プレイバック2024
Netflix「新幹線大爆破」は天井からガンガン音出しますよもう! by樋口真嗣
2024年12月30日 12:00
やい!この大嘘つきめ。
お前だよ!お前のことだ!
担当のアベちゃんが親切に参考までに去年のコラムです、と送ってくれた2023年のまとめ記事のリンクを開くと最後にこんなことを書いてやがった。
来年はちゃんとやりますが、年明けすぐから次回作の撮影が始まるので半年お預けです。
どんな内容、なんのプラットフォームになるかはまだ言えませんがプラットフォームと言ってる時点でネタバレかもしれませんのでこの辺で。良いお年を!
何が良いお年を!だよ?この大嘘つきが!去年の俺の大嘘つきめ!
何が来年はちゃんとやります、だ?
タイトルは発表になったから言えるけどNetflix映画「新幹線大爆破」は確かに今年の頭から撮影に入って6月には大体の撮影が終わってたんだけど…そのあと編集やCGや音作りとかやってたら、気がつくともう年末…。
純正のNetflix映画だから、自作初の純粋ドルビーアトモス規格になります(ホームですけどね)ので、天井からガンガン音出しますよもう!なんせ新幹線の車内ほどアトモス向きなものはないんじゃないかと!程よい密室と速度感。年内であらかたの作業が終わり、2025年春までに世界同時配信のためのローカライズが行なわれるそうなんです。つまり多国語の字幕、吹き替え音声をこれから作るんだそうで…。
だから、そうじゃなくてどうして半年以上時間があったはずなのにAVウォッチの記事を書かなかったのかって話だよ!
それはですなあ…それまで、つまりパナソニックの4K有機ELビエラ「TH-65MZ2500」をメインモニターに、そしてAVアンプをデノンの「AVR-X4800H」にして2023年段階で構築したシステムがかなりいい感じで、と云うかこれ以上を望むならゼロが一つか二つ乗っけなければ成立しない領域、ミニマムのマックスになった感があります。すなわちこの環境であればある程度の作業確認も事務所で出来ちゃうのです。
と云うことはつまり、仕事の上での安定した環境を仕事の真っ最中に殊更にいじらない方が良いのではないか? と慎重になって、やったことといえばデノンのアンプについてたプリアウトを活かしてLRのチャンネルのみを別回線のパワーアンプで鳴らすようにしたぐらいですかね。
だからハード面というよりもソフトを何で見るか何で聞くか?ってことに尽きるわけです。
配信の手軽さももはや欠かせないけど、丁寧にリマスターした円盤に敵うもの無しであります。
で、ここんところアグレッシブに自社制作の映画をガンガン4K UHD化しているKADOKAWAさんとこ。
かつては兄弟または新旧経営陣の半目からお兄さんの名を冠した公開当時の製作会社マークがバッサリと切られていたりしてたけど、原版を綺麗に4K化して、音響は無理矢理5.1ch化に執着せず、劇場公開時の4チャンネル音源を発掘してくっつけたり、残っていた音楽トラックをまとめてCD化したり、これ以上のものは出すつもりがないような腹の括り方というか覚悟の決め方というか。
その辺のやる気が突っ走りすぎて謎の筆文字タイトルとクライテリオン社を彷彿とさせるハイブロウなイラストジャケットになってるけど、濃密な昭和テイスト溢れるポスタービジュアルが好きな人のために裏側は公開当時っぽいリバーシブルになってるから安心。
そんなKADOKAWA新作は「野性の証明」「君よ憤怒の河を渉れ」という「新幹線大爆破」を撮り終えた俺のために待ち構えていたとしか思えない、主演高倉健、監督佐藤純彌コンビの超大作2連打。本当にこれに「新幹線大爆破」を入れてトリロジーボックスにしたいぐらいの愛おしさよ!
ああ生きててよかった!
そして毎年恒例ですが、来年はちゃんとやるんで、よろしくお願いします。