レビュー

スピーカーはどのくらい進化した? 18年前の名機B&W「805S」VS 最新の「705 S3」

左から700 S3シリーズのブックシェルフ「705 S3」、2005年に発表された「805S」

個人的に興味深いお誘いがAV Watch編集部から届いた。今から18年前、2005年に発表されたBowers & Wilkins(B&W)の人気ブックシェルフスピーカー「805S」(発売当時ペア346,500円※消費税5%時)と、昨年に登場した700 S3シリーズのブックシェルフ「705 S3」(ペア563,200円~)を比較試聴し、「技術革新による音質向上ぶりを体験してみませんか」というオファーである。

いずれも聴いたことがある製品だが、時代の異なる旧型スピーカーと最新スピーカーの音を比べるという機会はありそうでなかった。しかも現行品は最上位の805 D4ではなくアンダークラスの705 S3である。というのも、805 D4はペア100万円を超える価格にシフトしており、価格で比べるのであれば、かつての805Sと、最新の705 S3の方が近くなっているからだ。これは気になる。断る理由などひとつもなかった私は、すぐに誘いに乗り、ディーアンドエムの試聴室に向かった。

805Sとは

なつかしの「805S」

B&Wの805Sは、今から18年前になる2005年に発表された名品。2.5cm口径のアルミ振動板を備えたツイーターのボディ内部には、ユニット背面の音を減衰させるチューブローディングの消音機構があり、トレードマーク的なツイーター・オン・トップが特徴。ミッドレンジ/ウーファーは16.5cm口径の黄色いケブラー振動板だ。カーブを描いた積層合板製エンクロージャの内部には格子状のマトリクス構造がある。

トレードマーク的なツイーター・オン・トップ

時系列的に言えば、現在の「800 D4」シリーズの元祖である「ノーチラス800」シリーズ(1998年)から刷新された、「800D」シリーズに属していたのが805Sだ。B&Wでは初めてとなるダイアモンド振動板をツイーターに採用した画期的な800Dシリーズだが、ダイアモンド振動板の製造コストが相当に高いという問題を抱えていた。

そのため、801Dと802Dまではダイアモンド、803はダイアモンドの「803D」と、アルミ振動板の「803S」の2種類が用意され、それより下位の「804S」と「805S」はアルミ振動板だけだったのである。

805Sのツイーター振動板はアルミ、ウーファーは黄色いケブラー製だ
右から802D、803S、804S、805S

とはいえ、2005年当時の最先端技術を投入していた800Dシリーズであるから、805Sにも独ムンドルフ製の高音質フィルムコンデンサー「Mキャップ・サプリーム」がツイーター用ハイパス・フィルターとして使われていたし、ツイーターのボイスコイル・ボビンは結合箇所が王冠状の形状になり従来よりも強固な接着を実現していた。800Dシリーズはクロスオーバー回路がシンプルな設計(ツイーターは-6dB/オクターブの1次カーブ)に改められた最初の世代でもある。

磁気回路の設計が洗練されていることはB&Wの優位性にも挙げられるが、805Sのウーファーは振幅動作の対称性を高めるバランスドライブの磁気回路が特徴だった。湾曲した状態で成形されている積層合板製エンクロージュアも美しいので、今も中古市場で人気が高い。おそらくは805Sを現在も愛用しているという読者諸兄も少なくないのではと思う。

余談だが、1998年のノーチラス800シリーズは英国ワーシングの本社で発表されたが、2005年の800Dシリーズは、驚くことに大英博物館=ザ・ブリティッシュ・ミュージアムの一角を借り切って華々しく発表された。ダイアモンド振動板は世界的に有名なデビアス・グループの工業用ダイアモンドを扱う英国企業で製造されたもの。おそらく現在もそうなのだと思う。

705 S3の進化点

705 S3

オリジナルの700シリーズは今から20年も前の2003年に登場している。それまでの「CDM NT」(NT=ノーチラス)シリーズから刷新され、“最高峰800シリーズの弟分”ということで700の型番が与えられたのだ。

