トピック
レグザ20周年は「RGB Mini LED」「新カテゴリ」で攻める!26年新戦略を訊いた
- 提供:
- TVS REGZA
2026年3月2日 08:00
「レグザさん、ほんと最近元気ですよね……」
内覧会や発表会に参加すると、少し恨めしそうに、こんなことを話すメーカー関係者が増えたように思う。
2025年にTVS REGZAが発売した4Kテレビは、実に12シリーズ49製品におよぶ。これは他のテレビメーカーと比べて倍以上の突出した数字であり、もちろん国内最多だ。
下は43インチから、上は国内最大クラスの超大型116インチまでの豊富な4Kテレビを揃え、今では撤退したメーカーも多い“2Kテレビ”も手堅くラインナップ。BCN総研がまとめたメーカー別のテレビ販売台数によれば、TVS REGZAは2022年から4年連続でシェア1位に輝いている。
ブランドアンバサダーは、人気アイドルグループSnow Manのメンバーでもある目黒蓮さん。目黒さんを使ったカタログや量販店ポスターはもちろん、渋谷街頭には巨大な広告ビジュアルを掲示。テレビ・ウェブCMも頻繁に投下する。
毎週更新の公式YouTubeでは、声優の小岩井ことりさんとブランド統括マネージャーの本村氏(実は生粋の元エンジニア!)によるレグザ劇場を展開。出演者らの軽妙なトークと、メーカーらしからぬ弾けた内容が評判を呼び、番組開始から4年間で、300本超の動画と、約4万人ものチャンネル登録者を獲得するまでになっている。
何かとテレビに関する暗い話題が多い中、ここまで元気なのはレグザくらいだろう。
そんなレグザが今年、ブランド生誕から20周年を迎える。
CES 2026のブースでは、生成AIを活用した新技術に加え、昨年12月に国内一番乗りを果たした「RGB Mini LED液晶テレビ」を大々的に展示するなど、次世代レグザを予見させる内容となっていたが、2026年のレグザはどのような展開を考えているのか?
取締役副社長を務める石橋泰博氏に戦略を訊いた。
毎月1シリーズの高頻度で新レグザを投入。Z8シリーズが大ヒットに
2026年の話の前に、まずは昨年のレグザを振り返ってみたい。
冒頭でも記した通り、昨年レグザはRGB Mini LEDの116インチ「ZX1R」を筆頭に10シリーズ43製品の4K液晶テレビと、2シリーズ6製品の4K有機ELテレビを発表。全12シリーズ49製品ものラインナップを用意した。
主力のミドルクラス(Z8/Z7シリーズ)にもミニLEDバックライト搭載モデルを拡げただけでなく、レグザ十八番のタイムシフトマシン機能を初めて43インチにも投入。75インチで約20万、85インチでも約28万円を切る“手の届く超大画面レグザ”(E3シリーズ)も発売した。
中でも、フラッグシップに引けを取らない画音質性能と機能を備えたハイグレード「Z8シリーズ」が、発売時から好調な売り上げを記録しているという。
ラインナップだけでなく、新技術も光っていた。業界の先駆けとなった、生成AI技術を使った対話型のコンテンツレコメンドや新しい音声チューニング、シーン判別高画質技術などを開発。それをフラッグシップからエントリーにまで惜しみなく採用した。
テレビ以外の新規カテゴリにも挑戦した。春にはレグザブランド初の4Kレーザープロジェクターを発売。目黒蓮さん出演のプロモーションだけでなく、人気声優を招いたイベントを開催し、若い女性にプロジェクターで愉しむ大画面の魅力をアピール。加えて、24年末に参入したゲーミングモニターも製品数を拡げるなど、ゲーム市場に対してもブランドの影響力を高めつつある状況だ。
石橋副社長は、2025年について「レグザにとって非常に恵まれた年でした」と振り返る。
石橋副社長(以下敬称略):85インチ・100インチといった大画面に加えて、ミニLEDやタイムシフトマシンを搭載した“小さいサイズの高付加価値モデル”も戦略的に投入するなど、従来の穴を埋めたラインナップがシェアの更なる拡大に寄与しました。
技術のハイライトは、業界一番乗りの生成AI機能や、昨年末に国内一番乗りを果たしたRGB Mini LED液晶テレビでしょうか。レグザの中には、前身の東芝時代から“日本初”や“世界初”の技術にこだわるエンジニアが多いのです(笑)
