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4K対応iVDRプレーヤーをHGSTが参考展示。「iVDR EXPO」
4K向け最新規格は192kHz/24bitハイレゾ音声対応
(2014/5/30 17:48)
リムーバブルHDDの規格団体・iVDRコンソーシアムは30日、「iVDR EXPO 2014」を開催。iVDRの特徴と最新動向、今後の可能性などについて加盟各社らがプレゼンテーションを行なったほか、iVDR搭載プレーヤー/テレビなどのハードウェア、映像コンテンツといった新製品の展示を行なった。
この中で、HGSTが4K動画対応のiVDRプレーヤー試作機を参考展示。グリーンハウスはデジタルサイネージなど業務用途を主に想定したiVDR対応4Kプレーヤー向けボードを参考出展していた。いずれも、4K記録対応のiVDR/TV-Recording規格Ver.2.50(Draft)に準拠している。
Android OS採用のHGST製4Kメディアプレーヤー
今回の試作機は、最大3,840×2,160ドット/30pのMPEG-4 AVC/H.264動画を再生可能。単体プレーヤーとして製品化するか、テレビ内蔵型/STB型にするかといった最終的な形態については検討中で、発売時期や価格は未定。
搭載デコーダのスペックによりHEVC/H.265には対応していないが、同じインターフェイスの4K/HEVC対応チップに置き換えて製品化できるという。また、試作機の出力端子はHDMI 1.4までの対応だが、新チップ搭載に合わせてHDMI 2.0への対応も可能としている。
iVDRのほか、ネットワーク経由でのコンテンツ再生も可能。OSはAndroid 4.4で、Androidアプリも利用可能。スマートフォンのTwonky BeamなどのAndroidアプリから操作して再生可能。CPUはクアッドコアのARM Cortex A9r4。RAMはDDR3 2GB。音声はAAC、PCM、MP3、WMA、RM、FLAC、OGG、Apple Lossless(ALAC)、APE。
サイネージ対応の4K再生ボードも
グリーンハウスは、クナイ(Kunai)が開発したUSB 3.0やシリアルATA、SDカードなどに対応したメディアプレーヤー開発向けのボードを展示。
デジタルサイネージや外部プレーヤーなどへの搭載を想定しており、メーカーなどから要望があれば出荷可能な状態だという。iVDRアダプタとはUSBまたはシリアルATAで接続して最大3,840×2,160ドット/30pの再生が可能。対応フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264で、秋に提供開始されるというHEVC/H.265対応チップの採用も予定している。
4K再生だけでなく、フルHDからの4Kアップコンバート再生も可能。カスタム設計によりJD-SDIなどのアナログ入力や、HDMIデジタル入力などを搭載可能。
4K向けiVDR最新規格はハイレゾ音声もサポート
HGSTジャパンの先行ストレージソリューション開発部長 藤井由紀夫氏が、同日に承認されたばかりという4K記録対応のiVDR/TV-Recording規格Ver.2.50(Draft)と、今回展示した試作機について説明。
iVDR/TV-Recording規格Ver.2.50(Draft)は、4Kパッケージコンテンツにフォーカスした規格。録画に関する部分は、フルHDのバージョンと、関連メタ情報の改定以外に大きな変更はなく、ビデオフォーマットやオーディオフォーマットなどについて規定している。
ビデオはMPEG-4 AVC/H.264とHEVC/H.265をサポート、解像度は3,840×2,160ドット。音声は、ハイレゾのPCMもオプションとして採用し、最大192kHz/24bitまでカバーする。
プレーヤーを試作した同社は、今後の課題として4K放送録画への対応や、Ver.2.50の完全版で4K/60pをサポートする点、HDMI 2.0への対応など外部インターフェイスの整備などを挙げた。著作権保護は、SAFIAやAACSのほか、SeeQVaultやUltraVioletなどへの対応、HDCP 2.2対応などを進めるという。