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デノン、A110の技術を大量投入したUSB DAC内蔵アンプ「PMA-1700NE」

PMA-1700NE

デノンは、Hi-Fiオーディオのミドルクラス新製品として、USB DAC機能も搭載したプリメインアンプ「PMA-1700NE」を5月下旬に発売する。価格は218,900円。

PMA-1700NE

PMA-1600NEの後継モデル。PMA-1600NEは173,800円で、PMA-1700NEは後継機ながら約4万円ほど値上がりしているが、上位の110周年記念モデル「PMA-A110」(393,800円)と同じ増幅構成やパーツを採用したり、USB DAC部分に、PCからのノイズを遮断するアイソレーターを投入するなど、各部の進化により音質も大幅にグレードアップ。上位モデルのPMA-2500NEに迫る存在として新たに登場する。

「繊細さと力強さ」を高い次元で両立するために、出力段には微小領域から大電流領域までのリニアリティに優れ、大電流を流すことができるUHC-MOS(Ultra High Current MOS)FETをシングルプッシュプルで搭載。

多くの素子を並列駆動して大電流を得る手法では、素子の性能のバラツキが音の濁りに繋がるため、シングルプッシュプルにこだわって開発された。

内部
パワーアンプ部分

PMA-1600NEは、ハイゲインアンプによる一段増幅を採用していたが、PMA-1700NEではPMA-A110の構成に準じ、発振に対する安定性に優れる差動2段アンプ回路を採用。“FLAT AMPとPOWER AMP”の2段構成となっている。FLAT AMPを持たないPMA-1600NEのような固定利得のアンプは、ボリュームの位置でアンプの動作が変わらないという利点があるものの、入力抵抗の熱雑音を常用のボリューム領域でもフルゲインで増幅してしまうという欠点もある。

前モデルのPMA-1600NEも、固定利得アンプ(45.5dB)を応用しており、入力抵抗のノイズもフルゲインで増幅してしまっている。

新モデルのPMA-1700NEでは、FLAT AMP部の可変ゲインアンプを適用し、ゲインをダウンさせている2段構成方式とする事で、通常のリスニングで使うボリューム領域ではゲインをダウン(最大-16.5dB)。これにより、ノイズも低いレベルに抑えられている。

プリアンプ部分

定格出力は、70W×2(8Ω)、140W×2(4Ω)。ボリューム部分には、A110で初めて採用した電子ボリュームと同じものを採用。機械式ボリュームで問題となる、高減衰領域でのギャングエラーを回避。長寿命であり、空気中のガスなどの影響による接触不良などが起きにくいという利点もあるという。

この電子ボリュームと電子トーンコントロールを組み合わせ、信号経路の短縮「ミニマムシグナルパス」も実現した。

MM/MC対応のフォノイコライザーも搭載。パーツレイアウトを見直すことで、SN比の改善を図っている。

USB DAC回路は、ハイレゾデータは、11.2MHzまでのDSD、384kHz/32bitまでのPCMが再生可能。他のデジタル/アナログ回路と電気的に絶縁。パソコンからのノイズを遮断する、アイソレーター回路を投入。他の回路の音質劣化を防いでいる。さらに、USB DAC部分のGNDも、他の回路と分離している。

これにより、USB DACの電源、回路、GNDが独立。外部PC、USB用の専用電源を装備するカタチになっており、トランスの絶縁された専用巻線により、関連部を駆動している。

デジタル・オーディオのボード
パソコンからのノイズを遮断する、アイソレーター回路を投入

DACの回路も新開発。超低位相雑音のクロックを、DAC直近に設置するレイアウトする「マスタークロックデザイン」を採用。4層基板になっているほか、DAC回路は対称性も重視。デジタル回路はシールドケースに封入している。

DAC部分

光・同軸デジタル入力も備え、テレビなどと接続する事も可能。外部ソースからの入力信号を検出すると自動的に電源が入る自動再生機能も搭載する。

2種類のアナログモードも搭載。アナログモード1に設定すると、デジタルオーディオ回路がオフになり、繊細なアナログ入力信号への干渉を防ぐ。アナログモード2の設定中はディスプレイ表示も消灯し、純粋なアナログアンプとして動作する。

デノンのサウンドマスター・山内慎一氏が、ハイエンドモデルの開発時に、パーツメーカーと共同で開発した様々なカスタムコンデンサー「SYコンデンサー」を各部に投入。高価なカスタムフィルム系コンデンサーもふんだんに使っている。さらに、ブロックコンデンサーには、新規に開発したカスタムコンデンサーを採用した。

背面

入力端子は、アナログアンバランス×3、Phono×1、EXT. PRE×1。出力端子は、アンバランス×1、ヘッドフォン×1。

スピーカーターミナルはA、Bの2系統装備。外形寸法は434×410×135mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は17.6kg。消費電力は295W。