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LG、有機EL専用「α9」搭載の“選べる”有機ELテレビ。4K+AI+Dolby Atmos

 LGエレクトロニクス・ジャパンは、4K有機ELテレビの2018年ラインナップ3シリーズ10モデルを4月20日より順次発売する。価格はオープンプライスで、55型~77型までの3サイズを展開する。店頭予想価格は36万円~250万円。

新シリーズOLED G8Pの65型「65G8JPA」

 壁に貼りつけるようなデザインの最上位モデル「OLED W8P」は77型と65型、Dolby Atmosスピーカーの「OLED G8P」は65型、スリムなスピーカーを採用する「OLED E8P」は65型と55型、77型と65型、55型の3サイズ展開の「OLED C8P」、スタンダードモデルで65型と55型の「OLED B8P」の5シリーズ10モデルの「選べる有機EL」を展開。「2017年比で3倍の販売を目指す」という。

新LG OLED TV
5シリーズ10モデル展開

 有機EL(OLED)パネルは各モデルで共通。2017年モデルから大きな変更はないものの白のユニフォーミティ(均一性)を大幅に向上した。また、B8P以外の上位機種では、OLED専用設計の新世代映像プロセッサ「α9 Intelligent Processor」を搭載し、ノイズ除去や色再現などの画質向上を図った。

 独自の人工知能技術「ThinQ AI」を全モデルに搭載。付属のマジックリモコンに話しかけるだけで、テレビの操作を行なえる。ただし、発売時点では日本語対応しておらず、今後チャンネル変更やボリューム操作、Google HomeやAlexaからの操作などに順次対応予定。

選べる有機ELを5シリーズ10モデル展開

 壁掛け可能な「Picture on WALL」デザインの最上位機WP8シリーズや、スピーカーにこだわったG8Pシリーズ、デザインが特徴のE8Pシリーズ、α9 Intelligent Processor搭載のC8Pシリーズ、ベーシックなB8Pシリーズの5モデル展開で、「選べる有機EL」をアピールしている。全モデルがDolby Atmosスピーカーを搭載する。

W8Pシリーズ

 最上位モデルのW8Pシリーズは、77型の「77W8PJA」と65型の「65W8PJA」の2モデル展開で、5月中旬に発売。店頭予想価格は77型が250万円前後、65型が87万円前後。

65W8PJA

 チューナ部が別体となり、ディスプレイ部は「壁にかかった一枚の絵のようなデザイン」の「Picture on WALL」仕様。ディスプレイとチューナ間は、専用のケーブルで接続する。

 チューナ部は、上方向にサウンド出力するハイトムービングスピーカーを含むサウンドバー(コンパニオンボックス)となっており、Dolby Atmosスピーカーとして動作する。テレビをONにすると、スピーカーが現れ、バー内部のアレイスピーカーとともにDolby Atmosの立体音場を再現する。ハイトムービングスピーカー×2と、ミッドレンジ+ツィータ×4、ウーファ×2の8スピーカー構成で、出力は総合60W。

G8Pシリーズ

 2018年に新たに加わった上位モデル。65型の「65G8PJA」を4月20日から発売し、店頭予想価格は82万円前後。

65G8PJA

 W8Pと同様にDolby Atmosスピーカーを搭載するが、ディスプレイと一体化したサウンドバー型スピーカーとなる。1枚のガラスが宙に浮いたような「On Glass Screen」デザインが特徴。前方向に集中的に音を放つFront Firing方式のスピーカーを採用。ツイータとミッドレンジ、ウーファの3ウェイで、出力は総合60W。

E8Pシリーズ

 65型の「65E8PJA」と55型の「55E8PJA」を4月20日より発売。店頭予想価格は65型が71万円前後、55型が49万円前後。ガラスを用いてスクリーンが宙に浮いたようなデザインが特徴で、スタンドを取り外して壁掛けも可能。スピーカー出力は総合60W。

