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NHK、地方向け番組のネット配信強化などネット業務の改定案

NHKは15日、インターネット活用業務の種類、内容、費用などについて定めた「NHKインターネット活用業務実施基準」の見直しを目的とした素案を公表。常時同時配信業務の時間増に加え、地方向け放送番組の配信強化を検討しており、東京から放送していない一部番組の見逃し番組配信を今年度から段階的に実施。来年度以降、配信を強化したいという。

ただし、拠点放送局からの配信は簡易な設備を用いて実施することから、放送直後に配信が開始できない場合もある。その場合、通常7日以内としている見逃し番組配信期間が短くなる事を避けるため、配信期間を14日以内にするという。

さらに、国際インターネット活用業務も充実。来年度、在外邦人向けのテレビ国際放送(NHKワールド・プレミアム)について、NHKワールドJAPANのWebサイトでの放送同時配信、および見逃し番組配信を開始する計画。提供対象地域は日本国外。

実施に必要な費用については、これまでの「各年度の受信料収入の2.5%を上限とする」という部分を改定。「実施しようとする業務が真に必要で有効なものか、受信料財源により賄うことが妥当かなどの観点から検討して抑制的な管理に努める」としながら、現在策定中の令和3年度を始期とする中期経営計画において、令和3~5年度の費用について記載する予定。

「常時同時配信等業務」の予算については、令和2年度予算額を基準にした上で、常時同時配信業務の時間増などの充実や、利用者増に伴う費用の増加、配信基盤やセキュリティ・プライバシー対策の強化などを見込む一方で、更なる経費削減の実施等を踏まえて費用を試算。

地方向け放送番組に係る常時同時配信などのについては、大阪拠点放送局などからの見逃し配信の強化など、今後の対象拡大による配信費用等の増を見込む一方で、昨年10月に行なった試算に比してより効率的な実施方法を前提とし、費用の抑制を図る。

常時同時配信等業務の開始にあわせて提供コンテンツを見直すなど既存業務の費用をより一層抑制することを前提としており、「各年度において費用の削減を行なうことを想定した」という。その上で、放送法上の努力義務に関する業務のうち民間放送事業者との連携・協調に資する取り組みについては、「事業者からの要請・調整を踏まえて内容の充実を図ることが出来るよう、費用の増額を見込んだ」とのこと。

これらを踏まえた素案に対して、経営委員会が16日より広く意見を募集。集まった意見を参考にして案をとりまとめ、総務省に認可申請する予定。