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ソニー、「耳の周りの骨が振動しない」ランニングヘッドフォン

「Float Run」

ソニーは、クラウドファンディングを行なった、耳にハウジングを直接挿入しない“オフイヤースタイル”のヘッドフォンを「Float Run」として製品化し、2月3日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は20,000円前後。カラーはブラックのみ。

耳にハウジングを直接挿入しない形状で、ランニング時に快適な装着感を実現するというヘッドフォン。2021年11月にクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で支援を募り、開始から5時間で目標の300台を突破する人気ぶりだった。

耳の前にスピーカー部が浮く“オープンイヤースタイル”を採用している

最大の特徴は、耳の前にスピーカーが浮く“オープンイヤースタイル”を採用していること。耳をふさがないため圧迫感がなく、周囲の音も自然に聞き取ることができる。通気性が良く蒸れないため衛生面にも配慮された。

16mm径ドライバーを搭載

16mm径ドライバーを搭載し、鼓膜経由で空気振動した音を聴くため、音の広がりを感じながら自然な音を楽しめるという。ランニングなどスポーツ用途のヘッドフォンとしては骨伝導が人気だが、このFloat Runは空気振動を採用しているため「耳の周りの骨が振動しない。いい音、快適」をキーワードに掲げている。

どんな頭の大きさ・形にもフィットしやすい設計を採用。電池や基板などの電気部品を耳の後ろに配置することで、重量バランスを最適化しており、激しい動きでもヘッドフォン全体の安定感を維持できる。また側頭部との接触面が大きいため、圧力が分散され、圧迫感を感じにくいとのこと。重さは33g。

メガネなどとの干渉にも配慮されている

バンドには柔軟性があり、頭の大きさによって生じる圧力の差を低減する。帽子やサングラスなどとの干渉も配慮されており、さまざまなスタイルにフィットするという。

BluetoothコーデックはSBCとAACをサポートする。連続再生時間は最大約10時間で、充電時間は約3時間。10分の充電で約1時間使用できる。充電端子はUSB Type-Cを採用した。

物理ボタンを搭載

本体はIPX4の防滴仕様。本体には誤作動を起こしづらい物理ボタンを搭載するほか、マイクも搭載。ワークアウトだけでなく、テレワークなどにも活用できる。

プラスチックフリーの梱包
USBケーブルやキャリングポーチが付属する

製品の梱包はプラスチックフリー。キャリングポーチと約20cmのUSB Type-A to Type-Cケーブルが付属する。

Float Runを試してみた。頭部への締め付け感は少なめ

実際にFloat Runを装着してみると、ドライバー(アクチュエーター)を肌に接触させる必要がある骨伝導タイプのヘッドフォンと比べると、頭部への締めつけ感はほとんど感じない。今回は短時間しか試せなかったが、長時間の装着でもストレスは少なそうな印象だった。

街なかを歩きながら、ペアリングしたスマートフォンで「君は薔薇より美しい/上白石萌音」などを聴いてみたが、音質のバランスは良好。高域が強調されすぎて刺さるような印象、極端に低域が物足りないような印象もなかった。

筆者はShokzの骨伝導ヘッドフォン「OpenRun Pro」を所有しているが、OpenRun Proでは音量を上げるとドライバーの振動も強くなり、その振動をくすぐったく感じることがある。しかし、Float Runの場合はそもそもドライバーが肌に接触していないため、そういった違和感を感じることもなかった。

充電端子に専用のマグネット式端子を採用しているOpenRun Proと違い、Float Runは汎用的なUSB Type-Cを採用しているので、充電ケーブルの紛失や断線といった万が一の場合でも安心だろう。

ちなみにクラウドファンディング支援者からは、ランニング中に「着地した衝撃が耳に響かない」「オープンイヤーだから平衡感覚も保てる」といった声や、音漏れが少ないという声が挙がっているという。

このうち音漏れについては、特に音漏れを防止する機能などは盛り込まれていないものの、開発担当者によれば「ユニットから出た音を効率よく耳に届けるために、ユニットをギリギリまで耳に寄せている。効率よく耳に音を届ける設計なので、結果的に音漏れしにくいと感じるのではないか」とのこと。実際に試してみると、静かな室内では音が漏れ聞こえることがあったものの、交通量の多い道路沿いでは、音漏れが気になる印象はなかった。