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次世代オブジェクトオーディオ「DTS:X」発表。今夏から対応AVアンプも
(2015/4/10 12:01)
米DTSは9日(現地時間)、次世代のオブジェクトベース マルチチャンネルオーディオ技術「DTS:X」を発表した。ヤマハや、デノン、オンキヨー、パイオニアなどのAVアンプでの採用のほか、映画館/劇場向けの展開も予定している。
DTS:X登場。各社からAVアンプも
従来のようなチャンネルベースのサラウンドでなく、オブジェクトベースのオーディオソリューションとして提案する。サウンドをオブジェクトに分離し、再生時にオブジェクト位置を計算しながら各チャンネルに音声を割り当てていく技術は「イマーシブ・オーディオ」とも言われ、DolbyもDolby Atmosブランドで展開している。このDTS版ともいえるのが、「DTS:X」だ。
音声ビットレートストリームやスピーカーレイアウトは、DTS-HD Master Audioとの後方互換性を維持し、BD/DVDやストリーミングメディアのファイルフォーマットに対応。ロスレスでステレオの場合は192kHzまで、オブジェクトミックスの場合は96kHzまでサポートする。
ステレオや5.1ch/7.1chなどの既存スピーカー配置でもレイアウトでも、最大限のサラウンド効果を発揮できるほか、32スピーカーまでの配置に対応。2015年発売予定のDTS:X AVアンプでは、最大11.2chまで対応した製品が用意されるという。
メタデータに空間情報を含んでおり、実際のスピーカーレイアウトにあわせて、AVアンプなどでレンダリングを行なう。急激なボリューム変化などを抑えるダイアローグコントロール機能なども備えている。
AVアンプは2015年の初夏から順次発売。発売済みの製品としては、デノンの「AVR-X7200W」やマランツのAVプリ「AV802」が'15年後半のアップデートで対応する。オンキヨーとIntegraは今秋に複数の製品、ヤマハも秋にDTS:X Readyモデルを発表予定としている。
また、Steinway Lyngdorfの「P200」サラウンドプロセッサが'15年夏に発売し、秋にDTS:X対応。Theta Digitalの「Casablanca IVa」が今夏に発売、Trinnov AudioのAltitude32も今夏のアップグレードで対応する。
劇場向けのDTS:X展開も
映画館/劇場向けの「DTS:X CINEMA」も展開する。劇場向けのオブジェクトベースオーディオとしてライセンスフリーのオープンプラットフォーム「MDA」として、パートナーと協力していく。
デジタルシネマサーバーの供給や開発ではGDC Technologyと、プロ向けオーディオシステム/ソリューション展開では「QSC」と、サウンドプロセッサの開発では「USL」と協力。GDCとCarmike Cinemasは米国をはじめ、世界各国でDTS:X対応シアターの拡大を図る。また、GDCは既存シネマサーバーのアップグレードなどに取り組んでいく。