ご承知の通り、国内のテレビのマーケットサイズは前年とほぼ同じか、もしくはやや微減という環境が続いています。ですが我々は、開発と営業施策をうまく機能させることで、厳しいマーケット環境にあっても高いシェアを維持することができました。これは大変有難いことで、日頃サポートしてくださる多くの方々にも感謝を申し上げたいですね。
RGB Mini LED技術を映像の進化のコアに据える
では、2026年はどのような戦略を描いているのだろうか。石橋副社長によれば、2026年の成長戦略として“三本の矢”を用意しているという。
まず一本目の矢が、「RGB Mini LED液晶テレビ」だ。
RGB Mini LED液晶テレビは、バックライトにRGB三色の微細なLEDチップを配した、新世代の液晶テレビである。これまでの液晶テレビは、白や青といった単色の光源に対して、量子ドットシートやカラーフィルターで色分けすることで映像を作ってきた。
一方RGB Mini LEDの場合は、“光の三原色”である赤・緑・青の光をバックライトの部分で作り出すことができる。映像に必要な色がそのまま出せるため、雑味の少ない高純度な色が再現でき、また発光体がRGB三つに増えることでさらなる高輝度化がし易いとされる。
レグザは昨年いち早く「116ZX1R」を国内投入したが、ソニー、TCL、ハイセンス、LG、そしてサムスンらも続々と開発・製品化を表明しており、テレビ業界では、2026年が“RGB Mini LED元年”になると見込まれている。
石橋副社長は「レグザとしては、RGB Mini LED技術を映像の進化のコアに据えていきたいと思っています。三原色であるRGBの光を如何に生み出すかというのは、映像技術を語るうえで基本の基。そして、その技術がいま、皆さんのお手元へ届けることができるくらいのコストにまで降りてきている。RGB Mini LED技術を上手く使い、映像の更なる高みを目指します」と、力強く語る。
RGB Mini LED技術において、キモとされているのが制御技術。入ってきた映像信号に対して、数千~数万個のLEDチップを高精度かつ瞬時にコントロールするための“頭脳”が必要になる。しかし、レグザはすでに準備万端だと話す。
石橋:116ZX1Rには、ミニLED液晶や有機ELのフラッグシップとまったく同じプロセッサー『レグザエンジンZRα』が搭載されています。実はレグザの映像エンジンはハードウェアでありながら、ハードウェア的な作り方をしていない。もとからソフトウェアを変えることで柔軟に対応できるアーキテクチャになっていますから、例えバックライトがRGBになっても変わらず、レグザエンジンZRαは高速・高精度な処理を行なうことができるのです。
レグザの技術を支えているのが、東芝時代からのベテランを含む約200名ものエンジニア陣だ。他社が採用するGoogle TVやFire TVといったビック・テックのOSに頼らず、レグザ独自のOSを使いながら機能を進化させてきた。
石橋副社長は、画質・音質だけでなくDNNの最適化、ローカルな録画機能、UIまですべて内製化できているのもレグザの特長だと語る。
石橋:レグザは、UX(ユーザーエクスペリエンス)も大事にしたいと考えています。生成AIを使った最新の機能を採り入れながらも、その一方で、テレビは簡単に使えるべきものでなければならないのです。
今年採用したレグザ インテリジェンスの最終的な進化は“以心伝心”です。没入感を壊さずにリラックスした状態で、ユーザーが見たいものに素早くリーチさせたいと思っています。
そのためにエンジニア陣は、動画配信サービス毎で違うメタデータをレグザの標準メタデータフォーマットに変換したり、番組改編にあわせて独自の辞書を作って“短縮されたタイトル”でも番組スタート時から音声認識してリーチできるよう、とても地道な、面倒くさい作業を手を抜かずに続けてくれています。
