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カナダから初上陸、パラダイム最上位スピーカー「Persona」7機種。ベリリウム活用
2019年3月27日 20:45
PDNは27日、総輸入代理店契約を締結し、日本で展開する静電型スピーカーのマーティン・ローガンと、カナダから初上陸となるパラダイムのスピーカーを国内で披露。パラダイムの最上位モデル「Persona」(ペルソナ)シリーズ7モデルを4月から順次発売する。フロア型最上位の「Persona 9H」は3,400,000円(1台/ペア販売)。ブックシェルフ「Persona B」は750,000円(1台/ペア販売)。
ここではパラダイムの製品ラインナップを紹介。マーティン・ローガンについては、別記事でレポートする。パラダイム製品のラインナップと価格は以下の通り。
- Persona 9H(6ドライバー/3.5ウェイ/フロア型)
3,400,000円(1台/ペア販売) - Persona 7F(4ドライバー/3ウェイ/フロア型)
2,400,000円(1台/ペア販売) - Persona 5F(5ドライバー/3ウェイ/フロア型)
1,600,000円(1台/ペア販売) - Persona 3F(4ドライバー/3ウェイ/フロア型)
900,000円(1台/ペア販売) - Persona B(2ドライバー/2ウェイ/ブックシェルフ)
750,000円(1台/ペア販売) - Persona C(6ドライバー/3ウェイ/センター)
1,500,000円 - Persona SUB(6ドライバー/アクティブサブウーファー)
1,400,000円
パラダイムは、ジェリー・バンダーマレルとスコット・バグビーによって1982年に設立。拠地はカナダのトロント。“パーフェクトサウンド”をコンセプトに、創業以来、正確な音の再現を追求。カナダの国立研究機関(NRC)と連携し、音と人間の聴覚に関する信頼性の高い研究結果を元に、「革新的かつハイパフォーマンスな製品を開発」してきたという。全ての音質パーツの設計・製造まで自社で行ない、スピーカーユニットの製造からキャビネットの組立てまで、“オールCrafted in Canada”にこだわっている。
Personaシリーズは、純度99.9%の「Truextent Beryllium振動板」を採用している事や、特許技術であるPPA(Perforated Phase-Aligning)音響レンズなどが特徴。全てのパーツは自社で設計・製造されている。フロア型、ブックシェルフ型に加え、センタースピーカーやサブウーファーもラインナップ。Hi-Fiからホームシアターまで対応する。
Persona SUBを除く、シリーズの全モデル中高域ユニットには、純度99.9%のベリリウム振動板を採用した「デュアルTruextentベリリウムドライバーシステム」を搭載。サイズはミッドレンジが18cm、ツイーターが2.5cm径。
独自の製法によって作られるベリリウム振動板で、非常に均一な粒子構造を有し、一般的なベリリウム振動板に比べ軽量・高硬度で、圧倒的にハイスピードな伝搬速度を誇るという。これにより「限りなくピュアで、音楽のディテールまで忠実に描き出す高解像度な音を実現」したとする。
高帯域の音は反射などの影響により干渉を起こしやすく、音の透明感を損なう原因になる。特許技術のPPA音響レンズは、位相調整機能を持つドライバーレンズを中高域ユニットに搭載することで、音の流れをスムーズにし、位相のずれた周波数の相互干渉を低減。色づけのない、細部まで美しい音を再現できるという。
ロングストロークX-PALウーファーには、ディファレンシャル駆動方式の磁気回路と、I-beam断面支持アームを介してアウターコーンとボイスコイルを固定する独自の2部構造を採用。スピーカーエッジには、射出成形の熱可塑性エラストマー素材を使用したエッジをドライバーコーンにダイレクトに被せる特許技術ARTを採用。低歪みかつハイパワーな低音再生を可能にした。
ウーファーのサイズと数は、Persona 9Hが215mm×4、Persona 7Fが215mm×2、Persona 5Fが178mm×3、Persona 3Fが178mm×2、Persona Bが178mm×1、Persona Cが178mm×4、Persona SUBは203mm×6。
最上位の「Persona 9H」は、ウーファー用にエネルギー効率に優れた、総合出力1,400W(700W×2)のクラスDアンプを搭載したハイブリッドモデルとなる(中高域はパッシブ)。アダプティブPWM(パルス幅変調)を採用することで、正確かつスムーズな信号増幅を可能とし、アクティブスピーカーならではのレスポンスに優れたダイナミックな音を再現できるという。
さらに、部屋の環境に合わせて最適な音質が得られるアンセム・ルーム・コレクション(ARC)テクノロジーも投入。専用マイクを使ってリスニングルームの低周波音の出力を測定、最適な応答曲線と比較しスピーカー出力の低周波数曲線を理想的な数値に最適化することで、「パラダイムのオーディオ・テストラボと同等のパフォーマンスを手軽に得られる」という。
アクティブサブウーファのPersona SUBには、1,700W出力のパワーアンプを搭載。ARCにも対応している。
サブウーファ以外の筐体はラウンド加工され、音響解析を元にしたブレーシング、ダンピング処理も施し、キャビネットの響きを活かしながらも、音の濁りの原因となる不要な振動やキャビネット内部の定在波を効果的に低減。フォーカスの合った、透明感溢れる音に寄与している。
外形寸法と重量は、Persona 9Hが300×520×1,320mm(幅×奥行き×高さ)で、86kg、Persona 7Fが300×520×1,320mm(同)、65kg、Persona 5Fが241×427×1,185mm(同)、43kg、Persona 3Fが241×427×1,126mm(同)、34kg、Persona Bが225×330×435mm(同)、14kg、Persona Cが914×415×263mm(同)、38kg、Persona SUBが512×480×525mm(同)、53.6kg。
5色のスタンダードカラーに加え、18色のプレミアムカラーの中からスピーカーキャビネットの色を選択可能。バッフルやスピーカーコーン、リングなどの色も自由に選択できる。ただし、オリジナルカスタムは受注生産品となる。詳細はパラダイム・デザイン・スタジオのWebページを参照のこと。また、価格もスタンダードカラーとは異なる。
製品開発とR&Dの統括責任者であるゾルタン・バラ氏は、北米にある製造施設に、民間では北半球最大の無響室がある事、2つのブラインドテストルームもあり、業界最先端のスピーカーテスト・測定システムを保有している事、カナダ国立研究機関(NRC)の規定レベルを超える環境基準を誇っている事などを紹介。
「科学、光学、芸術、そして生産方法、各要素のバランスを研究している。単に良い音を出すためだけでなく、スピーカーが使われる部屋によりしっくりと馴染む事、より高い価値を提供するための最適解を探すためだ」と説明。再生音には「特有のクセがなく、どんな空間にも優雅に溶け込む」とアピールした。