65E8PJA
C8Pシリーズ

 77型まで用意した3モデル構成の中核シリーズ。77型「77C8PJA」、65型「65C8PJA」、55型「55C8PJA」を用意し、77型のみ6月中旬発売、65/55型は4月20日から発売する。店頭予想価格は77型が170万円前後、65型が66万円前後、55型が44万円前後。スピーカー出力は総合40W。

77C8PJA
B8Pシリーズ

 LG OLED TVのスタンダードシリーズで65型の「65B8PJA」と55型の「55B8PJA」の2モデル展開。6月中旬発売で、店頭予想価格は65型が58万円前後、55型が36万円前後。

B8Pシリーズ

α9で有機ELに最適な高画質化。「LG史上最高画質」

 いずれも最新世代の4K/3,840×2,160ドット有機EL(OLED)パネルを採用し、画質を向上。'18年モデルは'17年との比較で大きな変更はないものの、白のユニフォーミティ(均一性)を向上した。

 画質における進化のポイントは、新映像プロセッサ「α9 Intelligent Processor」(以下α9)で、W8P/G8P/E8P/C8Pの4シリーズが搭載。「LG史上最高画質」を実現するという。B8Pのみ、液晶上位機種と同じ「α7 Intelligent Processor」を搭載する。

α9 Intelligent Processor

 α9は有機EL専用に開発した映像プロセッサ。2017年モデルまでは液晶と有機ELで同一のプロセッサを使っていたが、有機ELパネルの特性にあわせて新開発した。処理能力を大幅に向上したほか、4段階のステップで映像内のノイズを徹底的に除去する新たなノイズリダクション機能を搭載。多くのフレームを比較してノイズを探索し、除去するプロセスを2回実施。さらにバンディング低減フィルタを2回適用することで、ノイズを補正して滑らかな階調や色調を再現する。

パフォーマンスを向上
ノイズリダクションの強化や色再現の向上がα9の特徴
ノイズリダクションの動作イメージ

 シャープネスやコントラストの制御も高度化。画像内の周波数を分析して、オブジェクトのテクスチャを鮮明にし、エッジをシャープに再現。映像内の背景と手前のオブジェクトを識別して、コントラストを高めることで奥行き感を向上する。「Tru Color Accuracy Pro」により色解析を行ない、色の再現性も高めている。

シャープネスやコントラストの制御も高度化

 さらに、4K HFR(ハイフレームレート)に対応。秒間120フレームでの表示に対応した。スポーツなどの動きの激しいコンテンツでもブレを感じさせずに再現できるとする。なお、4K/120p表示は発売時点では、USBからの動画再生のみでの対応となり、今後他のメディアでも4K HFRコンテンツが増えてきた場合に順次対応予定としている。

4K HFR対応

 HDR映像ポテンシャルを最大化するという「Cinema HDR」に対応。Dolby VisionとHDR10、HLG方式のほか、Advanced HDR by Technicolorにも対応する。

HDR対応も強化

 ハリウッド映画の色彩マネジメントに関わるTechnicolorと連携した「Technicolorエキスパートモード」を搭載し、オリジナル映像に近い画質を実現。SDR映像をHDR化する「HDR効果モード」も、ハイライト検知機能の追加やトーンマッピングの最適化などで、HDR効果をさらに引き出せるようになったという。ダイナミックレンジは21 Stops。'17年モデルの20Stopsから明方向が1Stop拡大している。

ThinQAIによるAI連携も

 LGグループ全体で推進するAIによる家電連携機能「ThinQAI」に対応。付属の「マジックリモコン」のマイクにキーワードを話せば、放送番組やYouTube、VOD、Webページなどの検索や選択が可能となる。

マジックリモコン

 声による操作にも対応し、英語など10言語では、目当てのコンテンツやアプリの機能、設定変更などのテレビ操作が行なえる。しかし、4月の製品発売時点では日本語には対応していない。

