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マランツ、8K/60p、4K/120p対応の9ch AVアンプ「SR6015」。148,000円

「SR6015」

ディーアンドエムホールディングスは、マランツブランドのAVアンプ新製品として、「SR6015」を9月中旬に発売する。価格は148,000円でカラーはブラック。

ミドルクラスのAVアンプながら、Dolby Atmos、DTS:X、さらにIMAX Enhancedや、新4K/8K衛星放送の音声フォーマットであるMPEG-4 AACもサポート。さらに、8K/60p、4K/120pといった高解像度、ハイフレームレートな映像もパススルー可能。HDR10+、HDCP 2.3、eARCなど、最新の映像コンテンツを楽しむための新規格に幅広く対応している。

Dolby Atmos、DTS:Xに対応しているため、頭上も含む全方位に展開する自然な音響空間に包み込まれることで、映画の世界に入り込んだようなサラウンド体験が可能という。

9chのパワーアンプを搭載し、パワーアンプを追加せずに5.1.4ch、7.1.2システムを構築可能。さらに、11.2chプロセッシングに対応しているため、2chパワーアンプを追加すれば7.1.4までシステムの拡張が可能。11.2chのプリアウトを装備している。

ソースがハイトスピーカー信号を含まない従来のチャンネルベースのコンテンツでも、Dolby SurroundやNeural:Xを使い、3Dサウンドにアップミックスすることも可能。

IMAXとDTSによる性能基準を満たしたIMAX Enhanced認定製品で、IMAXとDTSの技術でリマスターされたIMAX Enhancedコンテンツの再生に最適化されたサウンドモード「IMAX DTS」、「IMAX DTS:X」が使用可能。

新4K/8K衛星放送で採用されている音声フォーマットのMPEG-4 AAC(ステレオ、5.1ch)に新たに対応。4Kや8Kの高解像度な映像を臨場感豊かなサラウンドサウンドと共に楽しめる。

「SR6015」

バーチャル3Dサラウンドの「Dolby Atmos Height Virtualizer」と「DTS Virtual:X」にも対応。ハイトスピーカーやサラウンドスピーカーを設置していないステレオ、5.1ch、7.1chなどの環境でも、高さ方向を含むあらゆる方向からのサウンドに包まれるイマーシブオーディオが体験できるとする。

パワーアンプは9ch搭載。同社のHi-Fiコンポと同様に、原音に忠実な再生を追求するために、パーツ一つ一つの選定や回路設計の自由度が高いフルディスクリート・パワーアンプを採用。チャンネル間の音質差をなくすために全9chを同一構成としている。

肉厚なアルミ押し出し材を使用したヒートシンクに、2分割したパワーアンプ基板を取り付け、放熱性を高め、振動にも強い構造とした。実用最大出力は220W(6Ω、1kHz、THD 10%、1ch駆動)。

サラウンドバックおよびハイトスピーカーを1組しか接続していない場合には、余ったパワーアンプをフロントスピーカーのバイアンプ駆動に使うことも可能。2組のフロントスピーカーを接続して、再生するコンテンツや気分に合わせて切り替える事も可能。

電源回路のキーパーツには、入念なリスニングテストで厳選したという高音質パーツを投入。パワーアンプ回路に電源を供給するブロックコンデンサーには、SR6015専用に開発されたカスタムコンデンサー(12,000μF×2)を採用。電源トランスにも大型のEIコアトランスを採用することで、大音量再生時にも余裕をもった電源供給が可能という。

電源部の強化と同時にパワーアンプなどの周辺回路の細部に至るまで徹底した音質チューニングを実施。きめ細かく表情豊かな音色と、透明感が高くより深い奥行きを感じさせる空間表現力を実現したとする。

上位モデルと同様に、プリアンプ回路にはマランツの特徴と言える高速アンプモジュール「HDAM」を採用。広帯域にわたるフラットな周波数特性とハイスルーレートが特徴で、ワイドバンド化するサウンドトラックやハイレゾ音源に対応。

入力セレクター、ボリューム、出力セレクターそれぞれの機能に特化した高性能カスタムデバイスを採用する事で、内部の信号経路を最短化。不要な信号経路の引き回しを無くし、透明感が高く情報量の豊かなサウンドを追求している。

HDMI入力およびネットワークオーディオの音質向上を目指し、コンデンサーや抵抗など数多くのパーツの品種や定数を見直したほか、基板上のパターン強化、クロックモジュールの振動対策なども行なった。

信号処理用には、32bitフローティングポイントDSPを2基搭載。11.2ch分の信号処理を余裕をもって行なえるようにしている。

DACには、旭化成エレクトロニクスの「AK4458VN」を採用。ディテールの表現力向上のために、出力抵抗に高精度な薄膜型金属皮膜抵抗を使用した。

高周波ノイズコントロールDSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路への電源供給には専用のローノイズSMPSを使用し、アナログ回路との相互干渉を排除。デジタル電源回路の動作周波数を通常の約3倍に高速化し、スイッチングノイズを再生音に影響の及ばない可聴帯域外へシフトさせている。

