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B&W、最上位の技術大量投入「700 S3」。半分がツイーター・オン・トップに

新700シリーズ「700 S3」

ディーアンドエムホールディングスは、Bowers & Wilkinsの新700シリーズ「700 S3」を発表した。価格はブックシェルフの「707 S3」がペア281,600円から。モカ、グロス・ブラック、サテン・ホワイトの3色は9月下旬から出荷開始、ローズナットは12月の発売。仕上げによって価格は異なる。

705 S3で仕上げの違いを示した写真。左からローズナット、サテン・ホワイト、グロス・ブラック、モカ

ラインナップと価格は以下の通り。

  • 702 S3:フロア型
    グロス・ブラック 569,800円(1台)
    サテン・ホワイト 544,500円(1台)
    モカ 544,500円(1台)
    ローズナット 544,500円(1台)
  • 703 S3:フロア型
    グロス・ブラック 495,000円(1台)
    サテン・ホワイト 473,000円(1台)
    モカ 473,000円(1台)
    ローズナット 473,000円(1台)
  • 704 S3:フロア型
    グロス・ブラック 332,200円(1台)
    サテン・ホワイト 319,000円(1台)
    モカ 319,000円(1台)
    ローズナット 319,000円(1台)
  • 705 S3:ブックシェルフ
    グロス・ブラック 563,200円(1組)
    サテン・ホワイト 539,000円(1組)
    モカ 539,000円(1組)
    ローズナット 539,000円(1組)
  • 706 S3:ブックシェルフ
    グロス・ブラック 368,280円(1組)
    サテン・ホワイト 352,000円(1組)
    モカ 352,000円(1組)
    ローズナット 352,000円(1組)
  • 707 S3:ブックシェルフ
    グロス・ブラック 293,700円(1組)
    サテン・ホワイト 281,600円(1組)
    モカ 281,600円(1組)
    ローズナット 281,600円(1組)
  • HTM71 S3:センター
    グロス・ブラック 414,700円(1台)
    サテン・ホワイト 397,100円(1台)
    モカ 397,100円(1台)
    ローズナット 397,100円(1台)
  • HTM72 S3:センター
    グロス・ブラック 253,000円(1台)
    サテン・ホワイト 242,000円(1台)
    モカ 242,000円(1台)
    ローズナット 242,000円(1台)
  • FS-700 S3:スピーカースタンド
    ブラック 125,400円(1組)
    シルバー 125,400円(1組)

700 S3シリーズの特徴は、上位モデルの800 D4シリーズから多数の技術を取り入れている事。「3年間に及ぶ徹底的な開発プログラムにより、キャビネットのデザイン、構造、仕上げに始まり、特に重要な音響的、機械的な改良に至るまで、ほぼすべての要素が変革された」という。これにより、従来と比べて価格はアップしているが、D&Mのシニアサウンドマスター澤田龍一氏は「800 D4の技術をあらかたを取り入れており、中身としては事実上“750”シリーズと言っていい」と表現する。

左から703 S3、704 S3、705 S3

筐体の大きな進化点として、フロント部分が前に少し張り出したラウンド形状になった。これにより、ユニットから放射された音がバッフルに反射してユーザーに届く回折効果を抑えている。さらに、Rを描いているため、エンクロージャーとしての強度もアップ。共振周波数もコントロールしやすく、振動分散にも優れているという。

705 S2とS3を並べたところ。左がS3だが、フロントバッフルがラウンド形状になっているのがわかる
斜めから見るとラウンドしているのがわかりやすい

さらに、ユニットの左右にあるバッフル部分が約1cm狭くなっており、そもそも反射するバッフルの面積が少なく、音のまわりこみもスムーズになっている。一方で、エンクロージャーの容積としては減った事になるが、バスレフのチューニング周波数を変えて低域を補っている。

705 S3のエンクロージャー。ユニットの端から、エンクロージャーの端までが非常に狭い
705 S3を正面から見たところ

ツイーターが、エンクロージャーの外に乗っかる「ツイーター・オン・トップ」は、従来702、705のみだったが、700 S3ではこれに加え、703 S3、HTM71 S3にもソリッドボディ・ツイーター・オン・トップ技術が導入。これにより、シリーズの半分がツイーター・オン・トップ搭載モデルとなり、700シリーズでは初めて、ホームシアターシステムのすべてのスピーカーをツイーター・オン・トップ搭載モデルで構成できるようになった。

ツイーター・オン・トップ
ツイーター・オン・トップ構造の705 S3

ツイーター・オン・トップのツイーターも再設計。アルミニウムのブロックから削り出したハウジングを採用しているが、その長さが大幅に伸びて、内容積がアップ。重量もアップし、振動しにくくなっている。なお、このツイーターは下のエンクロージャーからフローティングしており、相互の振動を伝えにくくしている。

上が705 S2、下が705 S3。ツイーターが長くなっているのがわかる

ツイーターユニット自体も進化。振動板はダイヤモンドではなく、カーボンドームではあるが、それ以外は800 D4の技術を多数導入。磁気回路のショートリングの素材が、銅から銀に変更。銀は銅よりも電気抵抗が低く、電流歪みの抑圧効果がさらに高いという。

さらに、カーボンドームにくっついているボビンの部分に空気抜きの穴が開いているのだが、前モデルは6箇所あいていたところ、S3では数十カ所に増加。これも800 D4と同じ技術となっている。

