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final「D8000 Pro Edition」、Cayin初イヤフォン、“INAIR”のバランス接続対応版
2019年7月13日 19:31
国内最大級のイヤフォン&ヘッドフォン体感イベント「ポタフェス SPRING/SUMMER TOUR 2019 東京・秋葉原(通称:ポタフェス)」が7月13日、14日、東京・秋葉原のベルサール秋葉原で開催。入場は無料。ここではfinal、Cayin初のイヤフォン、オンキヨー&パイオニアなどのブースを紹介する。
S’NEXT
finalブランドのブースでは、7月31日に発売する、プロ用チューニングを施した「D8000 Pro Edition」が試聴できる。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は438,000円前後(税込)。
'17年11月発売の平面磁界型ヘッドフォン「D8000」をベースに、レコーディングエンジニア向けに音質調整を施した特別モデル。“一般的なコンシューマーより大きめの音量で聴取したい”という録音のプロの要望を受け、従来の繊細な音質はそのままに、空気層の摩擦を活用する独自技術「AFDS」を再チューニングしている。
その結果、ダイナミックレンジの広い「クラシック音楽」などの聴取を得意としていた「D8000」に対し、「D8000 Pro Edition」はダイナミックレンジの狭い「POPS」や「ロック」などを聴取する際に、より解像感が高いと感じられる音質になったという。ブースでは、通常の「D8000」との聴き比べも可能だ。
Questyleからは、「QPM」というハイレゾプレーヤーが参考出品。Questyleの純A級/フルバランスアンプ搭載のプレーヤー「QP2R」の上位機種として開発されているもので、価格や発売時期は未定だが、20万円程度のイメージだという。
最大の特長であるアンプ部を強化しており、出力は「QP2R」と比べて150%に向上。SN比も2.5倍に向上したとする。また、Questyleのハイレゾプレイヤーとして初めて4.4mmバランス接続に対応しているのもポイントだ。
他にも、先月発売されたfinalの新シリーズ「Bシリーズ」を、多くの来場者が試聴している。
DITAの新製品「Dream XLS」も参考展示。2017年に発売されたフラグシップモデル「Dream」の後継機種として作られているもので、「XLS」は「エクストララージサウンドステージ」の意味。その名の通り、広大なサウンドステージを堪能できるイヤフォンだという。
Cayin
Cayin初のイヤフォン「YB04」を出展。4基のBAユニットを搭載しており、内訳は「Sonion 33AJ007」×1、「Knowles SWFK-313736」×3。シェルはCNC削り出しの航空機グレードのアルミニウム。8月上旬頃の発売予定で、価格は未定だが、6万円台をイメージしているという。
感度は113dB@1KHZ、インピーダンスは30Ω。再生周波数帯域は18Hz~40kHz。ケーブルは1.3mで、8芯編み込み。着脱可能で2ピンタイプとなる。
筐体は、1万人を越えるユーザーの耳型のデータベースから様々な調整を施し、長時間リスニングが快適に行なえるようデザインしたという。クロスオーバーには、異なる素材の線材と部品を使用。何度も最適な回路構成を調整した末に、参考出品が実現したという。
「聞き始めは、情報量が幾分少なく感じるかもしれませんが、あえて過度な音の密度を演出しないようにしています。これにより、音のディテールがリアルで自然なアコースティックサウンドを体感出来るようなイヤフォンになることを目指している」とのこと。高級感のあるケースも付属する。
オンキヨー&パイオニア
オンキヨーは、小型で高音質を実現したというマグネシウム振動板採用のBAドライバーを、8月から量産開始予定。このドライバーを使ったイヤフォンの試作機を、会場に用意している。オンキヨーブランドのカスタムイヤフォンに採用するほか、OEMとして他社製品にも採用される事が決定しており、秋以降順次生産開始する予定。
同社は2015年に、実用金属材料では最軽量とされるマグネシウム振動板を採用した、ハイレゾ対応ヘッドフォン用ドライバーの開発に世界で初めて成功しており、2019年にはBAドライバー用としては世界最薄となる振動板も開発。こうした研究開発の積み重ねの末に誕生したのが、新ドライバーとなる。
試作機は、このドライバーをフルレンジで使ったものと、2ウェイ2ドライバー(高域×1、低域×1)で使ったもの、2ウェイ3ドライバー(高域×1、低域×2)で使ったもの、3種類を用意している。
なお、オンキヨー&パイオニアのブースには、今後取り扱いを検討しているというKlipschの製品も参考展示。ジッポーライターのケースのような収納・充電ケースが特徴の、完全ワイヤレスイヤフォン「T5 TRUE WIRELESS」などを用意している。
INAIR
独自構造により“スピーカーのような聴こえ方がする”というイヤフォンを展開するINAIR。その、派生モデルとして試作されている“バランス接続対応モデル”が参考展示された。発売日や価格は未定。