 LGエレクトロニクスでは、4段階のThinQAI強化を準備しており、テレビ操作やスマートスピーカー対応は2018年夏頃までの対応を予定しているという。

  • 音声によるネット・コンテンツ検索(対応済み)
  • 音声によるアプリの起動やチャンネルや音量などのテレビ操作(コマンド・自然語対応)(日本語は対応時期未定)
  • Google HomeやAlexa(=外部スマートスピーカー)との連携(2018年夏頃対応予定)
  • テレビからのレストラン予約など外部サービスと連携した機能(対応時期未定)

 OSはweb OS。新たに「モバイルコネクションオーバーレイ」に対応し、Miracast対応のAndroidスマートフォンの画面をテレビに重ねる用に表示可能となった。これにより、テレビ画面を表示しながらネットやチャットを楽しめるという。

モバイルコネクションオーバーレイ

 加えて、アプリをリモコンから一発起動できる「お好みボタン」を装備。番号キーを長押しするだけで、任意のサービスなどをワンボタンで起動できる。

 Bluetoothを備えており、LG OLED TVをBluetoothスピーカーして利用できる。また歌詞のシンク表示にも対応したミュージックプレーヤーや写真表示機能を装備。映像を最大500%まで拡大できる「マジックズーム」にも対応する。

HDMIは4系統が4K/60p対応

 チューナは、W8P/G8P/E8P/C8Pシリーズが地上/BS/110度CSデジタル×3、B8Pシリーズが×2。いずれも別売のUSB HDDへの録画に対応する。LAN端子や無線LANを装備。ハイブリッドキャストにも対応する。USB端子は3系統。

 HDMI入力×4を装備し、いずれも4K/60p対応。コンポーネント映像入力×1やコンポジット映像入力×1、アナログ音声入力×1、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン出力×1を装備する。

 W8Pシリーズは、77型の消費電力が797W、65型が507W。年間消費電力量は77型が425kWh/年、65型が300kWh/年。外形寸法/重量は77型のパネル部が172.1×0.6×98.9cm(幅×奥行き×高さ)/12.3kg、66型が144.6×0.4×82.3cm(同)/6.7kg。コンパニオンボックスは77型が146×10×20.8cm/13.1kg、65型が126×9..4×19.8cm/10kg。

 G8Pシリーズの65型の消費電力は507W、年間消費電力量は300kWh/年。外形寸法は144.9×25×95cm(幅×奥行き×高さ)、重量は39.5kg。

 E8Pシリーズは、65型の消費電力が487W、55型が366W。年間消費電力量は65型が280kWh/年、55型が230kWh/年。外形寸法/重量は65型が144.9×22.2×91cm(幅×奥行き×高さ)/29.9kg、55型は122.8×22.2×78.4cm(同)/23.8kg。

 C8Pシリーズの消費電力は77型が757W、65型が483W、55型が362W。年間消費電力量は77型が380kWh/年、65型が280kWh/年、55型が230kWh/年。外形寸法/重量は77型が172.2×25.3×105.2cm(幅×奥行き×高さ)/36.5kg、65型が144.9×22×88.1cm(同)/25.4kg、55型は122.8×23.2×75.7cm(同)/19.1kg。

 B8Pシリーズの消費電力は65型が477W、55型が353W。年間消費電力量は65型が259kWh/年、55型が204kWh/年。外形寸法/重量は65型が144.9×22×87.2cm(幅×奥行き×高さ)/22.5kg、55型は122.8×22×74.9cm(同)/17.8kg。

 4月20日から6月30日まで、新LG有機ELテレビ購入者向けのキャンペーンも実施。有機ELテレビ購入者にBDプレーヤー「UBK80」をプレゼントするほか、2018年モデルの有機ELテレビと、ホームクリーニング機「LG styler」を同時購入すると、5万円をキャッシュバックする。

 有機ELテレビのほか、直下型LEDバックライト搭載の液晶テレビ新シリーズや、DTS Virtual:X対応の4K液晶テレビの「UK7500P」や「UK6300P」も4月20日より順次発売。それらは別記事で紹介する。

2018年モデルのLGテレビ