磁気回路のショートリングの素材が、銅から銀に変更
従来のボビン。穴は6箇所あいている
S3のボビンでは、穴が数十カ所に増加

また、ツイーター・オン・トップではない、ツイーターがエンクロージャーの中に搭載されているモデルも、ツイーターは進化。背後のチューブが伸びており、ツイーター・オン・トップのモデルに近い、空気室のサイズになっている。

ツイーターがエンクロージャーの中に搭載されているモデルも、背後のチューブが伸びている

3ウェイのモデルに搭載されているミッドレンジユニットは、800 D4のミッドレンジとほぼ同じ。特徴として、ダンパー部分に紐のように細い「バイオミメティック・サスペンション」を採用している。バタフライダンパーの一種で、非常に細いため、スパイダーが発する不要なノイズを劇的に減少させている。

バイオミメティック・サスペンション

ミッドレンジ・アセンブリ全体のデカップリング、共振を抑えるチューンド・マス・ダンパーを備えたアルミニウム・ドライブユニット・シャーシ、FSTエッジレス・サスペンション、Continuumコーンなども、上位機からの技術を踏襲。「驚くほど透明な中音域の再生が実現した」という。

707 S3、706 S3、705 S3、HTM72 S3のミッド/バス・ドライブユニット搭載モデルもアップグレードされており、新しい磁気回路とシャーシにより、さらにクリーンな出力が得られるようになった。

ウーファーには、Aerofoilプロファイル・バス・コーン技術の最新世代を使用。中央部が厚く、周辺部ほど薄くなるように連続的に厚みを変化させたフォームコア材を、パルプシートで挟み込んだサンドイッチ構造になっており、高い剛性を持ちながら、軽量なのが特徴。低歪みな低音に寄与するという。

従来同様Mundorfコンデンサーを使用したクロスオーバー・ネットワークも進化。各コンデンサーに対して、音質補正用に小容量のコンデンサーをパラレルで搭載していたが、その個数が従来の2個から、4個のパラレルに増加している。

S2のネットワーク
S3のネットワーク。黄色い音質補正用に小容量のコンデンサーが増えているのがわかる

バイワイヤリング接続に対応したスピーカーカーミナルも、800 D4と同様に、端子が一列に横に並んだターミナルに進化。スピーカーケーブルが接続しやすく、スペード端子の使用にもより適したレイアウトになったという。

端子が一列に横に並んだスピーカーターミナル

バスレフポートは、大径化されたFlowport。より大きく広がりのあるサウンドを実現したという。

バスレフポート

705 S3ではダクト使い方が従来の702 S2から変化。S2では、背面に向かってストレートにダクトが伸びていたが、705 S3はL字の、途中で曲がったダクトになった。これによりダクト自体の長さが長くなり、直径も変化。これに伴い、バスレフのチューニング周波数も53Hzから43Hzに変更されている。

705 S3のダクトを撮影した写真。内部が途中で曲がっている

最上位モデルの702 S3では、ポートが下向きになり、専用の台座もアップグレード。800 D4に近い構成となった。ダクトのサイズは60cmで、チューニング周波数が25Hzから20Hz変更、非常に低い周波数になった。

702 S3ではスパイクも改良。専用の台座に取り付けるステンレス製スパイクの径がこれまでのM6からM10に変更された。

最上位モデルの702 S3
702 S3ではポートが下向きになり、専用の台座もアップグレード

704 S3と703 S3、スピーカースタンドのFS-700 S3には従来同様ステンレス製のM6スパイクが付属。FS-700 S3は、新しいキャビネットデザインの曲面形状に合わせて外観がアップグレードされている。

なお、従来のスタンドをS3で使った場合、固定用のネジ穴の位置が変わったため、ネジによる固定はできない。

新スピーカースタンド、FS-700 S3
702 S3:フロア型
703 S3:フロア型
704 S3:フロア型
705 S3:ブックシェルフ
706 S3:ブックシェルフ
707 S3:ブックシェルフ
HTM71 S3:センター
HTM72 S3:センター
FS-700 S3:スピーカースタンド

先着200人に完全ワイヤレスイヤフォン「PI5」プレゼント

700 S3シリーズの発売を記念し、9月22日から発売記念プレゼントキャンペーンを実施。期間中に700 S3シリーズ、または800 D4シリーズのスピーカーを購入し、応募した先着200人に、Bowers & Wilkinsの完全ワイヤレス・ノイズキャンセリング・イヤフォン「PI5」がプレゼントされる。

Bowers & Wilkinsの完全ワイヤレス・ノイズキャンセリング・イヤフォン「PI5」

PI5は、800 D4シリーズのアコースティックチームがチューニングしたモデルでもある。対象購入期間は9月22日~2022年11月30日、応募締切は2022年12月7日23時59分。ただし、キャンペーン期間中であっても応募総数が200人に達した場合は、その時点でキャンペーンの受付終了となる。

対象製品は702 S3、703 S3、704 S3、705 S3、706 S3、705 S3、HTM71 S3、HTM72 S3、800 D4シリーズの801 D4、802 D4、803 D4、804 D4、805 D4、HTM81 D4、HTM82 D4。2022年発売予定の700 S3シリーズのローズナット仕上げはキャンペーン対象外。センター・スピーカーは1台、その他のスピーカーは1組の購入が必要。

応募方法などの詳細は、キャンペーンページを参照のこと。