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デノン、“日本人のためのSACD/CDプレーヤー”「DCD-1700NE」
2023年1月10日 17:00
デノンは、SACDプレーヤーの新モデル「DCD-1700NE」を1月27日に発売する。価格は198,000円。SACDは2chのみで、マルチチャンネルには非対応。
10~15万円のHi-Fiカテゴリーで、3年連続ミドルクラス1位を堅持(GFK調べ)していた「DCD-1600NE」の後継機種がDCD-1700NEとなる。型番としては順当な後継機種だが、デノンによれば、廃番、つまり後継機種は作られなかった可能性もあったという。
それは、世界的に音楽の“パッケージメディアから配信へ”という市場の変化が起こり、CD/SACDプレーヤーの需要が減少しているため。一方で、日本ではジャケットも含めてアート作品としてCD/SACDソフトを所有したいというニーズが根強い。
開発したオーディオ機器は日本だけでなく世界市場でも販売するため、「日本だけでニーズがある」という状況では新製品の開発が難しい。そこで、日本のオーディオファンのディスクメディアへの想い、所有する喜びなどを粘り強く訴えることで、製品化にゴーサインが出た。こうした経緯から「日本人のためのDCD-1700NE」と紹介している。
前モデルDCD-1600NEは、デノンの山内慎一氏がサウンドマスター(旧称サウンドマネージャー)に就任し、「本当に好きなことをやった初めてのシリーズ」の中の1モデルであり、「当時の新世代プレーヤーとしてかなり思い切った開発をした」という。
後継モデルDCD-1700NEの開発にあたっては、そのDCD-1600NEをどう超えるか? が焦点となる。そこで、ハイエンドシリーズ「SX1 LIMITED」で用いた手法を採用。音質にかかわる箇所のパーツを80以上刷新し、山内氏が求める「ViVid & Spacious」なサウンドを実現したという。
オペアンプは、15種類から試聴して吟味。安定調達できるかどうかも考慮して選び、結果的に、DCD-1600NEよりも大幅にグレードとコストが上がったが、音質的に優れるTI製のものが選ばれた。
コンデンサーには、LIMITED用に開発された肌色の独自コンデンサーを採用。パーツメーカーからは当初難色を示されたというが、粘り強い交渉で、多くの箇所に使用できたという。
さらに、山内氏が手掛けたSYコンデンサーを始めとして、SXコンデンサー、NEコンデンサーと、様々なコンデンサーを要所に投入。その結果、LIMITEDに類似したアサインになったという。
抵抗やインダクタ、デジタル電源、デジタルボードのコンデンサーも変更や新規採用。さらに、デジタル系ノイズ対策部品を25個追加した。フィルム状のケーブルで、デジタル系の信号を扱うFFCケーブルの長さを最適化。ワイヤリングも最適化したほか、トランスを固定するネジを銅に変更するといった細かい調整も行なわれている。
全体のパフォーマンスをアップさせるために、ネジの種類やノッチの有無、ワイヤリング等についてもチューニングした。この過程で、あらゆるパーツを再評価、新規評価したが、それが膨大なノウハウの蓄積になったという。
ドライブメカ部分には、オリジナルの「Advanced S.V.H. Mechanism」を搭載しているが、これをさらにブラッシュアップ。使用していない部品を取り外し、クロック信号がデジタル回路に行かないようにするなど、DCD-1700NE専用にリファインしている。
さらに、上位モデルのDCD-2500NEと共通化されていたオーディオ基板と電源基板にも手を入れた。DCD-1600NEでは使用しないパターンがあったため、余分なパターンを削除。DCD-1700NEに最適化したパターンに書き直した。デジタル基板は4層、アナログ基板は2層とすることで、信号経路も短縮化している。
また、トップカバーの取付方法を、上位機のDCD-A110と同様に、固定用のビスの数を減らしている。
独自のアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing Plus」も搭載。CD再生の場合、44.1 kHz/16bitのPCM信号を705.6kHz/32 bitへとアップサンプリング・ビット拡張する。DACチップは32bit対応のものを採用。差動電流出力タイプで、ノイズに強く、I/V変換回路での独自の音作りが可能になるというメリットがある。
DACをマスターとしてクロック供給を行い、デジタル回路を正確に同期させるDACマスター・クロック・デザインを採用。マスタークロックをDACチップの間近に配置することで余分なジッターの発生を抑え、高精度なD/A変換を実現。
さらに、周波数の変位である位相雑音を大幅に低減した超低位相雑音クロック発振器を搭載。44.1kHzと48kHzで別に2個のクロック発振器を搭載し、音源のサンプリング周波数に合わせて切り替えることでジッターを極小化している。
「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」と呼ばれる制振構造を採用。振動源である電源トランスをフットに近づけて配置することで不要な振動を外部へと逃がし、周辺回路への影響を防ぐもので、もっとも大きな質量を持つパーツであるドライブ・メカを筐体中央部に配置して低重心化。ディスクの回転による内部的な振動や外部から受ける振動の影響も効果的に抑制している。
堅牢なドライブ・メカや電源トランス、シャーシの大きな重量を支えるフットには、高密度で高剛性なリブ入りフットを採用。プリメインアンプにも使用されているフットによって防振効果をさらに高め、入念な音質チューニングも施した。
出力端子はアナログRCA、同軸デジタル、光デジタルを各1系統装備。消費電力は24W。外形寸法は344×384×135mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は9kg。L/R独立タイプのアナログ出力端子は、余裕のある間隔で配置。大型のRCAプラグを使用したケーブルも容易に着脱できるという。アナログ出力端子と同軸デジタル出力端子は金メッキ仕上げ。
発売記念で高音質ケーブルをもれなくプレゼント
対象モデルを期間中に購入すると、AudioQuestのケーブルがもれなくプレゼントされるキャンペーンも実施する。
対象モデルは、SACDプレーヤー「DCD-1700NE」、プリメインアンプ「PMA-1700NE」。対象購入期間は1月10日~3月1日、応募締め切りは3月6日23時59分まで。
プレゼントされるのはインターコネクトケーブルの「Golden Gate/1.5m/RCA(GOLDENGATE/1.5M/RCA/11,000円)か、USBケーブル「USB Cinnamon 2/1.5m(USB2/CIN/1.5M/13,200円)で、どちらかを選ぶ。詳細はデノンのページを参照のこと。