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FMアンテナからのRF信号を直接デジタル変換“フルデジタルFMチューナ”

「C-FT1000」

ミュージックバードのチューナーなどを開発・販売している港北ネットワークサービスは、アンテナからのRF信号を直接A/D変換し、デジタル信号処理を行なうRFダイレクトサンプリング方式を採用したFMチューナー「C-FT500」「C-FT1000」のクラウドファンディングを、GREEN FUNDINGにて開始した。価格はC-FT500が218,000円、C-FT1000が318,000円だが、C-FT500は13%オフの188,000円で、C-FT1000は9%オフの288,000円で購入できるプランなどが数量限定で用意されている。

クラウドファンディングの締切は11月18日で、配送予定は2023年1月以降。

radikoの普及によりラジオを楽しむ人が増えるなか、さらなる高音質を求めるリスナーに向けて「得意のデジタル技術とアナログアンプで培ったオーディオ技術を融合させ、理想を追求した」というFMチューナーで、これまでのFMチューナーと比べると「S/N比、ステレオ分離度、歪率など全ての指標において最高の受信性能を有する」という。

RFダイレクトサンプリング方式を考案した林輝彦氏が監修。受信した電波を直接FPGAに入力し、以降の処理をすべてデジタルで行なう。このデジタル処理により、刻々と変化する受信状況に対応しながらマルチパスを除去するマルチパスキャンセラーも搭載した。

なお、こうしたフルデジタル処理の恩恵を十分に得るには、強いシグナルレベルが必要とのこと。ただし、しっかりとした入力があったときの効果はアナログチューナー以上といい、85dBf入力時のSN比は85dB(ステレオ)とCDに迫るスペックを実現した。

チューナー回路からの出力音声信号は192kHz/24bitのデジタル音声信号。この信号は搭載する同軸デジタル出力(48~192kHz)や光デジタル出力(48~96kHz)からそのまま出力できるほか、上位モデルのC-FT1000ではESS製「ES9038PRO」DACチップを使って、高品位を保ったままアナログ出力することもできる。なお、C-FT500とC-FT1000の違いはDAC回路のグレードのみで、FM受信回路は同等のものを搭載している。

リザーブ電源は、1983年に誕生したNECのプリメインアンプ「A-10」のリザーブ電源を開発した萩原由久氏がC-FT1000用にカスタマイズ。通常のトランス電源と比べて3分の1以下の変動電流に留め、極めて安定した電源をアナログ回路に供給する。高周波を扱うチューナー部には別の電源トランスを搭載し、アナログ音声へのノイズを徹底的に排除している。

シャシーは、ブランドバッチや、削り出しのフロントパネル、厚手の鋼板筐体から真鍮の3点脚まで、すべてを国内で製造。こちらもA-10にならったメカニカルグランドコンストラクションの思想で設計されている。フロントパネルは5mm厚でC-FT1000ではシャンパンゴールド、C-FT500ではプラックのアルマイト加工を施した。

周波数特性は10Hz~15kHz(+0.1dB、-0.5dB)、受信周波数範囲は76.0~95.0MHz(0.1MHzステップ)。上述のデジタル音声出力のほか、アナログ出力としてC-FT1000でXLRバランス(100Ω)×、RCAアンバランス(50Ω)×1を、C-FT500ではRCAアンバランス(50Ω)×1を備える。

消費電力はC-FT1000が15W、C-FT500が14W。外形寸法は共通で430×320×80mm(幅×奥行き×高さ)、重さはC-FT1000が7.8g、C-FT500が7.5kg。