それから700シリーズはCM(コンパクトモニター)シリーズとして生まれ変わり、その後、CMシリーズはCM S2シリーズへと進化。型番が700からCMに変わったのは、2006年に国内販売されたコンパクトな「CM1」が世界的な大ヒットとなったからだ。2017年に再び700の型番が与えられると共に、黄色いケブラー振動板から銀色に輝く新しいコンティニュアムコーンを搭載する「700 S2」シリーズが登場した。

2006年に登場した「CM1」

今回聴く「705 S3」は、最新世代として2022年にローンチした「700 S3」シリーズの2ウェイ機である。カーボンドームのツイーターは2.5cm口径で、コンティニュアムコーンのミッドレンジ/ウーファーは16.5cm口径。各ドライバーの大きさは805Sのそれと同じだ。

CMシリーズのエンクロージュアは、最高峰の800シリーズとは容姿が異なるオーソドックスな直方体だった。700 S2シリーズのそれも直方体なのであるが、モデルナンバー的に800シリーズの由緒正しい弟分という立ち位置となった。

700 S2シリーズになって画期的だったのは、ツイーター振動板が従来のアルミニウムからアルミニウムの表面に炭素蒸着=カーボンコーティングを施したカーボンドームへと進化したこと。これによりツイーターの表面硬度が向上して高域限界が大きく改善されたのだ。言うまでもなく、800シリーズの代名詞的な存在である銀色のコンティニュアムコーンが使われたことも大きなトピックだ。

最新の700 S3シリーズは遠目で見ると700 S2とあまり変わらないかも知れないが、実はすべての項目について細部まで徹底的にリファインすることで音質に磨きをかけている。スピーカーシステムとしての完成度は700 S2がすでにハイレベルに高まっていたので、S3への進化は容易ではなかったのだ。

705 S3

外観的な変化は700S2シリーズではフラットだった前面バッフルの形状が緩やかにカーブしていること。いうまでもなく指向性の改善を図ったものであるが、バッフル面の厚みを増やしたことで、全体の剛性も高まっている。

また、ツイーター・オン・トップのモデルでは、アルミニウム切削加工のツイーターハウジングが長くなり、磁気回路では歪を抑制する導電性の高いショートニングが銅から800 D4シリーズと同じく銀へと変更されている。

左から700 S3、700 S2。上から見た写真だが、フロントバッフルを見比べると、700 S3がカーブを描いているのがわかる
上から700 S2、700 S3。ノーチラスチューブが長くなっているのが一目瞭然だ

カーボンドームと接着されているボイスコイルのボビンには空気抜きと軽量化のための丸穴が増やされて、振動板がより動きやすくなった。ツイーターの共振周波数が47kHzというのは700 S2シリーズと変わらないが、音質的にはかなり改善されているのだと思う。クロスオーバー回路では音質調整用の小容量コンデンサーが倍増されている。

700 S3のボビンに注目、多数の穴が開いている

「805S」VS「705 S3」

前置きが長くなってしまったが805Sと705 S3を比較試聴しよう。

登場する805Sは、倉庫に長らく眠っていた発掘品などではない。ディーアンドエムの設計部門で日常的に使われている“現役の805S”だ。705 S3も、イベントなどで登場している機体であり、どちらも十分に鳴らしこまれている。

マランツ試聴室は、製品開発の音質検討や輸入しているスピーカーやオーディオケーブルなどの試聴にも使われている。残念ながら一般向けに解放されていないが、数あるオーディオメーカーの試聴室のなかで空間容積や静粛性では間違いなくトップクラスといえる優れたリスニング環境である。

使用した機材は、マランツのプリメインアンプ「MODEL 30」(327,800円)と、ハイレゾ音源も再生できるCD/SACD、ネットワークプレーヤー「SACD 30n」(327,800円)という、現実的な価格のコンポーネントを使った。

