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39,980円のAK×JH AUDIOコラボイヤフォン「ビリー・ジーン」。小型筐体でBA×2基

 アユートは、Astell&KernとJH AUDIOのコラボイヤフォン「THE SIREN」シリーズの新モデルとして、2ウェイのデュアルバランスドアーマチュア(BA)構成で、直販39,980円(税込)の「Billie Jean」(ビリー・ジーン)を発売する。ユニバーサルタイプで、発売日は5月下旬。価格はオープンプライス。

「Billie Jean」

 製品名は、マイケル・ジャクソンの楽曲をモチーフとしている。開発者・Jerry Harvey氏は、「Billie Jeanは、Astell&KernとJerry Harvey Audioの、初めてのデュアルBAドライバーモデルであり、Jerry Harvey Audioの象徴的とも言えるロックンロールサウンドを特徴としている。freqphaseテクノロジーを始めとする多くの独自技術が、バランスのとれたワイドなサウンドステージ、比類のないダイナミックレンジを実現し、このイヤホンを素晴らしいものにしている」とコメントしている。

 独自開発のカスタムBAを採用。高域用と中低域用の構成で、高域用が情報量の全てを再生、中低域用は限りなくフラットな中域と、歪を最小限に抑えた低音を再生するという。

 上位機種と同様に、独自のfreqphaseテクノロジーを導入。これは、独自のチューブウェイブガイドを使う事で、ドライバの信号を0.01ミリ秒以内に確実に到達させるもの。2ドライバ構成の時間軸と、各帯域の位相を正確に制御するという。

 さらに、新技術の「アコースティック・チャンバー・サウンド・ボア」を採用。ノズル部分にアコースティックチャンバーを設けたもので、特に高域特性の最適化されたワイドレンジ再生を実現。導管に汗や異物が入り込む事を防止する効果もあるという。

ノズル部分にアコースティックチャンバーを設けた「アコースティック・チャンバー・サウンド・ボア」

 幅広い年齢層の男女ユーザーを対象に、装着テストを重ね、フィット感に優れたサイズを追求。その結果、Michelle Limitedよりも30%の小型化を実現した。ユニバーサルタイプのイヤフォンだが、カスタムに近いフィット感が得られるという。

 ケーブルはMichelle Limitedに使われているものと同じ。銀メッキ銅線を圧縮し、平らにした状態で強化繊維のケブラーに巻き付け、高い伸張強度を備えた適度な反発力を実現している。

着脱可能で、イヤフォンとの接続は2ピンタイプ

 着脱可能で、イヤフォンとの接続は2ピンタイプ。入力は3.5mmのステレオミニで、バランスケーブルは付属しない。

 インピーダンスは18Ω。遮音性は-26dB。シリコンイヤーピースはS/M/Lの3サイズ同梱する。

音を聴いてみる

 音を出す前に強く感じるのは、これまでのTHE SIRENシリーズと比べて、筐体が大幅に小さい事だ。そのため、装着しやすく、装着後の安定感も高い。「音が良いイヤフォンが欲しいけど、あんまり大げさなサイズはちょっと……」という人にも、マッチするサイズ感だろう。

 だが、小さくなっても出てくる音はJH AUDIOらしいハイクオリティなものだ。傾向としては、中低域がややパワフル寄りで、ロックなどを気持ちよく、力強く聴かせてくれる。BAの2ドライバ構成だが、ダイナミック型ドライバが入っているのかと思うほど、音圧が豊かなのも特徴と言える。

 低域がパワフルだからといって、全体が低音に覆われてボワボワする事もなく、高い低域の分解能も両立している。ベースがブルンと震える、弦のほぐれ具合なども描写できている。

 高域にわずかに付帯音を感じるが、“こもり”と言うほどのものではなく、パワフルな中低域に負けない、鋭く強い高域だ。

 モニター寄りの落ち着いた描写のイヤフォンではなく、音楽の美味しいところを、たっぷりと味わわせてくれるモデルだ。これは“JH AUDIOらしい”部分であり、その旨味がこの価格、サイズで体験できる。JH AUDIOのファンだけでなく、今まで気になっていたけど手が出なかったという人にも、注目度の高い新製品だ。