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日本初“映画音響を感じる椅子”。アクアシティ台場「FLEXOUND」で座ってみた

音響体感プレミアムシート「FLEXOUND Augmented Audio」

東京・台場にあるシネマコンプレックス「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」が、日本初となる音響体感プレミアムシート「FLEXOUND Augmented Audio」を導入。12月1日からの本格稼働を前に、報道陣向けに体験会を実施した。

ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場は、TOHOシネマズが運営していた「シネマメディアージュ」(2000年4月~2017年2月)を前身とする劇場。スクリーン数“13”は都内最大級の規模を誇り、日本初導入となるFLEXOUNDのほか、「スクリーンX」「4DX」といったPLF(プレミアムラージフォーマット)も展開している。

なお、アクアシティお台場の劇場システムにおける“日本初導入”は、'17年7月の「スクリーンX」に次いで、5年振り2度目となる。

【お詫びと訂正】記事初出時、「“日本初導入”は、'17年7月の4DX」と記載しておりましたが、正しくは「スクリーンX」になります。お詫びして訂正します。(11月30日12時)

ショッピングモール「アクアシティお台場」
モール1階にある「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」

音響体感プレミアムシートは、フィンランドで拡張音響システムの開発を手掛ける「FLEXOUND」(フレックスサウンド)の特許技術を用いた“音と振動を発生させるスピーカー”を内蔵した椅子のこと。劇場のスピーカーシステムに加え、座席に仕込んだスピーカーからも音声を出力する事で「耳から聞こえる音はより鮮明に聞こえ、さらに振動を通じて肌からも音を感じる」という、映画音響を身体で楽しめるのが特徴。

導入について同社は、「爆音上映やライブ音響機材による上映など、近年映画音響に対するお客様の意識の高さが注目されているが、“音量の増幅”とは別方向で、『音につつまれるような上質な音響環境をお客様ひとりひとりにどうすれば提供できるか?』に対する1つの回答が、FLEXOUNDの音響椅子」と説明。

「イヤフォンにも骨伝導といった、空気の振動以外の方法で音を聴く技術があるが、FLEXOUNDも振動技術を応用することで、椅子全体をスピーカーに変え、耳で音を感じると共に椅子の枕や背部から音と振動により身体でも音を感じることができる」と、プレミアムシートの特徴を話す。

音響体感プレミアムシート【FLEXOUND】とは(日本語版)

アクアシティお台場は全13スクリーンを構え、そのうちの10スクリーン(2~7、9~12番)・計85席に音響体感プレミアムシートを導入。場内座席の中央付近に、8~10個程度のプレミアムシートを各スクリーンに用意した。

プレミアムシートの利用料金は、鑑賞料金プラス200円。上映する作品側にDolby AtmosやIMAXのような専用の映像・音声データは不要。アクションやコメディ、ラブロマンス、ホラーなど、あらゆる上映作品でFLEXOUNDによる音響と振動が楽しめるという。

ヘッドレスト部

ヘッドレスト内部(黒いメッシュ生地のところ)には、2基のスピーカーユニットが搭載されており、台詞やフロント、サラウンドをミックスした音声を出力。ユニットは座席内部の合板に繋がっており、ユニットの動きが合板を通じ、腰や背中、肘など座席の接触部分に“振動”を伝達する仕組み。

ユニットを駆動するアンプは座席後方の映写室内に設置されていて、デジタルシネマ用のプロセッサーを経由した音声信号を入力。場内設置のスピーカーとヘッドレスト内部のスピーカーを組み合わせた際に自然な音響に聴こえるよう、ディレイや周波数などを最適化しているのがFLEXOUNDのポイントという(作品毎にチューニングは行なわない)。

アクアシティお台場の劇場支配人を務める山﨑大氏は「お台場には、スクリーンXや4DXもあり、様々なフォーマットで映画が楽しめるが、日本初導入となるFLEXOUNDで、音の面からも新しい映画の楽しみ方を提供したい」と話す。

アクアシティお台場の山﨑支配人

音響マシマシ、振動ぶるぶるの特等席で+200円はアリ

10番スクリーンで、FLEXOUNDを体験した。

10番スクリーン
FLEXOUNDは、中央に8席を用意

まずシートだが、通常席がファブリック生地であるのに対し、FLEXOUNDは高級感ある合皮シートを採用。肌触りが滑らかで、座り心地は上々。ドリンクホルダー付きの肘掛けが両サイドに設置されているほか、座席が独立していて、左右の間隔も15cm程度スペースがあるなど、かなりリラックスできる仕様と感じた。

ちなみにシートの“青色”は、デザイン性に加え、親会社のコーポレートカラー(ローソングループ)をイメージしたものだという。

座席は独立型で、両サイドにドリンクホルダー付きの肘掛けを備える

劇場の説明では“音に包まれるような上質な音響環境”とあり、勝手に控えめな鳴り方を想像していたが、予想を上回る迫力あるサウンドに正直驚いた。ヘッドレストからは、ユニットの動きを感じるほどの音圧。劇場の常設スピーカーとの相乗効果も手伝い、爆音クラスのブーストサウンドが楽しめる。ミックスされた台詞の出は抑え気味で、センターチャンネルからの台詞と合わせても違和感はない。

振動に関しては、ユニットの動きを生かす仕組みのため、無音シーンでない限り、座席は終始“ぶるぶる”震えている印象。体験会で上映した「トップガン:マーヴェリック」のオープニングなどは、「TopGun Anthem」(ファルターメイヤー×ジマー)からの「Danger Zone」(ロギンス)、そこに戦闘機の効果音などが加わるものだから、座席はさながらマッサージチェア状態。アクションはもちろんのこと、サスペンスやホラーなどは、振動効果で緊張感や驚きが倍増しそうだ。

お台場まで足を伸ばす必要はあるが、音響マシマシに加えて振動も楽しめ、しかも劇場の特等席でリラックスできるなら、プラス200円のFLEXOUNDはアリだなと感じた。

エントランスのチケット売り場前には、無料の体験席も用意されている