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ハイセンス、「有機ELに迫る画質」の4KミニLEDテレビ「U9R」

ハイセンス「U9R」シリーズ。画像は85型「85U9R」

ハイセンスジャパンは、有機ELテレビに迫る画質を実現したという4KミニLED液晶テレビ「U9R」シリーズを、6月6日に発売する。65/75/85型を用意し、価格はオープン。市場想定価格は65型「65U9R」で338,000円前後。

  • 65型「65U9R」 6月6日発売 338,000円前後
  • 75型「75U9R」 同上 448,000円前後
  • 85型「85U9R」 同上 648,000円前後
75型「75U9R」

2024年発売「U9N」シリーズの後継機で、ミニLEDバックライトと量子ドットを組み合わせた4K ADS液晶パネルを採用した。サイズ展開もU9Nシリーズは65/75型のみだったが、U9Rでは85型を加えた3サイズ展開となる。

バックライトに新開発の「Mini-LED X」を採用。発光効率が昨年モデルから約20%向上したほか、光をフォーカスさせることで光漏れ現象を抑える「パワーフォーカスレンズ技術」も統合することで、「隠れたディテールのすべてを驚異的なコントラストで映し出す」という。光漏れを抑える効果は前モデル比で150%向上(75型の場合)している。

従来の低反射処理よりも画面の映り込みを50%低減し、「有機ELに迫る黒を実現する」という「ARコート低反射フィルム」を新たに採用。強い光源の反射も大幅に抑えられ、明るいリビングや昼間でも引き締まった黒や明部が明るく見やすい映像を楽しめる。ヘイズ(曇り具合)も低く、斜めからでも画面が白くなりにくくなっている。

広視野角仕様のADSパネルを採用。今年は「広視野角シートPRO」を採用することで、斜めから画面を見たときの光漏れを90%以上低減。どの角度からでも見やすい映像を実現した。

色表現では量子ドットを使うことで「リアルに近い広色域」を実現。U9RシリーズではPANTONE認証も取得しており、「まるでその世界を生きているかのような、鮮やかすぎる体験」を提供するとしている。視聴環境にあわせて処理を行なうHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQをサポートする。

本体側面にサイドスピーカー、背面にサブウーファーを搭載

内蔵スピーカーでは、75/85型では最大出力110Wの5.1.2ch、65型では同90Wの4.1.2chシステムを採用。75/85型では、本体下部にフルレンジ×2、センタースピーカー×2に加え、側面にサイドスピーカー×2、背面にサブウーファー×2、さらに上部に上向きトップスピーカー×2を搭載し、臨場感あるサウンドを楽しめる。Dolby Atmosにも対応する。

搭載チューナー数は、4Kチューナー(BS4K/110度CS4K)×2基、地上/BS/110度CSデジタルチューナー×3基。

ゲーミング機能も充実しており、ゲームモード時は最大4K/144Hzに対応。リフレッシュレートやHDR、VRRの情報などを確認でき、FPSゲームで活用できる「照準表示」にも対応したゲーミングメニューを備えている。

スマホ連携では、iPhone/iPadなどのデバイスの画面をそのままテレビに表示する「AirPlay 2」、Androidスマホなどの画面を表示する「Anyview Cast」の機能に対応。スマホの画面をタップするだけでテレビに表示できるため、スマホ内の静止画や動画などを手軽にテレビの大画面でシェアできる。

AmazonのAlexa対応機器やApple製品と連携可能なスマートホーム機能「Works with Alexa」「Works with Apple Home」もサポート。ふたつの映像を並べて同時に楽しめる「2画面表示機能」にも対応した。なお、表示できる組み合わせは「放送+放送」または「放送+AirPlay」のみ。

そのほか、外付けHDDを使った番組録画、裏番組録画に対応。ドラマなどを一度予約すれば最終回まで自動で録画予約する「簡単連続録画予約」や「チャプター機能」なども利用できる。

U9Rシリーズの脚部。高さを2段階で調整できる

TVS REGZA共同開発エンジン「HI-VIEW AIエンジン PRO」で、画質・音質・省エネを最適化

TVS REGZA共同開発のAIエンジン「HI-VIEW AIエンジン PRO」を搭載

映像エンジンでは最新のAIエンジン「HI-VIEW AIエンジン PRO」を搭載。画質だけでなく、音質、省エネも「最適」にするというもので、TVS REGZAと共同開発した。

