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レグザ、次世代エンジンZRαの最高峰4K有機EL「X9900L」
2022年5月17日 08:00
TVS REGZAは、新開発の画像処理エンジン・ZRαを搭載したフラッグシップ4K有機ELレグザ「X9900L」シリーズを6月中旬より順次発売する。サイズは65型と55型。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は65型が55万円前後、55型が38.5万円前後。
4K有機ELレグザ「X9900L」
・65型「65X9900L」 約55万円 6月中旬発売
・55型「55X9900L」 約38.5万円 6月下旬発売
CES 2022で開発発表された画像処理エンジン「ZRα」を搭載する、4K有機ELレグザの最上位機種。
'21年発売の前モデル「X9400S」シリーズは、「X9400」をベースにしたマイナーアップデートだったが、X9900Lではパネルからエンジン、サウンドシステム、インターフェイスまでを刷新。特に映像においては、3年の開発期間を経て完成したZRαエンジンの信号処理によって、ネット動画からゲーム、地デジ、4K映像の描写が底上げされており、“有機ELレグザ最高峰”のクオリティになっているという。
なお、OSはAndroid TVやGoogle TVではなく、X9400Sと同じLinux OSを採用。メニュー構成や映像分析情報表示など、歴代レグザのUIがそのまま継承されている。
X9900Lシリーズと同時発表の、ミニLED×量子ドット搭載4K液晶レグザ「Z875L/Z870L」シリーズは別記事を参照のこと。
輝度2割アップの最新パネルと新世代エンジンZRα搭載
65型・55型共に、4K/3,820×2,160ドットの有機ELパネルを採用。新モデルでは、輝度性能を高めた最新世代パネルと新開発の高冷却インナープレートを組み合わせ、従来比2割アップの高い輝度を実現しているのがトピック。「ピーク輝度は1,000nits超」(説明員)とのことで、明るく鮮やかな映像と有機ELならではの引き締まった黒を両立したという。
開発に約3年を要した新世代エンジン「ZRα」を初搭載。映像解析を高度化するため、ディープニューラルネットワークを駆使したハードウェアAIエンジンで、高ビット精度の信号処理と最新の超解像技術を導入した。
今回加わる新しい超解像技術が、「AIナチュラルフォーカステクノロジー(立体感復元超解像技術)」。
これは、高度な映像分析によってリアリティを高める超解像処理となっており、AIで画面部分毎にニューラルネットワーク分析することで、画面の中にある“被写体”と“背景”を識別し、それぞれに最適な処理をかけることで、あたかも“人間が肉眼で見ているようなリアルな世界を実現”するもの。
具体的には、エンジンが近景と判断した部分には超解像、遠景と判断した部分にはエンハンスを弱めたり、適切なノイズリダクション処理を施すことで、自然な奥行きと立体感を生み出しているという。
顔検出技術を用いた、高精度な映像処理も実現。
新開発の「美肌AIフェイストーンZRα」では、AIが映像の中から複数の“顔”を検出して、人物の肌色がカラーシフトしているか否かを判定。ドラマなど、照明の影響でカラーシフトした顔色と判断した場合は、自動で自然な色に補正してくれる。
さらに人物に適切な超解像処理により、リアルで立体感ある人物映像を描写するという。
近年、テレビでの利用者も増え続けているネット動画にも、新しい映像処理技術を投入した。
「ネット動画AIビューティZRα」では、YouTubeやNetflixなどネット動画サービスの特性に合わせて、コントラストや精細感調整などの画質処理を実施。加えて、ネット動画で目立ち易い“バンディングノイズ”を大幅に低減する専用のスムージング処理を開発。絵柄なのか、ノイズなのかを高精度に判別し、絵柄の部分に関しては精細感を残しつつ、バンディングやブロックノイズ部には適切なリダクションを行なうことで、大画面でもキレイなネット動画を楽しめるようにした。
放送番組のさらなる高画質化にも注力。
新搭載の「地デジAIビューティZRα」は、高性能エンジンにより、リアルタイムに複数回の超解像処理を実施。放送波のさまざまなノイズを取り除くことで、高精細でクリアな地デジを可能にした。例えば、バラエティや情報番組に多く現れるテロップやワイプ周辺に発生しがちなノイズも除去できるようになっており、一段とノイズレスでクリアな地デジが楽しめるとのこと。広色域復元技術もブラッシュアップしており、鮮やかな色彩を再現するという。