スピーカーとの接続はバイワイアリングにした。幸いなことに、MODEL 30とSACD 30n、そしてAudioQuestのスピーカーケーブル「William Tell ZERO」(ツイーター側)と「William Tell BASS」(ウーファー側)が同じ長さで試聴室に揃っていたので使わせてもらった。試聴音源を記録したUSBメモリーを、SACD30nのUSB端子に差し込んで再生した。

805Sのスピーカーターミナル
705 S3のスピーカーターミナル

最初は805Sから聴いた。

現在も日常的に使われているというだけあって、思いのほか鳴りっぷりがイイではないか! 最初に聴いたのはCDからリッピングしたイーグルスのライブ「ホテル・カリフォルニア」(44.1kHz/16bit)である。ガット弦を張ったギターの音色が拍手と共に始まる楽曲は音場空間の広さを感じさせ、オーディエンスが演奏曲がホテル・カリフォルニアだとわかってからの盛大な拍手や口笛の音数も多い。フワッと広がっていく音の雰囲気は、やはりツイーター・オン・トップの効果だと思う。

少しばかり中音域の暖かさを感じさせながらもドン・ヘンリーの歌声も表情がイメージできるようなリアルさがある。低音域はやや柔らかく感じられるものの、フロントバスレフによる量感を得ながら躍動的なリズムを展開していく。

このところ試聴に活躍しているインド出身の女性シンガー、tea(ティー)の「ゼイ・キャント・テイク・ザット・アウェイ・フロム・ミー」は、彼女の最新アルバム「ソングバード」から。96kHz/24bitと5.6MHzのDSDのフォーマットが存在しており、ここではDSD(DSD128)を聴いている。

ピアノとウッドベース、ドラムスといったアコースティック楽器の演奏を従えた彼女のヴォーカルはパワフルで歯切れがよいのだが、ここでは高音域がやや穏やかで発声の明瞭さに関してもイマイチ。小口径シンバル(スプラッシュ)の軽妙な音色にもう少し金属的な響きがあればと思ってしまう。全体的にまとまった音を聴かせてくれてはいるが……。

ヴァイオリン奏者ジャニーヌ・ヤンセンが指揮者としても有名なアントニオ・パッパーノのピアノ伴奏と共に総勢12本のストラディヴァイリスを弾いた「12のストラディヴァリウス」から、ファリャ作曲「スペイン舞曲」を聴いてみた(96kHz/24bit)。

強弱のコントラストが聴きどころの情熱的な楽曲であるが、日常的に聴き慣れている音よりもワイドレンジ感では遠慮気味でピアノも含めたヴァイオリンの音色の分解能がもう少し欲しくなってしまう。静寂な部分でのクリアーさが思ったよりも得られていないという印象なのだ。アコースティック楽器のレコーディングは音の良し悪しを判断しやすいキビシイ音源だ。

最後はジョン・ウィルソン指揮シンフォニア・オブ・ロンドンのレスピーギ作曲「ローマの祭り」から冒頭の「チルチェンセス」(96kHz/24bit)。SACDでもリリースされているが、ハイレゾ音源は英国CHANDOSのHPからダウンロード購入できる。弦楽器群から大太鼓と銅鑼(ドラ)が加わりトランペット群による金属的で煌びやかな響きが展開される楽曲であるが、805Sはスケール感の豊かさを披露しつつも一音一音の鮮明さは思ったほど得られていない。エネルギーレスポンスはフラットに感じられるがハイエンド方向はダラ下がり的に伸びているようだ。

試聴通して、正直なところ“805Sの音は古い”と感じた。とは言うものの、音のバランスは優れているので、805Sだけを聴いているなら特に不満に思わないかもしれないのだが……。

705S3を聴く

同じシステムで、スピーカーだけ705 S3に換えて聴いてみる。

700 S3シリーズはミッドレンジやウーファーの口径ギリギリまで前面バッフルの幅を狭めているので、805Sから705 S3に換えると、シュッと締まった外観に感じられる。バスレフポートが背面にあるため、前面がスッキリして見えるのも805Sとの違いといえよう。