AIピクチャー機能では、ネット動画で発生しがちなバンディングノイズを抑える「AI バンディングノイズ制御」が利用可能。ネット動画の特性に合わせて高画質処理を行ない、精細感を高めて、なめらかな映像を実現する。

AIでコンテンツを識別し、画質が粗い場合に生まれるバンディングノイズ(等高線上のノイズ)をスムーズなグラーデーションに処理しつつ、オブジェクトのエッジにはシャープネス処理を行なうことで立体感のある映像を表現する。

フレーム補間の「AI クリアモーションPRO」も採用。前後フレームを参照し、AIがその間の画像を生成することで、カクつくコンテンツもなめらかに再現、「動きの速いスポーツも残像感の少ない、なめらかでクリアな映像を創り出す」とのこと。

そのほか肌色を自動調整して自然な人物映像を表現する「AI 美肌リアリティーPRO」、SDRコンテンツもHDRに近いダイナミックな映像にする「AI HDRアップコンバート」も搭載した。

サウンド面では、シーンに応じて音を調整し、音響の潜在能力を最大限に引き出すと謳う「AI サウンド」を搭載。コンテンツの種類を分析して、最適な音質モードに切り替えるもので、ライブでは重低音を強調し、映画では音の広がりを強化。聞き取りやすさを重視して人の声を補正するなど、シーンに応じた音質調整を自動で行なう。

省エネ機能では、テレビ本体のおまかセンサー(環境光センサー)がAIエンジンと連携し、周りの明るさに応じて自動的にテレビの輝度を調整。ミニLEDにより暗部のバックライトを自動的に暗くすることもできるため、より省エネ効果を発揮できるとのこと。

ハンズフリーの音声操作「VIDAA VOICE ハンズフリー」にも対応

OSはハイセンス独自の「VIDAA OS」を搭載。NetflixやAmazon Prime Video、YouTubeなど、国内外の人気動画配信アプリ20個がプリインストールされているため、「(アプリダウンロードのための)Googleアカウントの登録すら不要」で、各種動画アプリを利用できる。リモコンにはダイレクトボタンを12個搭載。

また2025年モデルでは、ハンズフリーの音声操作「VIDAA VOICE ハンズフリー」にも対応。音量や入力切替、動画検索、ビデオ再生などを声だけで操作できる。ハンズフリーのため、「Hey, VIDAA(ヘイ、ヴィダー)」と呼びかければリモコン不要で操作できる。

画像右が2025年モデルに付属するリモコン。下部にダイレクトボタンを12基搭載する

2025年はシェア20%、国内シェア第2位を目指す

内覧会に登壇した、ハイセンスジャパン社長の張喜峰氏は「ハイセンスグループの2024年における世界のテレビ出荷台数は2,914万台に達し、3年連続で世界第2位を獲得、7年連続で成長を遂げている唯一のブランドだ。日本市場においてハイセンスグループのテレビシェアは第1位、ハイセンスブランドだけでも第3位に飛躍し、業界平均を上回る成長を続けている」とコメント。

今回投入するフラッグシップモデル「U9R」シリーズについては、「4,000以上の分割エリアと98%のDCI P3カバー率、ARコートの超低反射スクリーンを採用し、OLEDを超える画質を実現できた」と自信を覗かせた。

ハイセンスジャパン社長の張喜峰氏

山本一人副社長は、日本市場におけるテレビ事業の成功について「日本基準の品質と、世界規模の量産」がポイントだと説明。

「我々は、TVS REGZAと共同開発したエンジンなど日本基準の品質をもった唯一の海外ブランド。そして約3,000万台というテレビの生産量を確保しており、非常に高いコストメリットが生み出せるのが強み。日本のテレビ市場は全体で450万台であり、我々の規模はその8倍。2025年はシェア20%、国内シェア第2位を目指し着々と準備を進めている」と明かした。

副社長の山本一人氏

販売企画の石橋秀元氏は、日本のテレビ市場について「直近10年間を見た時、テレビ市場は2020年の620万台をピークに徐々に下がってきているものの、2024年は当初の予想よりも20万台ほど多い450万台で着地。ようやくそこをついてきた」と分析。

また近年は、販売台数・金額ともにミニLEDが有機ELを上回っており、「有機ELとミニLEDの逆転が起こり始めている。2025年に入ってもその傾向が強くなっており、ミニLEDの伸長が想定以上に進んでいる。ミニLED市場において、我々は確実にシェアを伸ばしているが、更なる成長には、ミニLEDの拡充が必要と考えており、今回の新製品の導入で更なる伸長が期待できる」と話した。

販売企画の石橋秀元氏