HDR10、HLG、HDR10+、Dolby VisionのHDR規格ほか、視聴環境にあわせて最適な映像を映すHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQもサポートする。
スピーカーがハイレゾ対応。ダイレクトボタンは業界最多の10個
搭載するサウンドシステムは、総計90Wの「重低音立体音響バズーカXHR」へと変更(前モデルは142Wの「レグザパワーオーディオX-PRO II」)。
フルレンジ×2、ツイーター×2、サイドツイーター×2、トップツイーター×2、ウーファー×1に加え、画面自体を振動させるスクリーンスピーカーを初搭載することで、映像と一体感のあるサウンド表現を目指した。
さらにリアルな音場空間を実現するハイレゾにも初対応。Dolby Atmosと合わせ、立体的で迫力のあるサウンドが楽しめるようになった。
テレビの設置環境に応じて音響特性を補正する「オーディオキャリブレーション」機能も新搭載。
テレビから発するテストトーンを、リモコンのマイクで測定。音響特性を取得・補正することでリビングやベットルームなど、部屋に最適なオーディオ設定に自動調整してくれる。
搭載チューナーは、地上デジタル×9(タイムシフトマシン含む)、BS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2。USB HDD(別売)を用意すれば、地デジ/BS/CSの2番組同時、4K放送の裏番組録画が行なえる。
また、地デジ番組を最大6チャンネルまるごと録画する「タイムシフトマシン」を搭載。4TB HDDを使えば、最大6チャンネルをDRモードで約80時間録り貯めることができる。
ほかにも「過去番組表」やテレビ起動時やチャンネル選局時に気になる番組を見つけてもボタン1つでオープニングから視聴できる「はじめにジャンプ」、ジャンル別リストから見たい番組をすぐに再生できる「ざんまいスマートアクセス」、見たいシーンにアクセスできる「シーンリスト」、2K/4K放送番組を自動録画してくれる「おまかせ録画」にも対応する。
ネット動画ダイレクトボタンを拡充した、新レグザリモコンを採用。
従来(X9400S)のダイレクトボタン「ABEMA」、「Netflix」、「Hulu」、「U-NEXT」、「YouTube」、「Amazon Prime Video」のほか、新たに「Disney+」、「TVer」(ソフトウェアダウンロードで対応)、「dTV」、「Net.TV」の4ボタンが追加。業界最多となる、10個ものダイレクトボタンを搭載した。
好みのネット動画アプリや、HDMI接続した外部機器をユーザーが登録できる「My.Choice」ボタンも2つ設置。例えば、ダイレクトボタンのない「DMM.com」や「SPOOX」「Paravi」などのアプリをMy.Choiceに割り当てれば、ネット動画へのアクセスが更に便利に利用できるという。
リモコン部にはマイクを搭載。
ボイスボタンを押して、リモコンに話しかけることで、見たい番組やシーン検索が可能。番組の録画予約や文字入力も行なえる。
X930/X9400/X9400Sで7系統だったHDMI入力は、4系統に変更。うち入力1/2がHDMI2.1をサポートした。自動的に低遅延モードに遷移するALLMのほか、4Kのハイフレームレート映像が楽しめる4K120p入力、映像のちらつきやカクツキを軽減するVRR、高音質音声データのHDMI伝送に対応するeARC(入力2のみ)機能を備える。
HDMI以外の入出力端子は、4極ミニプラグのビデオ入力(映像・音声LR)、光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力、LANを各1系統用意。USB端子は4系統で、タイムシフトマシン専用×2、通常録画専用×1、汎用×1。外部スピーカー出力端子はなくなった。
消費電力と年間消費電力、外形寸法、重量は以下の通り。
【消費電力と年間消費電力】
・65X9900L:542W 316kWh/年
・55X9900L:403W 244kWh/年
【スタンドを含めた外形寸法と重量】
・65X9900L:145.2×33.6×86.8cm(幅×奥行き×高さ) 29.5kg
・55X9900L:123.2×31.3×74.3cm(同) 21.5kg