一方で、ユーザーが使い慣れているUIの部分、例えば番組表などは『変えるな』と伝えています。OSがアップデートされてUIがコロコロ変わるのは、使い慣れたユーザーに迷いが生じてしまいますよね。『新しいレグザに変えても、昔と同じように簡単に操作できた』という口コミも結構いただきますから。守るべきものは守りながらも、新しい機能はどんどん進化させていくことができるエンジニア陣、技術の厚みが、我々の非常に強い長所なのです。
有機ELも2Kも止めない。ラインナップの豊富さは手放さない
レグザが今年“映像の進化のコア”と位置付けるRGB Mini LED液晶テレビだが、一般ユーザーが気になっているのがサイズだろう。
116ZX1Rが放つ輝度と鮮やかな色彩には目を見張るものがあるが、116インチというサイズ、そして約660万円という値付けは宝くじの当選を願うレベルだ。RGB Mini LEDを使った、現実的なサイズ・価格のレグザは今年登場するのだろうか。
石橋:116ZX1Rは、日本初を目指したシンボリックなモデルです。当然、その先にRGB Mini LED液晶テレビが続いていかなければシンボリックの意味はない。ですから、もちろん様々なインチサイズのモデルで開発を進めています。具体的なお話は、もう少しだけ、お待ちください。
では、有機ELテレビはどうなるのか。有機ELは、画素単位で光る自発光デバイスならではのコントラストや漆黒の表現など、まだまだ液晶デバイスが到達しがたい強みを持つ。近年掲げてきた「有機ELも本気、ミニLED液晶も本気。」というコンセプトは変わってしまうのか。
石橋:ご懸念の有機ELですが、2026年もこれまで通り投入します。テレビにとって有機ELが最高画質と仰られる方も多く、需要があり、ビジネスとして成立するものを止めるつもりはありません。もちろん、従来のミニLED液晶も同様です。2Kテレビも先般新しいモデルを投入したばかりですし、レグザの“ラインナップの豊富さ”は手放しません。他社さんとしっかり、全方位で勝負していきますよ。
隠し玉は“新カテゴリ”投入。海外は“日本ブランドのレグザ”を訴求
二本目の矢は、「新規カテゴリーの拡充」。2024年に投入したゲーミングモニター、そして昨年に投入したレーザープロジェクターのラインナップをさらに強化・拡充させる予定だ。
サウンドバーにも力を入れる。CES 2026では、レグザと“背後”に設置したサウンドバーを組み合わせることでDolby Atmos 7.1.2ch環境を手軽に実現するデモが行なわれていた。従来の前方設置にとらわれない、サウンドバーの新しいスタイルがお目にかかれそうだ。
しかも、「新規カテゴリーは別もある」という。
石橋:TVS REGZAのTVSは“トータルビジュアルソリューション”の略なのです。我々が目指す“総合AVメーカー”への基礎固めとして、今年これまでとは異なる、複数の、新規カテゴリーの市場投入を行ないます。それは何か? ここでお話しすると、発表会の時のサプライズがなくなってしまいますからね(笑)。どのようなカテゴリーの商品が飛び出すか、楽しみにしていただきたいです。
そして三本目の矢が、「グローバル市場への再参入」だ。
北米や一部の東南アジア地域では、東芝の名前を冠したブランドビジネスが行なわれていたが、それがいったんリセットされ、新たに“日本ブランドの東芝レグザ”としてグローバルへ再び乗り出す。
石橋:もっと日本らしさを前面に出した商品を、海外で展開します。実は日本ブランドに対するロイヤリティは健在で、まだまだ戦える。“日本ブランド復興”という形で、東芝レグザブランドのテレビをどんどん増やしてゆく計画です。
今から20年前の2006年。“本物の高画質を表現する”という思いと共に、ドイツ語「Regsam(躍動感)」の造語と、「Real Expression Guaranteed by amaZing Architecture(REGZA)」の略語から誕生したレグザ。
一時はブランドの危機も囁かれたが、4年連続テレビシェアナンバーワンを掴むまでに復活。そして今年は野心的な“三本の矢”を携え、更なる高みへと動き始めている。2026年も、業界で暴れまわるレグザを見ることができそうだ。

