DAC回路は専用基板で独立させることで、シールドによる回路間のノイズの飛び込みを抑制。電源ラインに流入するノイズはデカップリングコンデンサーを用いて除去している。コンデンサーの種類や定数はサウンドマネージャーによる試聴を繰り返して選定。導電性ポリマーコンデンサーや薄膜高分子積層コンデンサーなど高性能なパーツを贅沢に使用した。

スピーカーターミナルは、すべての端子にスクリュー式を採用。バナナプラグにも対応する。全端子を水平に配置する事で、ケーブル接続を容易にした。

専用マイクによるオートセットアップ機能「Audyssey MultEQ XT32」も装備、下位グレードである「Audyssey MultEQ XT」と比べ、32倍のフィルター解像度で補正。最大8ポイントでの測定結果をもとに、スピーカーの距離、レベル、およびサブウーファーのクロスオーバー周波数を最適な状態に自動設定。接続されたスピーカーとリスニングルームの音響特性を測定し、時間軸と周波数特性の両方を補正することで、ルームアコースティックを最適化する。2台のサブウーファーを個別に測定、および補正する「Sub EQ HT」も搭載。

セットアップマイクを取り付けるためのマイクスタンドも付属。マイクの高さを座ったときの耳の高さに合わせて調整することで、より精度の高いスピーカーのセットアップが可能。

ドルビーイネーブルドスピーカーについては、Audyssey MultEQによる自動補正に加え、天井までの高さを設定することでさらに補正の精度を高めることができるという。

アプリ「Audyssey MultEQ Editor」も用意。AVアンプ単体では設定できない詳細な調整項目も用意する。

HDMI端子は7入力、3出力を搭載。そのうち、入力は1系統、出力は2系統が8K/60p、および4K/120pのパススルーに対応。また、すべてのHDMI端子が最新の映像コンテンツに対する著作権保護技術「HDCP 2.3」に対応。衛星放送やインターネットを通して配信される4K/8K Ultra HDコンテンツの高精細映像をハイクオリティなサウンドとともに楽しめる。

入力されたアナログ映像、HDMI映像信号を8K/60pや4K/60pなどにアップスケーリングする事も可能。フレームレート変換は行なわない。

HDR映像は、HDR10、Dolby Vision、HLGに加えて、新たにHDR10+およびDynamic HDRにも対応。最新のパッケージメディア、ストリーミング、放送などソースを問わず表現力豊かなHDR映像が楽しめる。eARC、CECもサポートする。

HDMI 2.1の新機能「ALLM(Auto Low Latency Mode)」、「VRR(Variable Refresh Rate)」、「QFT(Quick Frame Transport)」、「QMS(Quick Media Switching)」に対応。ALLMはコンテンツの種類に応じて画質とレイテンシーのどちらを優先するかを自動で切り替える機能。ゲームやVRコンテンツを再生する際には、レイテンシーが最小になるよう自動で設定され、操作に対する画面表示の遅れを最小化する。その際AVアンプは画質調整やi/pスケーラー、オートリップシンクなど、レイテンシーに影響する機能を停止する。

VRRは、PCやゲーム機などの映像ソース機器とディスプレイを同期させ、任意のタイミングでリフレッシュレートを切り替え。これにより画面割れ(ティアリング)やカクつきなしに映像を表示できる。

QFTは、ディスプレイ側のフレームレートは変更せずに、映像ソース機器からの伝送速度を上げることでレイテンシーを低減し、ゲームやVRコンテンツにおける表示の遅延を解消・スムーズでシームレスな映像を実現する。QMSは、ディスプレイとソース機器のリンクを維持したままフレームレートや解像度を切り替え。これにより従来発生していた画面のブラックアウトや表示の乱れの問題を解決する。

ワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」のテクノロジーによるネットワークオーディオ機能も搭載。LAN内のNASなどに保存した音楽ファイルや、USBメモリーに保存したファイル、スマートフォン、タブレット、Bluetooth機器など、多彩な音源を再生できる。

Amazon Music HDをはじめ、AWA、Spotify、SoundCloudなどの音楽ストリーミングサービスにも対応。Amazon Alexaもサポートし、Alexa搭載デバイスからの音声コントロールも可能。

ネットワーク再生はハイレゾもサポート。PCMは192kHz/24bitまで、DSDは5.6MHzまで対応する。AirPlay 2やBluetoothにも対応。Bluetoothは受信だけでなく、送信機能も搭載。AVアンプの再生音声を、Bluetoothヘッドフォンなどで受信して再生できる。これにより、夜間などスピーカーで大きな音が出せない時間帯にBluetoothヘッドフォンで映画を楽しむといった使い方が可能。

MMカートリッジ対応のPhono入力も装備。フォノイコライザーを内蔵していないレコードプレーヤーでも直接接続できる。AM/FMチューナーも搭載、ワイドFMにも対応する。

HDMI以外の映像入力端子はコンポーネント×2、コンポジット×4。映像出力はコンポーネント×1、コンポジット×1。音声入力はアナログ×6、Phono(MM)×1、7.1ch入力×1、光デジタル×2、同軸デジタル×2。音声出力は11.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×1、ヘッドフォン×1。LAN端子やUSB入力なども備える。

消費電力は680W。待機電力は0.2W(通常スタンバイ)/0.5W(CECスタンバイ)。アンテナを寝かせた場合の外形寸法は、440×398×161mm(幅×奥行き×高さ)。重量12.8kg。