ミニレビュー

ソニー「WF-1000XM5」が接続性改善。アプデしたらストレスが解消された

WF-1000XM5

ソニーの完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM5」のソフトウェアアップデートで、Bluetoothの接続性が改善された。筆者も購入してからずっと接続性の問題で悩まされていたので、アップデート適応後の状態について紹介する。結論から述べると、私の環境で起きていた「異常な頻度の音飛びと途切れ」は改善され、従来のソニー製品と同じくらいの接続性に落ち着いた。

WF-1000XM5のBluetooth対応コーデックについて簡単におさらいすると、まず対応しているのはSBC、AAC、LDAC、そしてLE Audio規格のLC3の4つ。専用アプリで接続優先にすると「AAC」か「SBC」で接続され、LDAC対応のデバイスで音質優先にすればハイレゾ相当でも再生可能な「LDAC」で接続される。

アプリのサウンド欄のBluetooth接続品質の項目で「接続優先」か「音質優先」を選択できる。デフォルトは接続優先になっている

LC3は、アプリのシステム欄にあるヘッドフォンの接続設定の項目で「LE Audio優先」を選択して、対応機種で接続すれば使用できるが、機種によって操作が異なるようなので、詳しくはサポートページなどを参照してほしい。

接続優先に割り振られている通りSBC、AACは基本的に接続性で問題のないものなのだが、LDACは音質は良くなるが接続の安定性はそこまで高くないコーデックとなっている。

とはいえ、Bluetoothのバージョンが5.xになってからは、新宿駅や東京駅などの混雑した駅や満員に近い電車内などでなければ、基本的にズボンのポケットにスマホやDAPを入れた状態でもそこまで頻繁に途切れることなく再生できる程度には安定している。途切れてしまう場合でも、スマホやDAPを手に持ったり、シャツの胸ポケットに入れたりすれば安定するといった感じだ。

では筆者のもとで発生していた「異常な頻度の音飛びと途切れ」とはどのようなものだったのかというと、あくまで筆者の環境での話だが、音質優先のLDACだろうが接続優先のAACだろうが関係なく、少しでも人が多い場所に行くと頻繁に音が途切れる、という症状。聴いている曲の盛り上がるタイミングで音がブツブツと途切れて、ノイキャンだけになる瞬間を何度も喰らうことになるので、かなりストレスフルだ。

普段Pixel 6aからLDACで接続していたので、AACやSBCに変更してみたが、改善されることがなく、iPhoneでのAAC接続でも同じような状況だった。もちろんスマホを胸の辺りに持っていても同じような状況で、バッテリーの寿命で前機種から買い換えたこともあって、正直「WF-1000XM4よりも1万円近く値上がりしてこの状況はどういうことだ?」と若干の怒りもあったほど。

こういった現象が今回のアップデートで改善された。試しにLDACで接続した状態で混雑している東京駅構内をしばらく散策してみたが、今までのLDAC対応機種と同じように、送信側のスマホを胸の辺りに持っていれば、頻繁に途切れるといったような状態にはならなかった。接続優先にしてしまえば、ズボンのポケットにスマホを入れっぱなしでもとくに音が飛んだり途切れたりすることはなかった。今回のアップデートでようやくストレスから解放された。

SNSの反応などを見ると、アップデート前でもここまで酷い状況だった人はそこまで多くはないようで、筆者の例はおそらくレアケースのようだ。もし、同じような症状で悩まされていた人がいれば、手放す前にひとまず今回のアップデートを適用して試してほしい。

野澤佳悟