イーグルス「ホテル・カリフォルニア」を再生してすぐに、私は思わずのけぞってしまうくらい驚いた。圧倒的というべき音の解放感と澄んだ空気を感じさせるような音場空間の中、ガット弦を張ったギターの音色が鮮やかに浮き立つのだ。オーディエンスの拍手や口笛もキメ細やかで音数も抜群に多い! 私だけでなく、後ろを振り返ると、AV Watchの山崎編集長も目を丸くして音の違いに圧倒されている。

私がこの楽曲で聴きどころにしている2基の大太鼓(サンバ等に使う打楽器)の低音の違いを描き分けるのも明瞭で、なにより全体的に音離れが良いので演奏が立体的に展開されていく。ドン・ヘンリーのヴォーカルも声色が生々しく発音も明瞭そのもの。

teaの「ゼイ・キャント・テイク・ザット・アウェイ・フロム・ミー」は、それぞれのアコースティック楽器が奏でる音色がリアル感を増していて躍動的な演奏になる。彼女の声色も冴えと鮮やかさは得られており、楽曲そのものが明らかにワイドレンジなのである。このアルバムは全曲が同時録音だそうで、歌手と演奏の一体感が自然に感じられる。ノリの良いグルーヴィーなパフォーマンスだ。

ジャニーヌ・ヤンセンとアントニオ・パッパーノのデュオは、適度な緊張感を伴いながらダイナミックに「スペイン舞曲」を演奏する。805Sを聴いていた時に感じた分解能の物足りなさは、705 S3では一切なく、音のキレが小気味良い。しかも弱音部分まで音の見通しが良好なのである。強弱のコントラストも抜群だし音色の陰影表現なども繊細で情感がじゅうぶんにこもっている。

温度感も暖かすぎないニュートラルな雰囲気に思われ、ハイレゾ収録らしいディテールの鮮やかさと色彩的にカラフルな印象を与えるのだ。ヴァイオリンの弦の響きと胴鳴りの木質感も生々しく感じられる、実に写実的な音が愉しめた。ツイーター・オン・トップのおかげだと思うが、ヴァイオリンの高域が伸び切った時の天井の高さまでイメージできる音場空間の広大さは見事というしかない。

ジョン・ウィルソン指揮シンフォニア・オブ・ロンドンの「ローマの祭り」も、ジャニーヌ・ヤンセンの楽曲と同じように一音一音のクリアーさを根底にした濃密で感動的な演奏となった。先ほど聴いた805Sもこの705 S3もコンパクトな2ウェイ機なので編成の大きいオーケストラの迫力や臨場感を存分に再現できるわけではないが、ここでは丁寧な音の提示により自然に音楽に引き込まれていった。

音がここまで進化した理由は何か?

現役ではあるが、登場から年月を経過した805Sと、アンダークラスとはいえ最新の705 S3との比較試聴は、圧倒的という言葉では足りないような音質的な格差で705 S3が勝利してしまった。まさかこれほどの音の違いがあるのか……という驚きと感嘆は私だけではなく、試聴室にいた全員が感じたところだ。

805Sに関して言えば、経年的な劣化も多少はあるとは思うのだが、クロスオーバー回路に使われている素子類はそんなことはないし、エンクロージュアに問題が生じているわけでもない。

そこで考えられるのは、705 S3に搭載されているドライバーの優秀さである。特にハイエンドまでの伸び切りの良さと鋭角的な音の立ち上がり感は、アルミ振動板の表面にカーボンコーティングを施した硬化処理に加えて、B&WのR&Dチームが開発してきた磁気回路の性能向上によるものだと思う。それに加えてケブラー織布から新開発のコンティニュアムコーンとなったミッドレンジ/ウーファーの音質向上が計り知れないほど大きいのだ。

705 S3のコンティニュアムコーン

B&Wがケブラー振動板を採用したのは、今から40年以上も前のこと。防弾チョッキにも使われる高強度のアラミド繊維を縦糸と横糸の二軸織にした織布をコーン形状に成型。その背面に木工ボンドのような酢酸系の樹脂を塗布して目留めしたのがケブラー振動板である。

