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Polk Audio、50周年記念で音質を高めた限定スピーカー「R200AE」

50周年を記念したアニバーサリースピーカー「R200AE」

ディーアンドエムホールディングスは、Polk Audioのブランド50周年を記念したアニバーサリースピーカー「R200AE」を12月に発売する。価格はペアで176,000円。全世界1,000ペア限定で、日本への割り当ては150ペアとなっている。

1971年、お金は無いが、情熱はあった3人の青年が、“学生の自分たちでも買える良いスピーカーを作ろう”と家のガレージでスピーカー開発を開始。そして1972年に、マシュー・ポーク、ジョージ・クロッパー、サンディ・グロスの3人でPolk Audioを創業。1975年にはモニター7と呼ばれる製品を完成させ、これが大ヒット。その後も人気モデルを世に送り出し、生産ラインを持てるようになり、オーディオメーカーとして躍進。2000年以降には米国トップシェアのスピーカーブランドへと成長した。

その後、2017年に、デノンやマランツブランドでお馴染みのディーアンドエムホールディングスと統合。2020年に日本市場へ本格的に再参入。日本市場よりも大きな米国市場に向けて、多数のスピーカーを販売しているため、コスト削減効果の強みを活かし、ハイパフォーマンスながら低価格なスピーカーをラインナップ。日本市場でも人気が高まっており、2022年8月には市場シェア10%、ブランド別シェアでは3位に躍進している(いずれもGFK調べ)。

そんなPolk Audioが今年で50周年。それを記念して開発したのが、ブランドを代表するモデルである「R200」(ペア103,400円)をベースとした、アニバーサリーモデル「R200AE」(176,000円)となる。

左3つがR200で、White、ブラック、ブラウン仕上げがある。一番右がR200AEだ

R200とR200AEの違い

外観的な違いは、エンクロージャーの仕上げ。R200は高級ビニールクロスのシートを貼っているが、R200AEは天然木の突き板仕上げで、チェリーウッドを使っている。

天然木の突き板仕上げになったR200AE
左がR200のブラウン、右がR200AE

内部にも手が加えられており、ネットワークにより“クラスを超える”という高品位なパーツを多数投入。通常モデルは、チョークコイルにおいて、容量が大きなものはコア入りのコイルを使っているが、R200AEでは全て空芯コイルを採用。

フィルムコンコンデンサーと電解コンデンサーの使い方にも違いがある。通常モデルは、音質的に重要な部分にはメタライズドポリプロピレン、それ以外の部分にはメタライズドポリエステルコンデンサーをと、使い分けているほか、低音用の大きな容量が必要な部分には電解コンデンサーを採用している。

ネットワーク回路に大きな違いがある

ツイーターに関わる部分は、全て特性の良いメタライズドポリプロピレンコンデンサーを採用。それ以外のコンデンサーは、電解コンデンサーも含めてメタライズドポリエステルを使用している。

また、抵抗のパーツにもこだわりがある。容量的には5Wのセメントタイプを搭載すればよく、通常モデルもその抵抗を採用しているが、R200AEではあえて10Wのセメント抵抗に変更。抵抗に電流が流れると発熱し、抵抗値が上昇すると、本来入力信号に応じて、出る音も大きくならなければいけないところ、多少頭打ちになってしまう。そうならないように、あえて倍の容量の抵抗を採用したという。

他にも、ネットワーク上の端子部分の仕上げを、錫メッキから金メッキに変更。

さらに、背面にマシュー・ポーク氏のサインとシリアルナンバーが刻印され、初期のPolk Audioのロゴマークも入ったプレートが取り付けられている。

背面にマシュー・ポーク氏のサインとシリアルナンバーが刻印されたプレート
スピーカーターミナルは金メッキ仕上げ

R200と共通する特徴

ユニットのサイズや素材など、基本的なスペックはR200とR200AEで違いはない。

1インチのツイーターと、6.5インチのウーファーを採用した2ウェイブックシェルフで、エンクロージャーはリアのバスレフ型となる。

ツイーターには、ピナクル・リング・ラジエーターを採用。高域エネルギーの拡散性を改善するために、中央に尖ったウェーブガイドを装備。広いスイートスポットが得られるほか、徹底的にダンプしたリアチャンバーにより、不要な共振も解消している。

ピナクル・リング・ラジエーター採用のツイーター

6.5インチのウーファーは、人間の耳が特に敏感な中音域を自然に再現するために、振動板に独特の窪みがある「タービンコーン」を採用している。

この振動板は溶けた樹脂を金型でプレスして作るインジェクション成型だが、その際、樹脂に発泡剤を混ぜており、金型と接触する表面と裏面は圧力が高いためほとんど発泡せず、表と裏に挟まれた真ん中の部分だけが発泡する。これにより、振動板として高い剛性と、適度な内部損失が得られている。

タービンコーンウーファー

背面のバスレフポートには、「Xポート・テクノロジー」を投入。ポートの中央に円筒形のパーツが入ったもので、円筒形の一部に穴が開いている。これは、特定の周波数の音を、反共振で取り除くように設計されており、バスレフポートから出てほしくない、低音以外の音を取り除く効果がある。

「Xポート・テクノロジー」を投入したバスレフポート

外形寸法は190×354×359mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は9.8kg。