×3を備える。USB1端子のみUSB 3.0に対応。無線LANを内蔵。Bluetoothは送受信をサポートし、テレビの音を2台まで同時送信できる。

消費電力と年間消費電力、外形寸法、重量は以下の通り。

【消費電力と年間消費電力】
・TH-65LZ1800:382W 217kWh/年
・TH-55LZ1800:304W 175kWh/年
・TH-48LZ1800:243W 140kWh/年

【スタンドを含めた外形寸法と重量】
・TH-65LZ1800:144.8×30.3×88.9cm(幅×奥行き×高さ) 約24.0kg
・TH-55LZ1800:122.7×30.3×76.5cm(同) 約21.0kg
・TH-48LZ1800:106.9×25.0×67.6cm(同) 約21.0kg

背面(65型)