B&Wは早くからレーザー解析という手法で振動板の振幅動作における変位を測定してきた。3ウェイ構成のスピーカーではミッドレンジ帯域に分割共振(分割振動)をうまく使うべきというのがB&Wの考えであり、振幅動作で鋭いピークやディップの共振を伴わない、すなわち製造の過程でコントロール可能な共振動作の振動板を理想と考えていた。その要求をハイレベルで満たしたのが形状まで綿密に計算されたケブラー繊維の振動板だったのだ。

こうしてケブラー振動板がB&Wのアイコンとして定着していたわけだが、研究開発部門(R&D)ではより理想的な素材を追い求めていた。ハイレゾ時代の到来とシンクロするように、ケブラー織布のウィークポイントが二軸織布の縦糸と横糸が振幅時に“擦れる”ことによる微細な雑音だと突き止めたR&Dチームは、新たな素材を求めて数年を費やした。そして完成したのが銀色のコンティニュアムコーンである。

繊維素材は明らかにされていないがケブラー織布よりも擦れて発生する雑音が皆無に近いというのがコンティニュアムコーンの大きな特徴である。また、ケブラー織布は紫外線の影響で変色していくが、コンティニュアムコーンの場合は遥かに影響が少ないようだ。

フロア型「703 S3」も聴いてみる

703 S3

805Sと705 S2の比較があまりに衝撃的だったので、同じ700 S3シリーズのフロアスタンディング機も聴いておきたくなった。そこで急遽、同じく試聴室にあったウーファーが2基の「703 S3」(1台473,000円~)も聴いてみた。

700 S2シリーズとの大きな違いとして、700 S3の3ウェイ機のミッドレンジには、まるでバッタの足が6本あるような形状のバイオミメティック・サスペンションが使われている。これは800 D4にも使われている画期的な新技術。これまでは、一般的な織布のダンパー(形状からスパイダーとも呼ばれる)がボイスコイルのボビンを支えていたが、R&Dチームはダンパー自体が動くことによる不要な音の発生に着目。それを回避しながら初動感度を高めるべく、バイオミメティック・サスペンションを新開発した。振幅量が少ないミッドレンジに有効だが、2ウェイ機の705 S3や805 D4のように低音域を兼ねたドライバーや、低音域オンリーのウーファーに使うことができない。また、B&Wのツイーターにはそもそもダンパーが使われていない。

バイオミメティック・サスペンション

703 S3をセットして試聴曲を聴いてみると、705 S3と音質的な共通項は多いが、3ウェイ構成になっている事で、703 S3の方が表現力に大きな余裕がああり、音の解像感でも705 S3を自然なかたちで凌駕していることがすぐにわかった。

コンテュアムコーンのドライバーが中音域と低音域を兼ねている705S3に対し、コンテュニュアムコーンの中音域(僅かに小さい15cm口径)と、2基のエアロフォイル・プロファイル・バスによる低音域に役割分担されているぶん、音の解像感が明らかに高くなった。

703 S3
左から805S、705 S3、703 S3

かつての名機805Sと、最新の705 S3を比べてわかったのは、“B&Wの積極的な技術革新による音質向上が凄まじかった”ということ。

アンダークラスの700 S3シリーズであるが、投入されている高度な独自技術は800 D4シリーズと遜色ないほどである。高価なダイアモンド振動板こそ使われていないが、ツイーター表面のカーボンコーティングにより高域特性は大幅に向上している。

そして、コンティニュアムコーンによるミッドレンジ/ウーファーは見通しに優れた音に大きく貢献している。805Sの音を体験した事がある人も、そうでない人も、ぜひオーディオショップで700 S3シリーズの音を体験していただきたい。

705 S3

(協力:ディーアンドエムホールディングス)

三浦 孝仁

中学時分からオーディオに目覚めて以来のピュアオーディオマニア。1980年代から季刊ステレオサウンド誌を中心にオーディオ評論を行なっている。