アルミの筐体を採用し、新たにケーブル着脱に対応。イヤフォンの筐体が小さいため、滑らかな着脱が可能な日本ディックス社製「Pentaconn Ear」というリケーブル用プラグを採用。バランス接続用ケーブルとしては、2.5mm、4.4mmのものをオプションとして販売予定。
バランス接続の高音質サウンドをしっかり再生するため、ドライバやチューニングなどは従来モデルから刷新。よりワイドレンジな再生が可能になっているという。
Artio
Artioのブースでは、「スピーカーの音の聴こえ方を仮想的に再現した」というイヤフォン「CR-V1」と「CR-M1」を出展。クラウドファンディングをGREEN FUNDING by T-SITEでスタートしており、一般販売予定価格はCR-V1が39,700円(税込)、CR-M1が15,000円(税込)。早期割引特典として、150個限定で30% OFFとなる、CR-V1が27,790円(税込)、CR-M1が10,500円(税込)の支援プランも用意している。
CR-V1/CR-M1に共通する特徴は、“スピーカー再生の音を仮想的に再現する”ための「WARP(Wide Area ReProduction System)」システムを備えている事。
帯域・レベル・位相などを調整したLチャンネルとRチャンネルの信号を、それぞれ反対側のチャンネルに混ぜ合わせて再生。人間が、耳で音を聴く際に、自然に起こるクロストークを再現する事で、音の距離や位置を判断するための情報を追加。音の広がりを感じさせるというもの。
これにより「頭内定位を和らげ、音が広がって聴こえるようになる。それぞれの楽器に距離が生まれることで音が被らないため、楽器の配置や奥行きを明確に感じることができ、音源の細やかな表現までも再生する」という。
パイオニア
パイオニアのブースでは、ハイレゾワイヤレスオーディオ「Stellanova」の新製品として製品化が検討されている、リミテッドモデルを参考展示。
機能面は通常モデルと同じだが、スピーカー用アンプに高出力LSIを採用、電源回路の構成や部品を徹底的に再検討し、音生成のコアとなるDAC出力段もチューニング。
USB DACアンプ・ワイヤレスユニットとも、徹底的にノイズを除去。オペアンプ数を1段削減するなど、情報劣化も極力避け、音質をさらに高めたモデルとして開発されている。
筐体はアルミで、ブラックとローズゴールド色のダブルアルマイト処理を施している。
MUSIN
MUSINのブースでは、iBasso AudioのハイレゾプレーヤーDXシリーズが試聴できるほか、アンプモジュールも用意。次世代真空管の「Nutube」を採用したアンプモジュール「AMP9」のサウンドもチェックできる。
GREEN FUNDING
GREEN FUNDINGのブースでは、クラウドファンディングで支援を集めている4製品を紹介している。
「earsopen」は、世界初の完全ワイヤレス骨伝導イヤフォン。「音楽モデル」、「聴覚補助モデル」の2つのラインナップを用意しており、「前作よりも音質・デザインがさらに進化した」という。
ティザーサイトでメールアドレスの登録が可能で、登録者には先行的に情報を配信。7月23日からクラウドファンディングを開始する予定。
「GRAIN」は、「世界最小ワイヤレスイヤフォン」とアピールしている製品。重量は1.3gしかなく、サイズも耳栓よりコンパクト。洗練されたデザインで、「男女問わずスマートに耳にフィットする」という。
ハンドメイドオーディオメーカー、MHaudioが手がけるハイブリッド真空管アンプ「MHaudio UA-1」も出展。コンパクトなアンプだが、真空管を交換して音の違いを楽しむことも可能だ。
Maktar(マクター)製の小型ポータブルDACアンプ「Spectra X2」と「Spectra X」のクラウドファンディングも開始。プロジェクトはGREEN FUNDINGで行なっており、9月2日23時59分までで、目標金額は50万円。通常価格は「Spectra X2」が30,024円、「Spectra X」が26,784円だが、50個限定で30% OFFなど複数の支援プランが用意されている。
外形寸法は11.2×89mm(直径×高さ)とスリムなスティックタイプ。重量は17g。「Spectra X2」と「Spectra X」の違いは端子部と搭載DACで、Spectra X2はLightning端子を採用。Lightningポートを持つiPhone、iPadと直接接続できる。Spectra XはUSB-AとUSB-Cの2種類の製品があり、USB-AタイプはUSB-Aポートを備えたPC、 Mac、 PlayStation 4との接続を想定。USB-Cタイプは、USB-CポートのPC、Mac、Nintendo Switchと接続する。
Spectra XのDACチップはESS Technology「SABRE 9018Q2C」を採用。Xtra SOUNDによる歪み低減テクノロジーも組み合わせ、「最高クラスにまで音質を引き上げた」という。「Spectra X2」は、さらに上位クラスのチップ「SABRE 9118Q2C」を搭載する。
どちらのモデルも、PCMは384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまで対応。ステレオミニのイヤフォン/ヘッドフォン出力を備えており、最大出力は2Vrms@600Ω/49mW@32Ω。